転居とはあまり関係ないのでシリーズには入れませんが、引っ越し後半年ほどして冷蔵庫を買い換えました。
設置が終わったので、、、
今回は買い換え前後の消費電力の比較です。
24時間365日電源を入れっぱなしの冷蔵庫なので、電気料金に直結するのは間違いありません・・・と、買い換えた身としては期待したい! ・・・のですが、果たしてどうでしょうか、というお話です。
今どきの冷蔵庫は、ほとんどがかなり省エネ
店で聞いた話では、いまどきの冷蔵庫はどれも基本機能は似たり寄ったりで
・全体としては普及モデルと上位モデルの差はあまりない
ようです。(表向き、メーカーも販売店もそんなことは言わないでしょうが)
じゃあ価格差は何なのかというと、、、まず、冷蔵庫本来機能としては省エネの度合いが違うと。
あとはスマホ連携だとかAIナンチャラだとか、便利機能がついているかいないかくらいの違いだそうです。
ざっくり言うと。
差が生じているという省エネに関しては、価格なりの本体の造りの違いが反映されており、現行モデル同士でもカタログ値で4割程度の差が生じています。
一覧だとこんな感じです。
例えばですが、
上位モデル 250kwh(455L上位グレードのB46J、画像左から10個目)
普及モデル 359kwh(462L普及グレードのR46J、画像左から11個目)
という感じ。
ただ、上位モデル・・・というか中級モデル?以上は、冷蔵庫の容量が増えても消費電力はほとんど変わらないんですよね。かなり省エネになっています。
455Lで250kWhのところ、容量1.3倍強の608Lでも消費電力は1.1倍にもならない273kWhです。
むしろ小型冷蔵庫のほうが消費電力が多いくらいです。もちろん本体の価格が断然安いので、トータルでは小型冷蔵庫のほうが安く済むかもしれませんが。
いずれにしても冷やしてナンボの冷蔵庫なので、これでは(中級機以上のモデルでは)機種ごとの基本能力差はほとんどないと言っても過言ではない、と思います。
590kwhから273kwhへと、カタログ値では消費電力が半分以下へ低減
で、我が家がどうかというと、まずカタログ値ですが、
2006年モデル590kwh(MR-G45M)
から
2023年モデル273kwh(MR-WZ61J)
へと
カタログ上の消費電力は半減(約54%減)
しました。
もともと2006年時点でもかなり省エネであることが謳われていたと思うのですが、そここから17年でさらに半減とはなかなか良い結果だな、と思います。(ただし、算出基準が変わっているので本当は単純比較できないらしい。今回はそこはスルーします)
こんな機会は滅多にないので、新旧の冷蔵庫の電気代がどれくらい違うのか、実測で比較してみます。
まず、古い方の冷蔵庫です。
その1.2006年450Lモデル
これは2006年モデルを2007年に購入して、この計測をした2024年時点では使用開始から17年近く経過しています。
三菱冷蔵庫 MR-G45M(2006年9月30日発売2007年7月購入:修理歴なし)
カタログ値
590kWh/年
15,930円/年(27円単価)
金額は計算による算出です。ただこれ、なぜかヨドバシのサイトでは目安の電気代は13000円になっているんですよね。
とはいえヨドバシが適当なことを書くとも思えず、なんでだろう?と思って調べてみると・・・どうやら当時の1kWh単価は22円だったぽいんですよね。(22円x590kWh=12,980円)
今では確か31円とか36円くらいになっているのかな・・・17年で電気代も1.5倍超とは、高くなったものです。
続いて我が家での実測です。
実測値(仮推計)
526kWh/年
14,202円/年(27円単価)
※1年間ではなく、2024年2月の5日分(表示は120時間)を元にした推測です。
上の実測値の元になる計測は次の通り5日間で、上の(仮推計)はそれを365/5しています。
実測値(2月下旬の5日)
7.22kWh/5日
195円/5日
17年も経過してだいぶくたびれているはずにもかかわらず、それでもカタログ値より消費電力が少なく出ているのはどうしてか。
おそらく計測したシーズンが真冬のメチャクチャ寒い時期で、冷蔵庫の消費エネルギーが年間の平均値よりだいぶ少ないからと推測されます。この年は暖冬と言われていましたが、それでも気温は低く、やはり寒いです。(基本的にエアコンをつけていないので、室内は5度~15度の間です)
1年通してこの消費電力ということはありえなくて、夏はもっと電力消費多いはずなんですよね。
真夏にも計測しておけばよかったのですが、去年の夏はそれどころではなかったのでやむを得ません。
真冬と真夏の消費エネルギーの比率統計でもあれば、それを掛けて年間の消費電力を推測できそうですが、、、おぉぉぉ?
