ふれふり!

2020年から自由を求めてフリーランスになりました。自由って不安でツラいけど、フレフレ!フリー!と自分を励ましながら、なんとかやっていきます。

弱小株主がTOBに応募しないで放置するとどうなるのか→数ヶ月後に同額でお買い上げ

 

証券会社に口座を開いて上場株式を保管(所有)していると、まれにその会社が買収されて上場廃止になることがあります。

このうち、よく聞くTOBという手法は、買収する側が一律いくらで買います、とアナウンスして買い集める方法です。広く一般にアナウンスしており、我々のような弱小個人株主も「じゃあその値段で買ってよ!」と売り渡すことが可能です。

今回、パルコという会社がTOBの対象となったので、株主は何をしたのか(しなければならなかったのか)を具体的に書いていきたいと思います。

 

TOBのメリット

1.市場より高い値段で買ってもらえる

 よく言われる話ですね。今回のパルコも直前まで1300円台だったものが、TOBをするとなったらアッという間に1800円になってしまったわけで、そろそろ売ろうと思っていた人にとっても、もうちょっと値上がりしたら売ろうと思っていた人にとっても、ラッキーなことです。

 

TOBのデメリット

1.不本意なタイミング、価格で売らざるを得なくなる

2.TOBに応募するためには、指定された証券会社に株式を移管しなければならない

 (今回のパルコの件であれば、野村證券が指定されている)

 

「5~10年後にパルコの株価は3,000円になる」 と思っていた人にとっては、1850円で買い取られる、というのは不満でしょう。また、他の所得や株式の利益などとの関係があり、今年はこれ以上利益を出したくない、といったコントロールをしている人にとっても強制的に売らされるのは不満かもしれません。(配当控除の率など、所得が一定額を超えると急に不利になるような税制の仕組みがあります)

 

パルコ株TOBの経緯

下記の通りTOB発表から最終決済が終わるまでおおむね半年程度かかっています。株主側から見た経緯を時系列で整理しておきます。

 

・2019年12月26日(木)TOB発表

J.フロントリテイリング連結子会社のパルコに対し、株式公開買い付け(TOB)を実施すると発表
・2019年12月27日(金) 公開買付期間開始
・2020年02月17日(月) 公開買付期間満了
・2020年02月18日(火) 買付結果公表(議決権の96.43%まで買付完了)
・2020年02月25日(火) 買付代金決済日
・2020年02月27日(木)パルコ取締役会で株式売渡請求を承認
・2020年03月18日(水)パルコ上場廃止
・2020年03月22日(日)最終株主名簿
・2020年03月23日(月)J.フロントリテイリングがパルコ株全数取得
・2020年04月15日(水)パルコより株主あて「お手続きのご案内」発出
・2020年05月13日(水)支払い方法選択の手続き〆切
・2020年06月17日(水)支払い

 

今回のパルコのTOBは特段の大きな反対も争いもなかったため、淡々と進んだ感じがします。
同時期にTOB合戦が行われたユニゾのように、対抗馬となる買収者が現れると金額が高くなる可能性がありますが、パルコの場合は元々2/3くらいの株をJフロントリテイリングが持っていたので、競合が現れる可能性はなく、1850円という金額は株主も市場も受け入れられる妥当な価格だった、ということになります。

 それにしても、こうして並べてみると、なんか水曜日が好きですね。

スタートが水曜日だったから週サイクルで動くとずっと水曜日になってしまうのか、週の中日で何かあっても対応がしやすいから選んだのか、よくわかりませんが・・・

 

半年の間にどうすればよかったのか?

