ふれふり!

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加湿器の電気代を比較してみる(スチーム式をガンガン使うと月額1万円超?)

ゴポゴポと電気で湯を沸かしてスチームを出していくと・・・

スチーム式の加湿器というものを初めて買いました。

破潰れのB級品を買ったら本当に箱がベコベコだったアル、という笑い話はこちらで、、、

2020free.com

 

その加湿器そのものがどうだったか、という評価?についてはこちら。

2020free.com

 

今回はこの製品の運用コストの話。

 

 

電気代が月にいくらかかるのかぇ!?

昨今の電気代の値上がりで、電気馬鹿食いと言われるスチーム式加湿器の運用コストも跳ね上がってきています。

まぁ構造上、ずっと電気でお湯を沸かし続けるという非効率なことをしているわけですから、仕方ないこととはいえ・・・

 

そんなわけでそのあたりを少し確認してみましょう、という話です。

 

実際ゼニカネに換算するとどうなのか今回買ったVT-256の説明書を見ると・・・ちゃんと記載があってこの通り。

27円でこの状態だと・・・

ふーん1時間7.3円か。

・・・という感じですが、計算してみると7.3円x24時間で1日175円ですわ。

うーん。

30日続けると5200円。

家全体の電気代ではなく、この加湿器だけで5200円。

いやいや、本体買うときに2480円だったのに一ヶ月で電気代5200円はマズいでしょう。いろいろおかしいでしょう。

本体叩き売り状態で消耗品商法と言われるインクジェットプリンターだってそんな阿漕なことはしません(ちょっと違う)。

 

いやしかし、これどうなってるんだろう? なんかの間違い? 自分の勘違い?

 

そもそも算出単価27円/kWhというのも今そのまま通じるか?という問題もありますが、今回はとりあえずそのまま試算してみます。

 

ちなみに、2023年6月以降、東電の値上げがそのまま通れば41円/kWh(120-300kWhまで)に加え、燃料費調整額が(今と同じとすれば)+5円で概ね47円/kWhという感じになります。

上記試算の前提となる27円/kWhからすると、倍近い単価ですね。

 

東京電力のリリースをちょっと見る

ところで、その値上げされる電気料金ですが、今回ちょっと気になったので東電の値上げリリース見てたところ、なんかうさんくさいんですよね。

片方だけ燃料費調整額含めて比較するのおかしくない?

消費税とか再生エネは新旧の料金両方に含んでいるそうです。

でも、なんでか燃料調整費5.13円は現行料金(だけ)には含んでいると注記があります。なんでか?

 

考え方を示すページも同様の表記です。

一律9.83円の値上げとPRしているが・・・ここでも「現行単価には」!!!

あえて「現行料金には」と注記しているということは、申請後の料金には含んでいないってことですよね。

となると、これって本当は9.83円の値上げではなくて、9.83円+5.13円=14.96円の値上げなのでは?

値上げ幅を小さく見せるためのトリックなのでは?

 

いやー、でもまさかなー、ここまでの大企業がわざわざ注釈までしてすぐに露呈するようなトリックを使うかなぁ。

 

と、まぁそう思ってしまったわけですが、おそらくは世界的な燃料費の水準が現行のままであれば6月以降の燃料費調整額は5.13円ではなく0円スタートということで、ここからさらに燃料費の水準が上がれば調整額がプラス、下がればマイナス、という意図だとは思います。が・・・そうは書いてないからよくわからないんですよね。なんで書いてないんだろう。どっかに書いてあって見落としている?

それとも、9.83円という値上げを考えた時点から、すでにさらなる燃料費の上昇があってスタートは0円じゃなくて+2円とかだったりするから、書けないの?

