2x4材とアジャスターを使用することにより賃貸でも柱を建てることができるなんて便利な話でステキだけど、調べたらいくつか商品があるじゃんね~、ということでアレコレ見てラブリコとコメリ子を買いました! というのが前回。
公式説明によるとセットで使う2x4は、各自の部屋の天地(天井から床まで)の長さから
ラブリコ -95mm
コメリ子 -85mm
の材木を用意するよう、それぞれ指示があります。
えー、なんでサイズ違うの?と思ったのですが、前回書いたとおり2x4材自体は規格化されていてもアジャスターの方はまったく規格化されておらず、各社好き放題作っているので仕組みも違えばサイズも違うんですよね。
今回、2x4材の中でも溝付き柱というものを使うことにしたため、このサイズの差が非常に大きな問題になってきました。
2本の溝付き支柱を利用して、このイメージ写真のように横柱を渡すことを考えた場合に
・溝の位置(高さ)が左右でズレると溝の意味がなくなる
ことから
・ただの棒だったはずの2x4材に上下の概念が出てきた
うえに
・家の構造が左右非対称なので、材木の長さも非対称になり
・設置時に溝の高さが揃うように、カットする段階で調整が必要
となってきました。
正直なところ、今になってかなり面倒なことになったなぁ・・・と思っています。
しかし買ってしまったものはしょうがないので、しっかり活用するために少しちゃんと設計をする、そのために今回購入した2種類のアジャスターそのものの採寸をしておくことになりました。
※とはいえ、以下100均の道具で適当に計測しているため、それぞれ1mmくらい誤差が出ている可能性があります。
ラブリコ、コメリ子の寸法
外側はあまり気にならないのでスルーして、
1.2x4材の入る部分の縦横
2.2x4材の入る部分の深さと全体の高さを比較して、アジャスターで増える高さ
の2つを測ります。
部屋の構造や使う位置によっては外側のサイズも問題かもしれませんが、たぶんそういう情報はどっかに載っているかと思うので省略。
※上キャップ下キャップといった呼称はラブリコの説明書に合わせています
2x4材の入る部分の縦横を測る
上キャップをひっくり返してノギスで計測します。
ラブリコから。
2x4材は標準で38mmx89mmとされているので、内寸の39mmx91mmというのはイイ感じのサイズだと思います。
2x4材といってもあくまで材木なので多少のサイズ違いはあり、入らないと困るので少し大きめにしておく必要はあるのですが、とはいえユルユルになっても困ります。
そうならないようにラブリコがどうしているのかというと、これまたシンプルに内側に線状の出っ張りをつくっておくことで、ほどよくユルまないように工夫されています。
続いてコメリ子。
ラブリコもそうですが、基本的に同じメーカーの同じ製品の上下で縦横サイズが違うことはないハズなので片方だけ。
短い方(38mm)側は39mmでラブリコとほぼ同じですが、長い方の92mm強というのはラブリコの91mmと比べてやや広めです。
高さと深さを計測
続いてアジャスターの高さと、2x4材の入る深さ。
こちらが重要です。2x4材の入る深さは基本的に変化しませんが、高さは突っ張れるように増減します。ここでは最も短くした(突っ張らない)状態で計測します。
まずはラブリコから。
ノギスはこんな感じの使い方もできて、、、
この場合、下の方にある銀色のポールの長さが上の方の目盛りに表示されているので、これは天キャップ+上キャップの高さが119mmということになります。
続いて上キャップの内側の深さ、つまり2x4材がどれだけ食い込むかを調べます。
中はプラスチックが格子状になって二重底・・・というか上げ底?みたいになっていて、2x4材は上キャップの最奥まで入らず途中で止まるようになっています。
うまく2x4材が入るところまでの深さを測ります。
続いて下キャップのほうの高さを測ります・・・
この結果、差引すると
天キャップ+上キャップ:119mm(外寸)-38mm(内寸=2x4材が入り込む深さ)=81mm
下キャップ:40mm(外寸)-32mm(内寸=2x4材が入り込む深さ)=8mm
合計 約89mm
がラブリコ自体の実質的な高さ、つまり2x4材にかぶせたときに材木にプラスされる長さということになります。
前述の通りラブリコの説明書では2x4材は部屋の天地距離から95mm短くカットするようにとあります。
おそらく、ラブリコの長さ89mmに、突っ張る範囲として最低+6mmを想定して設定された数値が95mmということなのでしょう。(採寸は大雑把なので1mmズレていて、本当は90mm+5mmかな?)
