レザー、つまり革製品は生きているとか、手入れをすれば成長していく、味が出てくると言われることがあります。
まぁそういった微妙な表現はともかくとして、反対に手入れをしなければ長持ちせず劣化が早いという話もあって、そちらはわかりやすい(実感しやすい)気がします。
興味のない人はこんな話を聞いても「ふーん?」「面倒くさっ」みたいな感じで感心を持たないと思いますが(以前の自分がそうだった)、レザーにはメンテ用のクリームなどがあって結構いい値段で売られています。
つまり需要がある、メンテをしている人が延々存在しているということで、一定の効果はありそうです。
※ちなみにレザーのクリームには幾通りもの種類があるらしく、ソファ用のものと革靴用のものでは同じ皮のメンテと言っても目的が違うので成分も違い、相互に代用はできないらしい
今回は専用のキットでレザーソファ(リクライナー)の手入れをしたのでその記録です。
なお、手入れには
1.クリーナーを使った汚れ落とし
2.クリームを使った保護
の2ステップがありますが、今回は1.の汚れ落としだけ。
というのも、引き続いて2.の保護クリームの塗布もしたのですが、ただ塗ってしばらく(48時間)放置して終わりなので、特に書くこともないんですよね。
保護なので、効果のほどもすぐ実感できるわけでもなく。。。
泡立たず、汚れが落ちない?
さて、レザークリーナーについて調べていた際に見かけたのが、
・泡立たない
・汚れが落ちない
という内容の記事です。(たぶんどっかの個人BLOGだったと思う)
クリーナーは、レザーそのものを痛めないように「よく泡立てたのち、レザーとスポンジの間に泡を挟んで」汚れを落とすようにとあります(説明書より)。
車のボディウォッシャーとかが同じような考えですね。(塗装表面にキズをつけないようにするためよく泡立てる)
今回はたまたまわかりやすい汚れがあったので、それを落とす作業をしつつ、全体をまるっとクリーナーで汚れ落としをしてサッパリさせました。
汚れはこれです。
何のタイミングでついたのかわかりませんが、黒く擦ったような跡がついています。
この汚れは普通に手や布で触って取れるかというと、横に伸びるだけで取れない感じです(右側の汚れがビヨーンと伸びているのを参照)
果たして仰々しく「専用クリーナーキット」などと称しているもの(しかも結構いい値がする)を使っても、このくらいの汚れが落ちないのでしょうか。。。
ウエスなどを準備する
ソファ全体は掃除機でホコリを取り除き、キレイなウエスで軽く拭いたら準備完了です。
ウエスは後でクリーナー液の拭き取りにも使うので、すぐ取れる場所に置いておきます。拭き作業で汚れてしまっていれば、新しいキレイなウエスを用意します。
また、スポンジを使った泡立て作業の際に、クリーナー液が垂れることがあるので下に何か敷いておいたほうがよいでしょう。
レザークリーナーの泡立ちが悪いのは本当なので工夫して泡をレザーに移す
さっそくスポンジにクリーナーをポタポタと垂らして、手でスポンジを握り、何度もニギニギする感じで泡立てていきます。
握った瞬間はそこそこ泡立つのですが、泡のかなりの部分がすぐにスポンジの中に吸い込まれていき表面に細かい泡が残るだけ、みたいになってしまいます。
さすがにこれではちょっと泡が足りません。
しょうがないのでクリーナーをさらにドバドバ垂らして、またニギニギしまくります。
だいぶ泡が残るようになってきましたが、
1.握った瞬間->縮んだスポンジに泡がもっさり出ている感
2.握りを離した瞬間->スポンジが膨らみ、同時に泡を吸収してだいぶ減ってしまう感
という状態です。(1.の状態は片手があかず写真に撮れず・・・)
なので、
1.握った状態のままでスポンジや手についた泡をレザーの汚れ部分に押しつけて移す
2.スポンジをレザーの汚れ部分に押しつける感じで潰して泡を出す
みたいな感じで、とにかく泡をレザーのほうに多く残るように移していきます。
レザーの側に泡が移ってしまえば、すぐには吸収されずレザー表面に多少なりと泡が残ります。
こんな感じ。
この状態で、スポンジで軽くこすって汚れを落としていきます。