(とはいえ、第一段階を例に出せば、現在の実支払額は25.01円だったとしても、調整額を含まない現行単価はもともと19.88円なので、そこからすると15円上がっていることには変わりない)

 

・・・などと、6月からの値上げのリリースを見ていて思ったのでした。

 

燃料費の水準がどうであれ、同じもの(燃料費調整額を含まない元の額)同士を比較しないのはフェアじゃないよな~、と。

こういうところがこの会社がその変わらない、根深い、ズルッこい体質を批判されてしまう理由なのでは?って感じがします。

 

生活に必要不可欠な電力は75%アップするけどたくさん使う人の分はそんなにアップしないよ!(グへへ・・・

もう一つ、上の第一段階に関する説明にある「相対的に低い水準を維持してまいります。」という言い訳がましい表現も、なんか納得がいかない感じなんですよね。。。ものは言い様だけど、「生活に必要不可欠な電気のご使用量」の第一段階の上昇率が約40%と最大になってるんですよ。

燃料費調整額を含まずに比較すれば75%の上昇率です。(19.88円->34.84円≒75.2%up)

この7割アップって、以前センセーショナルな感じでニュースにされていたイギリスと同じやん! よその国の話じゃなかったんや・・・(混乱して方言が良くわからなくなっている

 

逆に、たくさん使っている(必要不可欠ではない)第三段階料金のほうは約28%、調整額を含まないで計算しても48%程度のアップです。

うーん、「生活に必要不可欠な電気」のほうが75%アップで、それ以上にたくさん使っている分は48%アップっておかしくないですかね?

 

省エネに誘導するならエネルギーをたくさん使う人の料金をより多く上げ、そのぶんつつましく省エネ生活をしている人の上昇率は抑えればいいのに逆になっていてオカシイよ・・・と貧乏人は思ってしまう。

まぁ仮にソレをやると世帯員の数が多いところとか、電力会社に踊らされてオール電化とかにしてしまった人たちが黙っちゃいないかもしれないので難しいのかな・・・

 

もっとも、そもそも電気使用量が増えれば利益が増える会社が省エネを訴えること自体が矛盾しているんですよね・・・

 

さて、東電のリリースを見てたらウンザリしてきてなんかグチグチと演説めいた内容になってしまいましたが、それはこのあたりにして、話を加湿器に戻します・・・

 

コストや性能を象印と比較する

上のほうで試算した一ヶ月5200円とかいうのは極端な例で、実際は24時間稼動はさせないし、そもそも容器が2.5Lと小さくて24時間連続稼働どころか7時間稼動が限界(カタログ値)です。

なので、もう少し実態に即した金額を考えてみます。

 

VT-256自体はマイナーで情報も少ないので、本機の説明書のほか、他製品のカタログやレビューなどを見ながら比較してみます。

 

購入時に比較検討した象印のRR50なんかはレビューも多く、電気代月額2千円強と書かれていることが多いですが、それは1日6時間稼動という前提での話。

仮に24時間稼動だと4倍になって月額8千円前後になります。

VT-256の5割増しか~。割と妥当な感じ。

ということは5200円というのは何かの間違いではないということかな・・・。

しかもこれはあくまで従来の27円/kWhのコスト。仮に今後は41円とすれば、1.5倍です。軽く1万円は超えますね。オソロシイ。

 

とりあえず同じ6時間稼動でVT-256を再計算すると、、、

 7.3円x6時間=44円/1日あたり

 44円x30日=約1300円/1ヶ月あたり

という感じになります。

 

1300円か~。

 

象印が一ヶ月2000円強とのことなので、VT-256は加湿量が少ない分ちょうど見合った消費電力、電気代という感じで妥当感があります。

 

実際のカタログ値を見るとこんな感じなんですよね。

 

YAMAZEN VT-256/270W

象印 EE-RR50/410W(加湿時) 

 

加湿器のコストっていうのは消費電力とイコールです。いや、これは言い方か。

各所の料金試算は実測ではなく消費電力のカタログ値を元に計算で出しているので、当然こういうイコールの結果になるわけです。

※ちなみに象印RR50は沸騰まで25分かかり、その間は985wらしいので全体平均としては上記410wより高いハズ

 

カタログを見ていると、実際は同じ象印でも小容量機種のRR35という製品のほうがVT-256に近いかもしれません。

こんな感じ。

象印公式にYAMAZEN VT-256の情報を付記

 

前述の通り象印が6時間/日で一ヶ月2千円というのが一般的に言われる数字で、このようにカタログを並べてみるとVT-256の同条件1300円というのは妥当感がある、というか象印もYAMAZENもコストや加湿性能自体は変わらないんだな、という印象を受けます。

 

どれにしても、やはりスチーム式は電気代がキツいというのは本当やったんや・・・

 

電気代(消費電力)が高いのはお湯を沸かすときだけというのはウソじゃね?