統計じゃなくて個人計測だけど、ありました。
マメな人はいるもんです。
こちらの記事ではすばらしいことに1年間の冷蔵庫の消費電力をきちんと実測して
>冷蔵庫は365日、24時間稼働し、室温の高い夏の消費電力は、冬の倍となる。
としています。
記事ではあくまで一例という但し書きがありますが、これを参考にしてみます。
うちの冷蔵庫も同じように夏場は2倍となる、と考えると次のような試算が可能です。
寒い季節の6ヶ月を上記2月の消費電力で
暑い季節の6ヶ月を上記2月の2倍の消費電力で
というかたちで推測してみると、要するに
・年間通しての消費電量は冬だけの数値で試算した量の1.5倍、つまり18ヶ月分(1倍x6ヶ月+2倍x6ヶ月)
ということになります。
何で半年分を2倍にするのか、イメージがつかめなければ数字にすると下のエクセルのような感じです。2月のkWh換算だと通年で18倍、つまり18ヶ月相当の消費電力だということになります。
ということで、かなり無理矢理であるのは承知のうえですが、真冬の5日間の実測値から上の季節変動(あくまで推測)を加味した年間消費電力を試算すると
実測値(夏期を加味した推計)
789kWh/年(526kWhx1.5)
21,303円/年(14,202円x1.5)
となります。
カタログ値の590kWh15,930円からはかなり乖離があるように見えますが、そもそもカタログ値自体が参考値であり、あまりアテにはならないと言われているので仕方ないところ。
ちなみに全室とも温度設定は中、製氷は透明モードになっています。
その2.2023年608Lモデル
続いて買い換え後の2023年モデルです。
サイズがだいぶ違うので本来は同列には比較できないのですが、冒頭記載の通り現行モデルは冷蔵庫の容量が400Lを超えたあたりから消費電力の差は容量ではなくグレード(上位モデルか普及機か)で出るようになってきており、容量の大小ではさほど変わらなくなっています。なのであまり気にしないで比較してしまいます。
三菱冷蔵庫 MR-WZ61J(2023年3月発売2024年3月設置)
カタログ値
273kwh/年
7,371円/年(27円単価)
実測値(12ヶ月推計、18ヶ月推計)
230kWh/年、345kWh/年
6,210円/年、9,315円/年
MR-G45Mと同様に夏期の2倍エネルギー消費を加味して18ヶ月分推計も並べてみました(といっても単純に1.5倍しただけですが・・・)
こちらも元データは同じく5日計測したもので、それを365/5しました。
元の計測値は次の通り。
実測値(2024年3月上旬の5日)
3.15kWh/5日
85円/5日
なお、WZ61Jは設置後すぐではなく、5日くらい経過してから計測しています。(安定するまで5日くらいかかるかな?と推測)
2006年モデル比で2023年モデルの消費電力が半分以下というのは本当で結構な削減が期待できそう
というわけでまとめると、
旧2006年モデル->新2023年モデル
789kWh->345kWh(▲444kWh)
21,303円->9,315円(▲11,988円)
という感じで約55%減、カタログ値だけではなく実測でもだいぶ省エネになっているんじゃなかろーか、という話です。
こうなると、最初にここ↓で書いた
「とはいえ、実際は年に1万円も削減できないと思うし」
というやや後ろ向きな考えも、実際はそんなことなくて
・毎年約1.2万円削減できるじゃん
・10年だと12万円、15年だと18万円削減できるじゃん
という「うれしい誤算」になりそうです。
実際に15年で18万円削減できれば、古い冷蔵庫をあと15年、壊れないか不安を抱きつつ使い続けるのと同コストで新しい冷蔵庫を使えるわけです。
もちろん、実測値については
・「新品で元気な個体」と「17年経過して劣化している個体」との比較
・たった5日間の計測値を元にしたかなり無理矢理感のある年間消費電力試算
という点は割り引いて考える必要があります。
その一方で、
・実測したのが両者とも2月下旬~3月上旬というほぼ同時期の5日間である点は公平であろう(冷蔵庫の中身もそのまま移したのでほぼ同じ)
・メーカーのいうカタログ値が、12ヶ月推計と18ヶ月推計との間に収まっていることから、今回の実測値は大きく外れてはいないだろう
ともいうことができます。
というわけで、買い換えた身にとっての都合の良さそうな推測もできたことだし、気分のよいまま終わりにしたいと思います。
電気代、最大でどれくらい削減できるだろうか?
ところで今回、電気代の単価についてはあくまで古い標準単価27円/kwhで算出しています。(今は31円単価が使われているようですが、長いこと27円単価が使われていたので、少し前の家電にはみんな27円単価で説明が載っています)
ところが、実際の電力会社への支払額は標準単価で払うものではなく、現在はもっと高くなっているんですよね。
今は確か36円/kwhくらいなのかな?
ここ2年くらいで電気代のkW単価自体がだいぶ上がってしまいました。それを考えると実際はこれよりさらに削減額は増える可能性が高いです。
東電の料金を確認してみると・・・
やっぱ36円ですね。
(冷蔵庫は電源を切るわけにもいかず、コントロールができない電力の基礎消費量なのだから120kwh以下の単価(30円くらい?)で計算すべきという考えもあるけど、冷蔵庫の買い換えで消費電力が下がれば、我が家の場合それは30円単価ではなく36円単価の部分で電気代削減に効いてくるので、36円で試算する)
仮に上で試算した年間削減量444kWhに単純に36円をかけて削減額を算出すると15,984円、つまり毎年1.6万円ほどの削減となります。
都合良く計算すると
・10年で16万円、15年で24万円の削減
になります。
15年ではなく10年で元が取れる計算になります。これはなかなか大きい。
市場連動系の電気契約も検討できるか?
家の中の電器製品のうち、唯一かな? 絶対にオンオフしてコントロールできないモノが冷蔵庫なので、これの消費電力が半分に下がったことで単に電気料金が削減されたというだけではなく、新たな可能性も考えられるようになってきました。
それは、電気の契約そのものについて
・市場連動系への切り替えを選択肢に入れていいかも
と思えるようになってきたということです。
(料金の高い時期、時間帯に節電をするピークシフトスタイルの電力消費をすることで能動的に電気料金を削減できる)
実際にやるかどうかは別として、可能性が広がったことは良いことなのでそのうち検討していきたいなと思います。