ふれふり!

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加湿器の電気代を比較してみる(ダイニチのエコモード)

これね



スチーム式の加湿器というものを初めて買った話からの流れで、今回も気化式の電気代について。

 

スチーム式は電気代が結構かかるという話から、気化式は電気代安いよね、という話まできました。

2020free.com

そして上では

「気化式といってもなんでもいいわけではなくエコモード一択」

という話をしています。

 

今回は同じダイニチのエコモードで、モデルによって消費電力や効率がどれくらい違うのかを比較してみました。(カタログ値ベース)

自分はダイニチが初めてだったため、よくわからずお試し的な意味合いで安いOEM版を買ったわけですが、同じくらいの性能のものなら通常のラインナップの中から選択したほうが選びやすいし楽だよね? という話です。

 

ダイニチvsダイニチvsダイニチ・・・

気化式はパナソニックなど他のメーカーも出しているのですが、今回は他社をまったく見ておらずダイニチだけに絞って比較します。

見た感じ、デザインという観点からはパナソニックあたりのほうがマシそうですが・・・(ダイニチも象印も、加湿方式は違えどデザインは五分五分レベル・・・)

 

なんかこういう比較表、ダイニチのサイトにあればよいのですが見あたらなかったんですよね。

製品比較では価格.comで選択して並べる、という手もあるのですが、ちょっと見た限りではザックリした比較しかできず。

 

適当にカット&ペーストして作りました。

右のほうに一部ある横棒のトコロは対応してない機能

公式サイトでは機種があまりにも多すぎるため、現行機の中から自分の好みで適当に選定しました。

まぁ見て比べてください、という感じなのですが目がチカチカする人は下に進むと(自分勝手なピックアップしたポイントだけ)説明してあります。

 

ダイニチのよくわからないラインナップをざっくり見ていく

このメーカーの加湿器がどんなラインナップなのかというと・・・

上の表で左のほうのRXT系機種は、多少オシャレ感を出した一般家庭用モデルで、ダイニチのラインナップの中心。TのつかないRXシリーズもあります。

基本的な仕組みはどれも似たようなもので、主要な違いは容量と価格。

そのほか、抗菌加工とか、デザインとか販路とかが多少違うものがあります。付加機能で差別化されているので、こだわりがあればそこらで選ぶ感じでしょうか。

 

LX系はRX系の大容量上位版みたいな感じです。リッチな気分を味わいたい人はこれでしょう。

たぶんですが、このあたりがダイニチが一番売りたいモデルではないかな?と。

 

HDのあとにアルファベットのつかない数字だけのラインは廉価モデルというか、基本機能だけにそぎ落としてコストを下げたモデル。

抗菌加工部分が少なかったり、機能としてはターボモードがない等といった差があります。

 

上の表のいちばん右の2つは大容量モデルで、大出力なのでオフィスや事務室、大きなリビングなどでガンガン加湿するのに使う感じのモデルです。

元々ハイパワーなので、ターボモードがありません。また、おやすみモードもありません。(休むことなく働かされる奴隷想定なのかな?<-違う)

 

数字は左の1桁または2桁が加湿力(ランク)、右の2つが発売年のようです。722だと700mL/hクラスの2022年の新製品ということです。

 

ぶっちゃけ、どれもこれも似たような感じですがこの最後の大容量モデルだけはクセがあるというか、特徴的なので選択する/しないはすぐに決められそう。(もちろん一般家庭では選択しないのが一般的)

 

とはいえ、それでも機種が大量にあって選択には困りそう。

 

ダイニチは

・家電量販店

・ホームセンター

・その他一般流通

みたいな感じで、中身がほぼ変わらないものを販売ルートによって分けているようです。それぞれ型番も違います。

イマイチ意図がよくわからないのですが、価格比較サイトなどを意識した、値崩れ防止みたいな観点なんでしょうか。

 

まぁ前回書いたとおり旧モデルのアウトレットなどもかなり流通しているので、全種類網羅しようとすればサイトのトップページにある何十種のほかにも、まだ20~30種類くらいは追加でチェックする必要がありそうです。

全部チェックするのは諦めて、容量が大きめのやつ(後述)が処分やセールになっているときにそれを狙うのが良いかと。

 

同じダイニチのエコモードでもモデルによって倍くらいの効率差はある

前回も書いたとおりダイニチの気化式加湿器を選ぶ大きな理由は、圧倒的な省電力稼動が期待できるエコモード。

なので、エコモードだけを比較する表をつくりました。

 

どん!

