転居とはあまり関係ないのでシリーズには入れませんが、引っ越し後半年ほどして冷蔵庫を買い換えました。
前回まで動機だの市場だのについて書いてきましたが、今回は新しい冷蔵庫に三菱製を選んだ理由や、冷蔵庫選びで気になった点を書いておきます。
冷蔵庫の選び方、というか三菱というメーカーを選んだ理由
冷蔵庫は日本の家電メーカーだと日立、三菱、パナソニック、東芝あたりが販売しています。
メーカーの足切りをしていくと、まず東芝。
ここは会社の状況が良くないので先々のサポートに不安があり、長期にわたって使う冷蔵庫では除外したいところ。冷蔵庫で「チャレンジ!」はしたくない。
コンプレッサーなどの分野は決して弱くはなかったと思うのですが、こういう理由で除外せざるを得ないのは残念です。
次にパナソニック。
ここは指定価格制度の導入(小売というより直販の販売代行?)により価格がかなり高止まりのため除外。
価格を気にしなければアリなのかもしれませんが、元々モーターやコンプレッサーなどはパナソニックの得意分野ではなかったと思うので、10年超の長期利用にやや不安があり無理して選ぶ必要はないかなと。(ナノイーで庫内清潔、というのはやや興味が生じるところですが)
なお、
・新型が発売になり旧モデルになったものは指定価格から外れるらしい
ので、それを狙う・・・というのはアリかもしれません。(未確認)
結果、日立か三菱になりますが、昨今、日立は冷蔵庫製品においてもスマホ連携などの機能追加の方向に走っており、冷蔵庫本来の機能を重視するなら三菱しかないな~ということになりました。(これが数年前なら日立or三菱という、かなりイーブンな選択を迫られていたと思う)
まぁぶっちゃけ、冷蔵庫ってどれも同じに見えてきて、圧倒的な違いって自分にはわからないんですよね。なので、どうしても「壊れずしっかり動いてくれそうなメーカーのもの」みたいな選び方になってしまいました、という話です。
三菱冷蔵庫の強みを詳しく
上記のように主に外形的な理由でメーカーを絞ってしまったので、やや後付け的な印象も生じてきますが、もう少し細かく三菱冷蔵庫を選ぶ理由を挙げていくと
・故障率の低さ、長寿命から来る15年という使用想定期間(他メーカーは10年)※
・15dBという静音性(以前は14dBだったが・・・)
・筐体の壁が薄いため、体積に対して内寸(容量)が大きい
・オートクローザー(半ドア防止機能)
・全室独立空調(他メーカーは独立を謳っていても一部室だけ)
・製氷機まわりが全部取り外して掃除できる
といった点が挙げられます。
※想定期間は昔どっかで見た記憶があってかなり強く印象に残っているのですが、調べても公式サイトには載ってないようなので、もしかしたら自分の勘違いかもしれません・・・
上に挙げたうちの一例ですが、全室独立構造というのはこんなのです。
一方、似たような表現で他社の「独立」としているけど、実は一部だけというパターンがこちら。
また、明確に判断(検証)できる内容ではありませんがカタログや口コミでは
・野菜室の性能が高い(鮮度保持)
・瞬冷凍(特許)機能が役立つ
・庫内レイアウトが使いやすい
といったアピールポイント、評価があります。
(このあたりは、他メーカーのほうが優れている、という評価もあるのかもしれない)
一方、スマホ連携といったIT系の機能については、製氷機の水がなくなったら通知するみたいな、無駄・・・いや申し訳程度に導入された機能のみで、あまりオモシロ系機・・・先進性は感じられません。
そのほか、さらに外形的な見方ですが
・家電全般から撤退するなど事業の取捨選択が早い三菱電機が、いまだ冷蔵庫を主要事業として残している
→ということは、他社と比較して製品の優位性が明確だと判断している
と推測できる、ということがあります。
※三菱はAV機器のような黒もの全般に加え、白物も洗濯機やオーブンなどかなりのコンシューマ向け家電からサッサと撤退済み
もちろんシェアが高いから(営業的な観点から)撤退しない判断をしただけ、という可能性もありますが、これは卵が先か鶏が先かの話で、自分としては
・製品に優位性があるのでシェアが高くなった
・製品に優位性があるので今後も有利に営業していけると(会社として)判断している
という方向の因果関係を信じたいと思います。
なんだ、結局信じるかどうかの話なのか~!?(草
あとは・・・これは以前も書いたとおりなのですが、我が家の三菱冷蔵庫が17年経過していまだ1度も故障せずじゅうぶん使えている、ということも選択理由の一つです(ただの経験なので根拠としては弱い・・・)。
製氷機能に問題点・・・があるのかもしれない?
