前から気になっていて、いつかやってみたい、と思っていたレトロブライト。
俗に光合成とも言われる黄色化してしまったプラスチック、、、から黄色を抜いて白く戻すというワザです。
具体的には、
・ワイドハイターEXに浸けた状態で数十時間の長時間にわたって紫外線(太陽光)を当てると黄色くなったプラスチックが白に戻る
という内容。
ネット上には古いファミコンなどを真っ白にしている猛者がいっぱいいます。
今回は、化学のお勉強は置いておいて主夫的な立場で「これイケるの?」みたいな軽い気持ちでやってみた作業を記録しておきます。
0.用意するもの
ワイドハイターEX
そんだけ。
あとは必要に応じてぞうきんとかブラシとか、ビニール袋とかビニール手袋とか。
今回は塗布した液をのばすために旭化成のクッキングペーパー「クックアップ」を使いました。(ぞうきんとかだと毛羽立ちがありそうなので)
垂れたワイドハイターが地面を濡らすと困るひとは、下敷きになる板などがあったほうがいいかもしれません。(素材によっては垂れるとかなり変色する)
1.やりかた
一般的には、桶のようなものにワイドハイターEXをなみなみと満たして、そこに対象物を漬け込むという、漬物のような方法をとるようです。
が、今回はお試し作業なので、
・対象物にワイドハイターEXをたっぷり塗布して密閉、もしくはビニールパックする
という簡易的な方法をとりました。
なので、今回2種類の対象物をレトロブライトしましたが、使用したのはボトル半分くらいの量です。
ではさっそくやってみましょう。
事例1.やや黄色化してしまった除湿機の透明タンク
一例目はこちら。
これ、除湿機の排水タンクの一部が、原因はよくわからないのですが黄色化してしまっています。こうして見ると結構目立ちますね。
除湿機内部に収納される排水タンクなので、使用中は外から見えるわけでもなく、仮に色が付いたままでもたいして問題ないのですが、それだけに実験には最適だと思って試しました。(失敗して変な色になっても問題ない、という意味)
全体ではなく一部が黄色くなる、というのがなぜなのかわからないのですが、この「下方数センチから上に向かって薄くなっていく」という色づき方から推測するに、よくある
・廃水が少したまった状態で放置しておいたら、水が満たされた部分(底から数センチくらい)は変色せず、その少し上の位置(気化したものが触れた部分)が変色
と同じじゃなかろうかと。
つまり、水回りでよく見かける汚れの付き方ですね。トイレなんかもそうですが、水面に沿ってリング状に濃い汚れがつくパターン。(ただし今回はそういうハッキリした境界は見られない)。
というわけで、まず「単なる汚れ」の可能性もあるので、まいど登場のカビキラー白と、、、
一般的な汚れの大半が溶け落ちる「油汚れ落としジェル」で掃除してみたけど、、、
なんか(黄変部分以外も含めた)全体的に「汚れ」が落ちたような「感じ」はするものの、黄色いのや白っぽくなったのは改善の気配がないですね。残念。
紫外線がなくても変色するの?という疑問
というわけで、汚れではなく変色だということで、ちゃんとレトロブライトできそうです。
ただ、、、除湿機の排水タンクっていうのは奥まったところに入っていて陽光を浴びたりしないはずなのに、どうして変色してしまったんだろう?
・・・と思ったのですが、調べてみると
・プラスチックの黄変というのは紫外線が主因ではなく、プラに含まれる素材の化学変化なので、日陰に置いておいても発生するもの
なんだそうです。
化学変化であれば汚れの付着ではないので、汚れ落とし系の溶剤ではナニも落とすモノがない、変化無し、という結果になるのは当然ってわけですね。
ワイドハイターで汚れが落ちて白くなるわけでもない
しつこいですが、汚れじゃないことの確認として、本番作業前にワイドハイターEXを塗布して日陰(でもないのだけど室内)でしばらく放置してみたのですが・・・
1日24時間くらいは置いてみたのですが、やはり全然効果無しです。
というわけで「何かしら汚れが付いて黄色化してしまっているため、漂白するだけで色が落ちる」というものではなく、「プラスチックそのものが変質してしまっている」と考えて良さそうです。
こうしてようやく・・・
レトロブライトやってみた!
です。
ベランダでレトロブライトやってみる
さっそく、日中、ベランダで太陽光に当てて放置する作業をしていきます。
ちょっとわかりづらいですが、こんな感じでワイドハイターEXをタンクの中にたぷたぷと注いで、ぐるぐる回してまんべんなく行き渡るようにして、フタ(もとからついていた)をしてベランダ放置します。
タンクにフタをするのはワイドハイターが気化して外に放出されてしまうのを防ぐためで、蓋がないようなモノの場合は透明な袋にでも入れたらいいかなと。
(ただ、透明ビニルとはいえ、まるごと覆ってしまうと紫外線を少なからず遮蔽してしまい、効果が落ちるらしい)
1日では効果が薄いらしいので、
・晴天4日、曇り2日ほどワイドハイターEXを塗っては太陽光に当てる、を繰り返した
ところ、こんな感じに仕上がりました。
比較用に似たアングルでレトロブライト実行前に撮影したのがこういう感じ。
色の落ち具合がよくわかります。ほとんど無色と言っていいレベルまで落ちたのではないでしょうか。
適当に塗って適当に紫外線をあてるだけでここまで色が落ちるというのは驚きです。
ただ、写真をよく見るとわかるのですが、やや白っぽくなっているんですよね。透明度が落ちているというか。ファミコンとか元々白いやつをレトロブライトしてるだけだと、この変化は気づけないと思います。
なので、もしかしたら他の色、たとえば
・群青のものが変色して黄色みがかかってしまったのをレトロブライトでもとの群青に戻したい、という場合は慎重にやったほうがいい
かもしれません(群青に戻らず、白っぽくなる可能性がある)
この事例だと見ての通り白っぽくなったとはいえサッパリ感がある仕上がりになったので、よかったかなと思います。