エコモード

いや作ってないやん、上の表に赤い枠でエコモードのとこを囲っただけやん。

そ、そうなんですけどね・・・線引いたんや・・・(涙目

 

これ見ると、同じエコモードでも

・消費電力が11W~63Wまで6倍

・加湿量が210mL/h~1700mL/hまで8倍

ほどの開きがあります。

 

この表から1Wあたりの加湿力を算出してみるとどうなるかというと・・・こんな感じ。

エコモードのスペックが同じ機種はまとめた(722&922etc)

スチーム式をさらし者にする気はなかったのですが、前回使った表に追加したらこんな風になりました。

最も数字の低い象印のスチーム式RR35が1.1で、最も高い42.9のHD-154(右から2番目)との差は40倍近くになります。

 

そして、同じダイニチのハイブリッド型エコモードでも、電気代の効率としてはだいぶ差があるということもわかります。

一番効率が悪いのはHD-3022の19.1で、最高効率なのがHD-154の42.9なので2倍ちょっと。

スチーム式との20倍以上の差に比べれば誤差かもしれませんが、気になる人は気になるかもしれません。

 

自分が買った富士通D9KはRXT722と同じエコモードスペックなので25.6です。スチーム式と比べたときは圧倒的な効率を感じましたが、この表の中に入ってくるとイマイチ効率悪い感じですね。残念。

 

大容量ほど効率が良いと思っていたけど・・・

大容量モデルのほうがエネルギー効率が良くて、単位あたりの加湿力は高く省エネだろう・・・などと思っていたのですが、意外にそうでもないですね。

RXT522とかHD-5022クラスがバランスが良いみたいで、数字が上がっています。

また、余計な機能がついてないせいかHD-70/90あたりも効率が良いです。

そしてHD-154の効率の高さは驚異的。

とはいえ・・・それよりもさらにハイパワーなHD-244は、標準モードの加湿力こそ2400mL/hと圧倒的であるものの、エコモードの効率という点ではイマイチです(もちろん加湿力はあるけど消費エネルギーが大きく低効率になっている)

デカければ高効率、というわけではないようです。

 

他にも、デカいモデルは本体の価格が高いし、サイズが大きく場所をとり、重量もあって持つのが大変、という問題もあります。

象印のポットもそうですが、加湿器という工業製品は非常にシンプルな構造なので、HD系大容量モデルも基本構造は同じなんですよね。これらも特別に作られたというよりは通常モデル2体分を1つの筐体に押し込んだものです。

実際にHD154や244は抗菌気化フィルターも、水を入れるタンクも2個あるのです。(そして本体価格も2倍以上)

このあたりのランニングコストも含めて考えるともう少し差が縮まるのですが、それはまた後日比較してみたいと思います。

 

悪環境ほど大容量ハイパワーモデルの効率が高まる

効率の良さ、というか加湿力の高低を比べるとき、こういうカタログスペックだけの比較と実態とは乖離があります。

ハイパワーなら加湿スピードも速く、速ければそれだけ劣悪な低湿度環境に自分の身体をさらす時間が短くなります。

また、この時期、加湿しても加湿しても時間とともに部屋の水分が自然に逃げていくことを考えると、機械のパワーとして2倍の加湿量だったとしても、実質的にはそれを超える差が生じ得ます。

 

こんな感じ。

 

Aモデル 加湿力500mL/h-自然消失250mL/h=250mL/h

Bモデル 加湿力1000mL/h-自然消失250mL/h=750mL/h

 

 カタログ値だとBモデルはAモデルの2倍でも実質は3倍の加湿力!!(実質詐欺か!?)

 

※250mL/hというのはまったくのテキトウでどれくらい消失するかは不明

 

こんな感じで、時間とともに自然に(建物に吸われたり外気との接触で)失われる室内の水分があることを考えると、加湿力の高いモデルと低いモデルとの差っていうのは

・気密性が高い部屋で使うならばカタログ値に近い差が生じる

だけで済むけれど、

・気密性が低い部屋で使うならばカタログ値よりさらに大きな差が生じる

といえます。

 

もちろん、狭い部屋であまり加湿しすぎても結露が・・・という心配がありますが、ハイブリッド式なので、湿度が上がってくれば加湿をしなくなるはずで、加湿のしすぎで結露ということにはならないと思います(のハズ

っていうか、湿度高いなぁと思ったら電源OFFにすればいいよね。

まぁそれを言ってしまうと、最初の加湿時は標準モードなりを使って湿度を上げて,それ以降は維持するためのエコモードに切り替えればいいのですが・・・(実際、標準モードでもそういう動作をしている可能性はあるので後日確認してみたい・・・)

 

ハイブリッド方式のキモであるセンサーの精度は?