いいことばかり書いてきたので、1点だけ。
三菱冷蔵庫の製氷機能に問題がある、みたいな口コミは複数見かけたので、そこは注意が必要かも。
以前も書いたとおりウチでも同じように、
・自動製氷機で製造された氷が、氷受けボックスの中でぷよぷよみたいに連結してしまっている
みたいな症状が発生していました。
↓氷がくっつく画像はこの記事のなかほど
自分の感覚では、もはや10年以上経過した冷蔵庫なのでそういうのはパーツの劣化、自然故障といっていいレベルなのでは?って認識していましたが、ほかの部分がちゃんと動いているだけに、三菱の冷蔵庫ってこの自動製氷機能については相対的に弱いのでは? って評価も成り立つかなと。
この部分、だいぶ前から故障は多かったようなので、研究、対策はしていると信じたいところですが・・・
サイズが465から608になったけど横幅が変わらない、しかし・・・
今回購入することとした冷蔵庫はMR-WZ61J(三菱電機の2023年モデル)という608Lのものです。
以前のモデルが465Lだったので、容量はだいたい3割増という感じです。家の面積が70㎡から100㎡になったので、いい割合かなと。
いや胃袋も3割増しになったのかよ?と問われると答えに窮しますが・・・(加齢とともに逆に小さくなっているような・・・)
サイズについては他メーカーも進化しているので一概に三菱の強みとはいえないのですが、前述のとおり三菱では冷蔵庫の壁の厚みを薄くして、同じサイズでも内寸を広くとれるようにしているそうです(SmartCUBEという技術)
その結果、容量が3割も大きくなった割に幅は685mmで以前と同じなんですよね。
これはなかなかスゴい!
・・・と思っていたら、実は奥行きのほうが654mmから783mmに超拡大していました。
騙されたー!(知ってた)
いや、実物を目にすると数字以上にデカさを感じますわ(2割も増えているのだから当たり前)
背面は0mmまで壁に寄せられるのですが、それにしても奥行きが大きくなりすぎてうちに入るか心配になってきます・・・。
【サイズ】横幅だけではなく奥行きもチェックして容量を選ぶべき
これは三菱に限った話ではありませんが、冷蔵庫に関しては店頭やパンフレットで横幅が小さくなったことをしきりにPRしています。が、幅が小さくなって内容量が増えればどこかにハミ出るわけです。
上に伸ばせない(高くできない)以上は、手前側にふくれてくるのもしかたないことですが、どこのメーカーもその点は積極的にアナウンスはしていないので、買う方はよくよくカタログチェックしたほうがよいですね。
結果的にうちはなんとかなりましたが、実は買ってから改めてよくよくサイズの確認をしたら奥行きが想像以上でギリギリ。少し焦りました。
古いカタログと見比べると、メーカーが何をPRしたいのか(PRしたくないのか?)がよくわかります。
今回、主要な買い換え理由は経年劣化と省エネなので、その点からいうと正直、同社の省エネモデルで、これまでと同程度の容量のMR-MB45J(上の2023カタログでは左から4番目)でもよかったかな?と思います。カタログの下の方を見ると確かに機能差があるのはわかりますが、正直ランクダウンされた機能って要らないんじゃね?って感・・・(上の画像では切れてしまっているけど、別に切れてて見えなくても全然問題ないんじゃない?ってくらいどうでもいい)
まぁせっかく買い換えるなら省エネだけじゃなくて、大は小を兼ねる的な前提で、なにか変わったやつがいいよね、食生活変えられるといいよね、というのも少し大型のを選んだ理由ではあるのですが・・・。
【室の配置による使い勝手の違い】優先するのは冷凍室か野菜室か
三菱の主要なモデルには
・冷凍室が最下段にあるMZシリーズ(例:MZ60x)
・野菜室が最下段にあるWZシリーズ(例:WZ61x)
の2種類があります。