株主としては、TOB発表から上場廃止までの間に2つ現金化する方法があります。

1.TOBを受け付ける証券会社にパルコ株を移管してTOBに応募する

2.市場で売却する

 

1.のTOB応募のメリットは2月25日という早い段階で現金が手に入ることです。個人の場合は口座開設も株式の移管も手数料はかからないことが多いので、パルコ株100株だとすると18万5千円が手に入ります。

2.の市場売却の場合は1850円では売れず、少し安い金額での売却になります。証券会社によっては売買手数料がかかりますが、今回のパルコ株の場合は実際に1840円台で取引されていたようで、その金額でよければ、売却の数日後には現金が手に入ります。たとえ1848円だった場合は1株あたり2円ほど安くなりますので、パルコ株100株だと18万4800円くらい。TOBより200円ほど安くなりますがその分早く現金が手に入るというのがメリットです。

 

上記の方法はいずれも、証券会社の特定口座を経由して取引ができるので、通常の株式売買と同様に税金の処理(源泉徴収や損益通算)が楽でいい、というメリットはあります。ただ、1.の場合は、今回でいえば野村證券に移管してからのTOB応募になるので面倒といえば面倒です。(特に野村證券に証券口座を開いていない人は、そこから始めなければなりません)

 

何もしないという第3の選択肢

第3の選択として

3.何もしない

という方法もあります。

今回の場合、3月18日の上場廃止をもって自分の証券口座からはパルコ株が突然消えることになります。

 

何もせず消えてしまったパルコ株はどうなるのか?

 証券口座からは消えてしまいますが、すべてがなくなるわけではありません。上場廃止でワシのパルコ株が消えてしまうんじゃ、エライこっちゃ! 早くなんとかしなくては! ・・・と焦る必要はなくて、しばらく待っているとパルコからお知らせが来て、TOB価格と同じ1850円×株数の現金が支払われます。何もしなくても勝手に株式の譲渡が行われていたことになります。

 ただし、この支払いは、今回のスケジュールだと6月。年始にはパルコ株は1800円くらいまで値上がりしていたので、1月に1800円を得るか、6月に1850円を得るか、という選択になります。

 

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パルコからの通知

譲渡代金?1850円を得るために銀行口座を指定する

 パルコからの通知にありますが

1.普段の配当を銀行口座振り込みにしている人は,その口座に勝手に振り込まれる

2.それ以外の人は、今回だけの銀行振込口座を指定した紙を送る

3.振込口座の指定がなかった人には、売渡代金領収証という厚手の紙が届くので郵便局で換金する

  というのが選択肢です。

 

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希望する振込先口座をJ.フロントリテイリングに通知する

  普段、配当金を証券会社の特定口座で受け入れている人も、その特定口座を開いている証券会社にはどこかの銀行を登録して入出金しているのだから、その銀行に振り込んでくれればいいじゃないか、という気がします。気がしますが、今回の振り込み元はあくまでJ.フロントリテイリングであって、証券会社ではありません。勝手に口座情報を渡すわけにはいかないよね、という話になって当然かもしれません。 


なお、期限までに振込口座の指定が行われない場合は、売渡代金領収証というものが(勝手に)送りつけられてきます。その場合は、その領収書を持って郵便局などに行き、少々待たされて現金を受け取ることになります。

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ゆうちょはダメ、ゆうちょはダメ

正直、あいている時間が短い金融機関の窓口などに行って待たされても何一ついいことはありませんので、この口座指定の紙はちゃんと書いてさっさと送付しておくのがよいと思います。封筒も付いてきておりポストに入れるだけなので、こちらの負担はボールペンのインクと糊くらいのものです。

 

具体的にどんな書類なのか

参考までに届いた書類です。実際にはパルコが三井住友信託に作業を委託して、そこが処理をしているのかと思います。

 

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パルコからの口座指定してねっていう通知はこれです

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指定書はこれです。中身は簡単。

 

 

何もしないで放置するのが一番よいのでは?

 今回のように名の知れた歴史ある会社が適切な価格で買収する場合、特にトラブルもなく淡々と手続きが進むので、実質的には12月26日のTOB発表の時点で、パルコ株は1850円の現金・・・ではないな、どっちかというとしばらく引き出せない定期預金に変わったのと同じと考えられます。(自分はそう認識しています)

1月にさっさと売却して使い道のない1800円をもらって口座に入れておいても、こんなご時世ですので利息なんてほぼゼロです。だったら6月まで放っておいて、手間なく1850円満額もらったほうがいいんじゃね?というのが今回の自分の結論です。