ちなみに、結露の話が出たところで、ハイブリッド稼動の制御をするための湿度センサー、本当にどこまで信用できるものなのか? ってのを書いておきます。

いや、分からないって話なんですけど・・・(アカンのでは? 結露するのでは?)。

 

うちの手持ちの温湿度計「みはりん坊W」と比べると・・・

相対湿度30%と40%とで、10%の違いがあります。

ここも38%と48%で10%ズレている。

 

こんな感じでいつもズレています。

まぁズレているといってもあやふやなズレではなくて常時10%のズレなので、そういうもんだと思っておけばよいのかもしれませんが。

 

他の機種と比べてみるとみはりん坊のほうが正しそうな感じなんですけど・・・正直まったく詳しくないのでわかりません。どうなんだろう。

左の58%表示はシャープの空気清浄機

 

小容量モデル、特にエコモーターのついていない機種は避けた方がよい

逆に小容量のモデルはどうでしょうか。

スチーム式と比べたときのような1桁違うような差はないので、小さな機種を選んでも大丈夫そうではありますが、、、

本体の購入価格にもよるものの、小容量のモデルはエネルギー効率が悪く、特にHD-3022のようなモデルは避けた方がよさそうです。

 

一例で比較すると

HD-3022 365mL/h /11W

HD-5022 210mL/h /11W

と、同じ消費電力なのに加湿力が1.5倍になっています。

 

どうしてこんなことになっているのかというと・・・

最廉価機種だからか小容量だからか仲間はずれにされエコモーターがついていないHD-3022

コストの関係か、差別化か機体スペースの問題かわかりませんが、省エネ高効率の「エコモーターが搭載されていない」という明確な理由、機能差がありました。

 

どの機種がエコモーター非搭載なのかは確認してませんが、ダイニチではこのように明記することにしているようなので、小容量のモデルを選ぶのならこの点は確認してからのほうがよいかと思います。


また、スチーム式の安いモデルでも300mL/h前後あったことを考えると、よほど狭くて気密性が高い空間でもなければこの210mL/hという絶対値もスペック的にはちょっと心許ない感じです。

(本当に上で仮定したように250mL/hの自然な水分消失がある部屋であれば、210mL/hの加湿力では1時間かけても室内に放出した水分はほぼ残らないことになる)

 

HD系の容量大きめモデルがよさげ

見ての通りRXTなどの系統より、HD系の廉価モデルの方が効率が良いです。

理由は今ひとつよくわからないところですが、制御用エネルギーとかが少なく済むってことなんでしょうかね。(メーカーから制御系の違いは示されておらず不明)

 

上で書いたとおりターボモードなどがありませんが、省エネ運用を考えるなら不要な機能なので、HD系を避ける理由にはならなさそう。

また、もとからローコスト版という扱いなので、本体価格が安いのも魅力。

たとえば1年前の2021年モデルHD-7021だとそこらに流通している新品を買っても1万3千円くらいから。

通常価格でこのクラス

シーズンオフならもっと安くなってそうです。

その一つまえのHD7020が高くなっているのは流通在庫が減って競争がなくなったからでしょう。

公式アウトレットでは古い方が安くなっています。

 

公式サイトでは古いモデルにいくに従って安くなる感じになってる

(こんな感じで前のモデル、その前のモデルまでが捨て値になることもなく流通しているのがダイニチです。)

 

ただ、HD系のモデルってデザインが絶望的に昭和なんですよね・・・まぁ加湿器のデザインなんてどうでもいいのかもしれませんが。

※上の画像一覧で見るとRXTのほうがカクカクしててダサい? このへんは感覚かなぁ・・・

 

他にもフィルターの抗菌レベルが弱いとか多少違いはあるのですが、唯一、目に見えて違いが分かるのはトレイの部分の構造ですね。

HD系はデコボコが多くやや洗いづらい感じになっているのが実用上のデメリットかもしれません。(デコボコが多いと汚れやすく洗いにくい)

上位機種ではデコボコが減ってフラットになったうえ、抗菌加工強化などが謳われていてメンテの手間が軽減されてるようです。

同じ値段なら上位機種にすべきですが、あとは価格と相談ですね。

 

電気代以外のコストは・・・

書いたか忘れましたが、気化式では電気代のほかにフィルターなどの消耗品コストがかかります。

次回は電気代以外のそれらコストを含めて気化式がスチーム式に対して劣後しているところ、そしてその回避策を考えてみます。

(ちなみに逆のパターンでスチーム式の弱点である高額な電気代はどうやって回避するのかというと、回避策がないので諦めるしかないんじゃない?ということで省略)