ふれふり!

素隠居してお菓子。そして興味がないことは無駄なく。

加湿器の電気代を比較してみる(気化式なら24時間使っても月額350円?)

気化式加湿器イメージ(昭和的な地味感・・・)



スチーム式の加湿器というものを初めて買いました。

破潰れのB級品を買ったら本当に箱がベコベコだったアル、という笑い話はこちらで、、、

2020free.com

 

その加湿器そのものがどうだったか、という評価?についてはこちら。

2020free.com

 

前回はスチーム式の加湿器の電気代高いっていうけど、本当かな~? という感じで調べたら本当で、なかなかに高額でビビった話でした。

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スチーム式は安い本体買っても高い本体買ってもランニングコストがさほど変わらない・・・ということは??? 高い本体のほうがトータルの満足度が高いのでは? みたいな結論です。

 

まぁこの前回のタイトルはちょっと釣りで、1万円超えてしまうのは24時間ガンガン使って電気代も東電が言うとおりガッツリ上がった場合、、、ですね。

 

今回のタイトルもちょっと釣りっぽいですが、あながちハズレとも言えないのでまぁいいかと。

 

使いようなので、短時間ならスチーム式もアリかもしれませんが、1日中メインで使うとなるとやはりかなり高コストで痛いよね・・・

ということで、今回は電気代が安いと噂の気化式ハイブリッドと比べてみます。

 

気化式&温風式のハイブリッド型AHD-D9K(富士通)の紹介

うちにあるハイブリッドタイプの気化式加湿器の数字を見ていきますが、その前に機種の紹介。

これです。

左のエアコンは持っていない

ノクリアXW連携用加湿器。

富士通の高級エアコンを購入した人に配っていた(言い方。一応セット販売?)ものらしく、もらったけど加湿器なんて要らないって人も多く、素性があゃしぃこともあって中古店やフリマサイトなどではかなり処分されています。(逆に、店頭で普通に単体で買うのは難しい)

富士通自体は加湿器を作っておらず、これはOEM品です。オリジナルはダイニチのRX-9xxシリーズで、RXシリーズはたぶん上から2番目のグレード、9xxシリーズってのは容量の大きなタイプです。

つまり、元はソコソコいい方のやつ。

富士通向けOEM版ということでイロイロ不穏な感じはするものの、基本的な加湿機能には制限は入っていないようで、自分が使っている範囲では実用上問題ないようです。(付加機能としてエアコン連携機能がついているが連携ボタンOFF状態でまったく問題なく使える)

 

世代的には少し旧型になりますが、加湿器は劇的に進化しているわけでもないので現行機と比べてもさほど劣るわけではないと思います。(直近の製品にある抗菌機能は一部しか付帯していないので抗菌が大事な人は最新型が良いかも)

※これらOEM関係の話は全て非公表なので推測

 

ダイニチは加湿器の有力メーカーですが、自社店舗で旧モデルのアウトレット品も扱っており、時期によっては結構在庫(種類)もあるようです。もし興味があるならそちらから選ぶのもありかと。(楽天などにも出店していて付与ポイント増も頻繁にある印象)

ただ、それでも容量の大きなタイプは結構いい値段しますので、今回自分は上記のOEMモデルに行きました。

 

オリジナルはたぶんこのあたりの機種。もうちょっと古いモデルかな?

リンクを張っておいてなんですが、やはり結構イイ値段するのでアウトレット系を推奨します。(製品の性格上、Usedはあまり推奨しない・・・)

 

ハイブリッドタイプの電気代、標準モードだと結構高い

AHD-D9K説明書の仕様欄、、、数字がいっぱいでめまいがしますが、4段目の消費電力欄を見ると18W~500Wと幅があります。

富士通AHD-D9Kのマニュアルより

一番左の「標準」モードがおそらくこの機種のメイン動作モードなのでしょうが、470Wです。

一般に電気代が安いと言われる気化式ですが、標準の470Wでは前回見たスチーム式と消費電力が変わらず、正直言って話になりません。

これを見る限り、ガッカリだよ!と言わざるを得ないでしょう。

(とはいえ、加湿量も860mL/hと倍近いので、性能が悪いというより元々がハイパワー型な感じではある)

 

参考までに前回の画像を引用しますが、電気代が激高と言われるスチーム式のRR35とVT-256が350W、RR50で480Wです。

AHD-D9K標準モードの460Wが電気代という面ではアンドバンテージがないことがわかるでしょう。

 

一応、仕様では「消費電力(最大)」とあるとおり、常時同じ電力を消費するスチーム式と異なりハイブリッドというだけあってパワー(消費電力)は動的に調整するようです。

一応オートでパワーを調整するとはあるが・・・

ただ、どんな感じに調整されるのかはよくわからないのでなかなか評価のしようがないんですよね。待機電力的な感じで1/10くらいまで落ちるのか、1/2くらいまで落ちるだけなのか・・・(スチーム式の場合は沸騰時の1000Wほどから1/2~1/3くらいまで落ちる感じだったわけです)

このあたりはワットチェッカーのような機材があればリアルな数字を調べることができそうですが、あいにく手元になく・・・

 

エコモードが超省エネっぽいけど、ほんと?