それにしても、下キャップのうち2x4材が食い込む部分を除くと、滑り止めシートとプラスチックのケースの厚みで合計8mmとなります。見た目に反してプラスチックもある程度の厚みがあるようです。
続いてコメリ子。外寸から・・・
続いて下キャップ・・・
この結果、差引すると
上キャップ:78mm(高さ)-19mm(2x4材が入り込む深さ)=59mm
下キャップ:41mm(高さ)-19mm(2x4材が入り込む深さ)=22mm
合計 約81mm
がコメリ子自体の実質的な高さ=2x4材にかぶせたときに材木にプラスされる長さということになります。
コメリ子の説明書では2x4材は部屋の天地距離から85mm短くカットするようにとあります。
コメリ子自体の高さが計測どおり81mmあるとすれば、突っ張る範囲として+4mmを想定していることになります。
ラブリコが+6mm、コメリ子が+4mmということでだいたい近い数値になりました。(手計測なのでズレていて、本当は両方とも+5mmなのかもしれない)
一つ気になったのは、ラブリコと構造が異なりコメリ子の内部にはスポンジが入っているため実際には上下とも表示のサイズより(スポンジが沈んで)深く2x4材がアジャスターに食い込むことになり、数字よりも余裕があるのかも・・・ということ。
試しに軽く手で押し込んでみたのですが、このスポンジ、かなりミチミチでほとんど沈みませんでしたが・・・さすがに材木を入れて突っ張ったときには両方1mmくらいずつ沈み込む想定なのかな?(そうするとコメリ子自体の高さが81mm-1mm-1mm=79mmになって85mmまで+6mmと、ラブリコと同じになる)
サイズ検証をしてみる
というわけでアジャスターそのものの計測が終わったのですが、実際に測った位置が正しくて数値に実用性があるのかどうか、現物(2x4の端材)を使って検証をしてみます。
端材なので多少サイズにゆがみがあるのですが、左右計測したうち長い方の98mmを端材の長さとして計算してみます。
まず端材にラブリコを上下とも差し込んで、全体の高さを測ります。
このように天キャップから(ちょっと見づらいですが)白い滑り止めゴムの先までの長さは188mmになりました。
ここから端材の高さ98mmを差し引くとラブリコ本体は90mmでした! ということになります。あれ、計測結果は89mmだったのでは?という感じですが、1mmは計測誤差かな・・・。
続いて同じようにコメリ子に端材を差し込んで計測します。
こちらは179mmという感じですかね。
端材の高さ98mmを差し引くとコメリ子の高さは81mmということになります。こちらは上の計測値と一致します。
各サイズを表計算ソフトに落とすとこんな感じのイメージです。
茶色いのが2x4材の入るところです。
このような感じで、ラブリコとコメリ子では物体としての高さには4cmほどの差がありますが、2x4材の差し込み深さで差が縮まり、最終的な高さの差は1cm弱となります。
両者を混在させたり、コメリ子で使っていた柱をラブリコで使う、といった場合にはこの差を加味する必要があります。逆にラブリコで使っていた2x4材をコメリ子で使うというのは長さが足りなくて難しいかもしれません。
といっても、結局は1cmの差なので最悪、何か挟み込んで高さを稼げばなんとかなりそうな感じもしますが・・・。
ラブリコはガッシリくわえ込み、コメリ子は乗せているだけの状態
上のイラスト(?)を見てよくわかるのは、ラブリコのほうが2x4材を奥深くガッシリとくわえ込んでいるということです。
そういえば深さ以外にも、最初に行った内寸の計測で89mm側(長い方)はラブリコ91mm、コメリ子92mm強という差が出ていましたが、実際に2x4材を入れてみた際にこの差は数字以上に大きく感じられました。
こんな感じでコメリ子のほうはかなり隙間がある状態です。
これだと差し込んでいるというよりは乗せているという状態で、実際2x4材を持ち上げるとスッと持ち上がり、コメリ子本体はそのまま地面に置いてけぼりになります(上下とも)
