ふれふり!

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加湿器のコスト比較してみる(ダイニチ加湿器の実使用の感想)

使用前・・・
(この機種は相対湿度の最低表示数値が30なのでこの数値は「30%以下」程度の意味合い)

 

先日、YAMAZENの加湿器VT-256について

・値段の割に役立ってくれている

・ただし使い方は注意が必要

という感じの話を書きました。

2020free.com

 

今回は同じ部屋でダイニチの気化式加湿器(のOEM)を使ってみたのでその結果を。

※ダイニチ加湿器はヒーター併用のハイブリッド式ですが、エコモード利用前提なのでここでは便宜的に気化式としています

 

具体的には

・モノの多い6畳間で2時間ほど加湿する(当然ALLエコモード)

・部屋は閉め切った状態で人間ひとりが事務作業をする

といった感じで使用前/後の数値を計測しました。

 

時間も場所も調べ方もすべてがテキトウかつザックリなので、他の人から見るとあくまで参考レベルではあるのですが、自分にとっては実使用環境なのでこれが全てに近いです。

(設置場所の工夫とか送風or暖房器具との組み合わせで効果を変えられる可能性はあるけど)

 

エコモードは圧倒的な低消費電力だけど期待ほどには加湿しない?

結論からいうと今回の試験?では残念ながら自分が期待していたような加湿はできませんでした。

 

エコモードで2時間通しの稼動結果はこんな感じ。

 

気温15.3度 -> 17.5度

湿度4.7g/㎥ -> 8.3g/㎥

湿度(相対)36% -> 55%

 

ということで、湿度3.6g/㎥の増です(8.3-4.7=3.6)

 

左が加湿前、右が約2時間加湿した結果・・・

元の湿度が5g弱/㎥ということでかなり乾燥していたとはいえ、乾燥の和らぎを実感(体感)できるのが10g/㎥くらいだと考えると、2時間も加湿したのだから8.3g/㎥ではなくもうちょっとがんばって加湿してほしかったところです。

まぁ加湿器ナシでずっと5g/㎥前後で過ごすよりはずいぶんとマシではありますが・・・

(相対湿度を重視するのであれば、55%なのでまぁ悪くはないのかもしれません)

 

そういえばまったく説明せずに書いてきましたが一般に○%と表示される湿度は「相対湿度」というもので、空気中の水分量(1㎥あたりの水分が何グラムかという絶対湿度)が同じでも気温によって数値が変動する、という目安的な数値です。

もっとも、センサーがどのように気温や湿度を出しているのかわからず、みはりん坊の絶対湿度ももしかしたら気温と相対湿度から逆算しただけかもしれないし、各数値もどこまで正確かわからないので、言い始めるとすべては目安になってしまいますが・・・

 

なお、この間の消費電力はというと・・・

エコモードなので20W(カタログ値18W)

安定のエコモードでずっと20W前後でした。

2時間ほど利用して電気代がどれくらいかというと・・・

やっす1.08円

ほぼ1円という・・・まぁ2時間だからねぇ。

仮に24時間利用すると12倍で13円くらいかな? 30日で390円とか。

カタログ値の試算と近い感じですね。

 

家の中を見回してこういうワット表示で思い当たるのが電球ですが、最近はLED化のおかげで少ないとはいえ、以前は40Wの電球とか、家のあちこちにありましたね。

そう考えると「電球をつけるのと同じかそれ以下のレベルの電気代で気兼ねなく使える」のが気化式の加湿器といえます。

 

スチーム式との比較

比較のため再掲しますがスチーム式のYAMAZEN VT-256の時がコレ。

湿度6g/㎥から10g/㎥までアップする

元の気温は15度前後とほぼ同じだったとはいえ湿度がだいぶ違う(4.7gと6.6gな)ので同じ条件ではないのですが、こちらは2時間で+3.9g/㎥でした。

 

両者を並べるとこんな感じになります。

 

ダイニチ気化式 加湿力+3.6g/㎥ 電気代1円

YAMAZENスチーム式 加湿力+3.9g/㎥ 電気代16円

 

この数字だけ見ると、

・加湿力は10%程度の違いしかないのに電気代は1500%以上

となり、ダイニチ気化式の圧倒的なコスパを感じます。

 

体感ではスチーム式のほうが高評価・・・だが!

ただ、気温の上昇と最終的な湿度(10.5gに至る)を考えると、この部屋でどっちを使いたいかといえばYAMAZENスチーム式に軍配があがります。

数値的なパフォーマンスも大事ではあるのですが、やはり「体感でどちらが快適か」というのが最重要なんですよね。

 

・・・などと言っておいてなんですが、今回の2回の試験は前提条件(気温や湿度)もだいぶ違うし、このあたりの体感比較はあまりつっこんで考えてもしかたないので、この点は軽く触れるだけで終わりとしておきます。

 

発想を変えれば「スチーム式が気に入って使うなら気化式も併用して同時に使えばいいじゃん?たいして電気代も増えないのだから・・・」という話もあるわけです。

とりあえず今回はダイニチ気化式の話なので、引き続きもう少し詳しく気化式の挙動をみていきます。

 

カタログ値だと460mL/hなのに実測では260mL/h程度の結果に・・・

湿度がどれくらい上がったか?という湿度計の計測結果はそれはそれでいいのですが、センサーの誤差もあるし、もう少し機械的に、正確に調べる方法がないか、と考えると

・タンクに入れた水が使用前後でどれくらい減っているか

を調べることで

・この機械は一定時間内にどれくらいの水分を部屋にばらまいたのか?