270WのVT-256でも結構電気代を喰うことがわかります。

ときどき、

・スチーム式が電気代を喰うのは最初の沸騰させるときだけで、そのあとは巡航モードのようなものにはいってそんなに電気代は喰わないよ

みたいなことを書いてあるところもあって、なるほど確かに! と思っちゃったりするわけですが、実は上記のとおり象印の小さいタイプRR35でも加湿時(巡航モード)で305Wです。

VT-256の270Wでも高いのに、305Wだともっと高いわけで、とてもじゃないけど電気代が安いとは思えません。

確かに1000W近い沸騰時に比べれば省エネなのかもしれませんが、言葉のアヤみたいなものなので、騙されないようにしなければ・・・って感じです。実際は沸かし続けなくてはスチームは発生しないのです。

 

あと、実測してないので言い切っていいのかわかりませんが、、、少なくとも象印もYAMAZENも消費電力のところに「最大」とは書いてないので、常時3~400W程度は消費しているのではないかと推測しています。

 

ヒキニートがとにかく困るスチーム式の電気代

スチーム式加湿器は電気代が高い!と確認できたわけですが、とはいっても冬の数ヶ月の話です。

まぁしょうがないんじゃない、というヒトもいるでしょう。

勤め人などで日中家にいないヒトは実稼動6時間で十分かもしれません。1300円だろうが2000円だろうが、健康には替えられないのでアリかもしれません。

(ただ、冬の時期にはほかに暖房なども使うので総額はかなりアップするはず)

 

しかし、自営業やヒキニートの場合はそうはいきません。少なくとも12時間は必要だし、寝ている時間以外全部と考えると16~18時間は稼動させたいところです。

おまけに電気代の単価も、上記のような試算をした27円から41円(第二段階)へと、約50%アップしていく見込みです。

 

うーん、さすがにちょっとなーーーーー

というわけで、電気代が安いのってないの?という話を次回。

 

とはいえ今回せっかく買ったことだし、「スチーム式を選ぶなら」という前提で象印と比べてどうかという話を少し書いておきます。

 

スチーム式でしっかり使うなら象印、ちょこっと使うならYAMAZENも・・・ナシ寄りのアリ?

今回見たとおり、象印だからって1Wあたりの加湿量を劇的に上昇させる能力があるわけでもなく、ひたすら投入したエネルギー量に応じた結果(加湿量)しか得られません。(むしろ余計な機能のついていないVT-256のほうがRR35より消費電力が少ない。同じ350mL/hの加湿能力なのに)

運用単価的には同じくらいになってしまうので好きな方を選べばいいのでは? という感じだといえます。

 

ただ、前回のVT-256製品レビュー(?)で見たとおり工業製品としてのクオリティは圧倒的に象印のほうが上(というかVT-256がショボ過ぎ)です。

そしてほかの家電と異なり、製品価格に対して運用費(電気代)の割合が高いうえ、どちらも同程度の運用単価、そして「同じ運用単価で果たしてどちらが快適に使えるだろうか?」と考えた場合に、選ぶべきは明らかに象印のほうでしょう。

というわけで、メインの加湿器として使うなら絶対に象印にすべきだと思います。

一般家庭で使う場合、象印に装備された(そしてVT-256にはついていない)各種安全機能にも価値はあると思います。

 

自分は結構アレな評価をしつつもVT-256を買ってさほど後悔していないのですが、それは使い方によるところが大きいです。

作業部屋で仕事をしているときで、自分の足元すぐそばに置いていて、1日1時間か2時間くらいの利用っていう感じです。(2時間作業をしたあと14円もかかってしまったな・・・とかビンボーくさい感情を抱きつつ使っている)

 

唯一、実使用上、取っ手がないのが持ち運びに面倒で、その点だけでも象印にしておけばよかったな~というのはあります。