ただ、上の表の中に唯一「18W/20W」と消費電力が一桁低いエコ(eco)モードというものがあります。

あまりの差に、何かの見間違い? これ、実は誤植で1が抜けていて、本当は118W/120Wの間違いなのでは? と思ったのですが、、、

最新型922も同様(ダイニチ公式より)

このようにダイニチの最新型でも同じようにエコモードは一桁少ない消費電力になっているので間違いではないのでしょう。

 

これはかなり使えるモードなのでは? という感じですが、あまりにも不自然なので落とし穴がありそうです。消費電力が1/10でもかんじんのパワー、加湿量が1/10では意味がありません。

 

ところが、あらためて仕様を見ると18Wなのに加湿量は460mL/hです。

エコモードだけがおかしい

確かに標準モードの860mL/hよりは少ない。半分くらいです。

でも、前回みたスチーム式で350mL/hのVT-256やRR35を超えて、480mL/hのRR50に迫るパワーはあります。

 

なんだこりゃ。

 

なんか、あまりに都合が良くない? 数字の見方が間違っている? 

 

こんなモードがあれば、ウリにしなくてはおかしいよね?

・・・というわけで、セールス側の視点からも確認してみます。

 

(なお、mL/hというのは1時間に何ミリリットル水を消費する=加湿できるかというパワーで、500mL/hだと1時間で500mlのペットボトル1本分の水分を空気中にばらまくということです)

 

エコモードの秘密?

別にダイニチの回し者ではないのですが、、、代表的なメーカーなので、、、同社の公式サイトを見てみたところやっぱりこのエコモードの低消費電力は間違いではないらしく、ちゃんとPRしていました。

右のLXタイプというのはAHD-D9Kよりさらに大きく高機能なタイプ(本体はチと高い)

さすがに他社のスチーム式との比較はしてませんが、、、

ダイニチ公式では省エネのため「大容量モデルをエコモードで使う」ことを推奨しているようです。(大容量モデルのほうが高価格だから、っていう販売戦略上の理由もあると思うけど・・・)

 

どうしてこうまでエコモードが効率的になるのか。

 

その理由は

・発熱するヒーター部分をまるで稼動させず、気化フィルターと送風だけで加湿する

ようで、このような省エネ稼動ができるみたいです(標準モードではヒータを併用する)。

ヒーターの有無でこれほど違うということから、

・熱を出すということがいかにエネルギーを消費するのか

ということがよくわかります。

 

ひたすら熱で水分を蒸発させて加湿するスチーム式とは対極にありますね。(スチーム式は逆に送風ファンを使わない)

 

消費電力1Wあたりの加湿力を比較する

エコモードと他とのエネルギー効率の差がどれくらいあるのか、イメージを掴むために適当にエクセルに落として「1Wあたりの加湿力」を比較してみたのがこれ。

加湿能力÷消費電力の割り算をして1Wあたりの加湿力を算出

 

はぁぁぁぁぁ!!?

 

ハイブリッド式(AHD-D9K)は標準モードでも1.83と1点台前半のスチーム式よりかなり効率が良いですが、エコモードは25.56と圧倒的な高効率です。

上に引用したダイニチ同士のモード間比較では「7倍」とされていますが、スチーム式と比べると「20倍」です。

これはさすがに大きい。

やっぱり、なんか間違ってるんじゃないか?と不安になるくらいの差。(ただ、既に何度も確認したとおりこの不安は杞憂に過ぎない)

 

電気代高騰のいま、気化式(エコモード)は圧倒的

以上のようなわけで、

・気化式はスチーム式より明らかに電気代が安い

のは間違いなく、それも

・エコモードであればちょっとやそっとではなく圧倒的な省エネ高効率

なうえ

・エコモードであってもスチーム式と遜色ない加湿力が得られる

ので、たとえばリビングや寝室で1日ずっと使いたい、みたいな人はこれ一択、と断言してもよさそう(電気代が気にならない貴族様は除く)

 

試しに電気代単価27円x消費電力18Wで計算してみると

1時間あたり 27x18/1000=0.49円

24時間 0.49x24=11.66円

30日 11.66x30=約350円

となります。

 

ひたすら水を追加して24時間ガンガン稼動させても350円。

8時間しか使わなければ一ヶ月120円です。

 

いやー、圧倒的じゃないか我が軍は!

 

繰り返しになりますが、気化式だからすべてが安いわけではありません。

 

電気代を気にする場合はエコモード以外は使ってはいけません。必ずエコモード。

エコモード以外はダメ絶対!

エコモード一択です。(しつこい)

 

ちなみに東電の2023.06値上げ後の予定単価41円(第二段階)で計算すると

1時間あたり 41x18/1000=0.74円

24時間あたり 0.74x24=17.71円

30日あたり 17.71x30=531円

となります。

実際は1日8時間利用とすれば1/3くらいになるので、一ヶ月で180円くらいですかね。

 

今回買ったYAMAZEN VT-256は270Wでしたので同じ計算をすると

1時間あたり 41x270/1000=11.07円

24時間あたり 11.07x24=265.68円

30日あたり 265.68x30=7970円

となります。

実利用で1日8時間/日とすれば1/3となり、1ヶ月2600円くらいです。

 

うーん、さすがに無視できない額だと思うのは自分だけでしょうか・・・(たぶん続く)