レザーをスポンジで軽くこすったのち、ちゃんと拭き取る
レザーの表面は複雑なヒダがついているため機械がやるような一方向だけにこすってもイマイチで、クルクルと小さな円を重ねて、全体としてはスプリングのような軌跡にして処理をしていくのがよさそうです。
こする・・・というと強すぎて、どっちかというと軽く撫でるような感じ。
うまく汚れが落ちてないなーと感じる場所についてはスポンジをポンポンと軽く叩きつけるような感じで汚れを落とします。(洋服の襟首の汚れ落としに近いイメージ)
これくらいでクリーナーが汚れにしみ込んで、汚れが浮き出てきます。
汚れを浮かせたのち、ウエスで泡とクリーナー液を拭き取ります。
仮に作業中に泡(クリーナー)が乾きそうになってしまったら、すぐにウエスでの拭き取りに切り替えます。
なんか「クリーナーでこすれば汚れがどこかに消えてしまう」ように思っている人もいそうですが、ちゃんと拭き取らない限り汚れはそこにあります。
ちゃんと拭き取れず、汚れと混ざったクリーナー液がレザーの表面に乾いた状態で残ってしまうのでは意味がない(単に汚れを薄く広げただけになってしまう)のです。
乾いてしまった場合は仕切り直しで、もう一度泡をつけるところから繰り返します。最初よりは汚れが減っていて、キレイな状態からスタートできるはずです。
今回の汚れはイマイチ落ちがよくなかったこともあり、スポンジで洗う->ウエスで拭き取る、の作業を3回やりました。
落ち着いて根気よくやることが大事です。
クリーナー液で汚れはちゃんと落ちる
結果がこちら。ちょっと撮影の角度が違ってアレですが、同じ場所です。
黒い汚れはまったく見えなくなっており、それ以外の周りの部分も肌つやが良くなった気がします。(皮だから皮つや?)
クリーナーは汚れを落とす役割をちゃんと果たしてくれたと思います。
その後、ソファ全体もクリーナーで洗いまして・・・2時間近くかかったでしょうか。かなり疲れました。
全体の汚れについては写真でわかるようにするのは難しいのですが、拭き取りに使用したウエスがこのとおりです。だいぶ汚れが取れたのだと思います。
こういう目に見えない作業に価値を見いだせるかは人それぞれ、価値観やそのモノをどのように位置づけているか(長く使う予定か消耗品かetc)にもよってくるのですが、今回の仕上がりを見て、自分の場合はこれくらいの手間はかけてやっても良いのではないか、と思いました。
泡立ちが悪いけど、たっぷり使って泡立てよう
上のほうで洗車の泡立ちと同じ、みたいなことを書きましたが洗車用のシャンプーと違っているのは、泡立ちが極めて悪いということ。
たぶん、平滑で大きな面積を洗う作業と、凸凹のある小さな面積を洗う作業との違いではないかと思います。
ただ、上にあるとおりまったく泡立たないわけでなく、頑張ってニギニギしまくれば泡はちゃんと出ます。ただ、その後の泡の消失が早いというか、泡の(スポンジへの)吸収が早いというべきか。。。
コツとしては、
・クリーナーをケチらずにじゃんじゃん使うこと
・泡も含めてクリーナーはどんどん蒸発していくので素早く作業をすること
だと思います。
必然的に、広い面積を一気にクリーナーでキレイにしようというのは難しく、ある程度ブロック分けをして、順番に掃除していく感じになります。
今回も全体のクリーニングではリクライナー1脚を10カ所くらいに分割して掃除しました。
1日で終わらなければ(疲れてイヤになってしまうのなら)、何日かに分けてやるのもアリかと思います。
家具店の人は、値段の高さや使用期限があることなどを理由に小さいサイズのクリーナー(50mlとか)を推奨しているようですが、自分としては
・大きめ(100~150mlくらい)のものを買ってじゃんじゃん使った方がいいのでは?
と思います。(家具店の人は慣れていて少量でもたくさん泡立てる技術があるのでしょうが我々素人はなかなか難しい)
残りが少ないからとケチって泡立たず、うまく使えなければこの作業自体、途中でイヤになってしまうでしょうから、もったいないと思います。(作業自体はそう楽しいわけでもないので、結果が出ないとツラいだけ)