それもそものはずで、何しろ2x4材の全周にわたって1mm程度の隙間があり、押さえつけるものがまったくありません。
ラブリコのほうもまったく隙間がない、というほどではないのですがかなり狭くて、薄い板ならなんとか入るかな?という感じです。
なんだ、ラブリコのほうも隙間があるじゃん、という感じなのですが、前述の通りリブのような出っ張りが2x4材に食い込んでいて、隙間があるように見える状態でも実はガッチリ食い込んでまったく外れません。
この端材部分を手で持ち上げると、ラブリコ本体はピッタリ付いたまま持ち上がり、かなり力を入れて両者を分離しないと外れない状態になっています。
うーん、それにしてもコメリ子はいくらなんでもスカスカ過ぎないか? と思ってもう一度計測してみました。すると・・・
あっれー? 上で92mm強と書いた長い方の内寸が、実は93mmありました。
えー、測るの間違えた? と思ったのですが、どうもそうではなくて測る場所(位置)によって1~2mmほど、違いがあるようなのです。
コメリ子はなぜか(横から見ると)台形になっている
なぜ測る場所によって内寸に違いが出るのかというと、コメリ子は形状が(上下とも2x4材に向かって開くような方向で)やや台形になっているためです。
なんかこう、凸凹のデザインが赤線のようなすぼまった印象を与えるけど、実際は青線のように広がったサイズになっている。
下の写真は脚部の外寸を計測したものですが、上側(2x4材が入る側)は98mmほどあるのに対して下側(地面に接する側)は96mm弱しかありません。
内寸側も同様で、縁に近い部分は長く(上の例でいえば93mmに)なり、奥側(スポンジに近い部分)では短く(同92mm)になる、ということになります。
この結果、かなり大きめの2x4でも受け入れられるけど、くわえ込むというよりは上に乗せてるだけ、みたいになってしまっています。
いやいくらなんでも92mmとか93mmとか大きすぎるのでは?という感じがしますが、材木を扱っているコメリが作っているのだから「89mmのハズところ実測だと92mm近い2x4材」というものがあるのかもしれませんが・・・
据え付けの印象としてはラブリコのほうがガッシリしている感
実際、2x4材を差し込んで両方をセットしてみたところ、、、いきなり結論になりますがこれはもうラブリコの完勝です。
コメリ子はグラグラするんですよね。
単体で置いたときもこんな感じです。ここに長い2x4材を差し込んで突っ張っても、やはり同じようにグラグラしてしまう。
確かにグラグラしているだけで突っ張れないワケではないのでは?というとそうかもしれないけど、ガッチリ固定されて微動だにしないラブリコと比べると、印象としては非常に弱々しいです。
ちなみにラブリコの場合は、突っ張っていない状態だとグラグラどころか個々のパーツがポイッとぶちまけられた感じで、アイテムとしての体裁をなしていないです。
しかし、突っ張るとガッシリして動かない。これはなかなか見事です。
そんなわけで、うちではラブリコをメインとして、買ってしまったコメリ子は左右に壁(つっかえ棒)のある状態で使おうかと思っています。
面倒なので興味本位で複数の製品を使い分けるのはやめたほうがいい
冒頭に書いたとおり2x4材自体は規格化されているのにアジャスターは規格化されておらず、今回見たとおり色々なところが違いました。
細かい寸法の差はたいしたことないと思うかもしれませんが、一度切ったら元に戻せない材木という素材を組み合わせて利用する上では非常に重要なポイントです。
また、どれだけガッシリと固定できているか、というのは(印象でしかないのですが)重要で、それ以外にも利用者の数、入手のしやすさ(コメリ子はコメリでしか買えない)、1cm短い柱を使える、などを考えるとラブリコの方を選んでおけば間違いないのでは?と思ってしまいました。
手に持ったときの質感、機構の繊細さ、という点ではコメリ子のほうが圧倒的にいいんですけどね。
続く。