ということがわかるのではないかと思って実測してみました。

 

というわけで、使用前後の重さがこちら。

ちょうどこれくらいの重量をはかるものがなかったので体重計の小物測定モードを利用しました。

まず使用前。

4.7kg・・・水の量は使用中に枯渇しなければ問題ないのでテキトウです。

続いて使用後。

3.9kg

他は2時間で計測してますが、実は今回ちょうど2時間後に体重計に乗せるのを忘れてしまい、この項目だけは3時間稼動させての計測になりました。

 

体重計での0.1kg単位計測なのでザックリではありますが、

4.7kg->3.9kg

ということで、

・3時間の加湿でおよそ800g(800mL)の水が気化され、部屋にばらまかれた

ことになります。

 

うーん、この機種はカタログ値だと加湿量(エコモード)が460mL/hだったはずなので、3時間だと1400mL程度になるはずですが、実際にはその半分程度になってしまいました。

 

ちなみにカタログ値っていうのは気温20度、相対湿度30%(絶対湿度5.2g/㎥)を前提にしたものだそうです。

 

ダイニチ公式より

今回はそれより気温条件が悪いので多少落ちるのはしかたないとしても、さすがに半分というのはイマイチ不満が残ります。

 

なにしろ250mL/hというのはYAMAZENのVT-256の350mL/hよりも3割も少ないですからね。(VT-256はスチーム式なので、おそらく気温に関係なく350mL/h近い水分放出はしていると思う)

 

やはり気化式ではパワーが足りないのかな・・・なんかモンモンとする・・・

 

※使用開始前のタンクの計量は

・一度本体にセットして1時間ほど放置

して、本体側のトレー内及び抗菌気化フィルターに十分に水を吸わせた状態で行っています。稼動終了後はそのままタンクを取り出して計測。

なので、この重量の差800mlは開始3時間で純粋に気化された水の量のハズ。

 

 

やはり締め切ると二酸化炭素が増加して実使用は厳しい

今回も二酸化炭素の測定をしておきました。

使用前がこちら

2時間の使用前(気温表示はたぶんオカシイ)

使用後がこちら

1270だけど2の表示が(撮影したタイミングで)欠けている・・・

こちらはスチーム式だろうが気化式だろうが関係なく、部屋を閉め切って加湿器を使っているとこうなってしまうのは必然、ということのようです。

こればかりは加湿器ではどうにもなりません。

 

通しでエコモード利用なら、たとえ6畳間でもさらに大きな加湿器が必要なの?

うちで使っている気化式AHD-D9K(ダイニチ9xxのOEM)は、タンクも6.3Lあり家庭用の加湿器の中ではかなり大きめのサイズになります。

かつ、今回実際に使用した部屋というのは6畳間とはいえ、荷物が2壁いっぱいにあるため実質4畳間かそれ以下かもしれないという空間の少ない環境。

にもかかわらず、加湿器の加湿力が全然及ばないのは厳しいなぁという感じです。

 

※狭いとはいえ室内に段ボールが多いため水分をかなり吸っている可能性はあります。ただ、同じ環境でVT-256は10.5gまで上げられたので気化式でも少なくともそのあたりは目指せるハズ・・・

 

電気代はメチャクチャ安いが狭い部屋で使うとうるさいのも気化式の問題点・・・

ずっとエコモードで使うことだけを考えてきましたが、エコモードって決して静かなモードではないんですよね。

ヒーターを利用せず、送風ファンを活用して気化するため、かなりのハイパワーで(掃除機ほどではないけど)ブォォォォ~みたいな感じの爆音を出しながら加湿しています。

リビングのような広めの部屋であればそうでもないのですが、狭い部屋のなかでこういう騒音を出されると結構気になります。

※別途「静音モード」というのはあるけどファンを低速にするかわりにヒーターを使うので電気代は高くなる

 

というわけで、加湿力はイマイチだし、騒々しいし、電気代安いこと以外にメリットがないのでは?という悲しい状態になってきたのですが、なんか納得いかない面もあるので後日この計測はもう一度やってみたいと思っています。

 

寒い環境の場合にエコモードだけで運用するのは限界があるのかもしれない

今回わかったことは、ハイブリッドの加湿器を電気代の安いエコモードのみで運用していくと

・加湿力が絶対的に足りない

という問題にぶちあたるということです。

 

対策としては

・エアコンなどの併用で20度くらいまで室温を上げる(加湿力が2倍近くになるハズ)

・最初の短時間だけでもヒーターを使う(加湿力が4倍近くになるハズ)

・複数台で加湿する(確実に加湿力が台数倍になる)

・さらにサイズの大きなモデルを利用する(?)

といったことが考えられます。

 

気化式のよいところは電気代が圧倒的に安いところなので、複数台使って数倍になってもまだスチーム式より全然安く済みます。

ただ、2台あると

・場所が2倍

・メンテナンス、管理の手間が2倍

という問題が出てくるので、この方向でいくなら

・2倍くらいのパワーのある大型モデルに買い換える

というのが妥当な気がしますね。