(xはモデル年でH=2022モデル、J=2023モデル、K=2024モデルとなっています)
※あと、高さが1.7mほどに抑えられたWXDシリーズというのもあるけど、やや伏兵的な位置づけでバリエーションが少ない。なので、今回は省略します・・・身長が低い人には魅力的かもしれないケド・・・。
どう見ても冷蔵庫も機能飽和しており、この三菱の主力2モデルの差というのは
・野菜室が上か、冷凍室が上か
という、本質的な機能に関係のない、正直どうでもいいような違いになってしまっています。サイズや重量、冷蔵庫としての機能、性能はほぼ同じ。
(野菜室が最下段なんて絶対にダメ、という人も(その逆も)いるらしいので、そう言う人にとっては使い勝手に非常に大きな影響のある重要な項目のようですが・・・)
もちろんこうなったのには利用者の強いニーズもあってのことで、メーカーでは
・野菜を多用する人=野菜室が取り出しやすい中段にあるMZシリーズ
・冷凍食品を多用する人=冷凍室が取り出しやすい中段にあるWZシリーズ
なので、好みに応じて好きな方を選んでね、という訴求のしかたをしています。
「中段は取り出しやすい場所である」という考えは一貫しているようです。
【電気代や省エネ補助】省エネを考えて選ぶなら?
これらの製品の微少なスペックの差をカタログ値で比べると、
・野菜室が中段のMZシリーズは、冷凍が弱く、エネルギー効率が多少悪い
・冷凍室が中段のWZシリーズは、冷凍が強く、エネルギー効率が多少良い
という違いがみられます。
と、これだけ読むとWZシリーズの方が基本性能が良いのでは?という感じもしますが、この強い弱いというのもあくまで相対的な話で、数値としても誤差の範囲内って感じなんですよね(年間の消費電力で5%程度、電気代の差が年間で数百円レベル)。
おそらくですが、心臓部は同じだけどレイアウト変えたらちょっと数値が変わっちゃったんだよね~へへへ、っていうくらいの話じゃなかろうかと。
製氷機能や冷凍エリアといった温度の低いものが真ん中の一箇所に集約されていたほうがエネルギー効率が良い、というのはわかる話です。
ちなみに、省エネレベル的なものとしては経済産業省の「多段階評価点」という評価ポイントがありますが、上記の微妙な差が反映されており
MR-MZ60J 星3.6
MR-WZ61J 星4.0
とソコソコの差がついています。
ただ、たとえば東京都の省エネ補助であるゼロエミポイントは両者同じく26000Pとなっているので、実益ベースでいえば星の数を気にしてどちらかを選ぶと言うほどでもないんじゃね?って気もします。
このあたり、都が比較的ゆるいのか、逆に経産省の基準が細かすぎて実質的な意味がないのか・・・
(杉並区やさいたま市のようなところの補助要件を見ても、似たような感じで比較的ユルい印象を受ける)
【災害に強い冷蔵庫】大地震で倒れにくいか?を考えると・・・
こういう視点での冷蔵庫選びは見たことがないのですが、今後大地震が起きて冷蔵庫が倒れる、みたいなことまで考慮するとまた違う考えが出てきます。
上ではちょっと否定的に書いた「横幅よりも奥行きが長くなっちゃった」というタイプの冷蔵庫は、大地震があって手前に倒れてくるかどうか?という状態になったときに有利です。(だいたい冷蔵庫は左右に壁などがあるところに設置されるので、左右に倒れるリスクは少ない)
同じく、上で少し触れた「高さの低いタイプ(三菱ではWXDシリーズ)」も、同じように地震の際に倒れにくくて有利といえます。
こういう視点で改めて考えてみると、今回購入候補としたWZ61Jや、上でアリかも?と書いたMB45Jみたいなモデルより、背が低くて奥行きもそれなりのWXDシリーズのほうがよいのでは?と思えてきます。
今さらですが・・・。
ちなみに、2つを並べると消費電力はほぼ同じで、
MB45J 450L 251 kWh W600xH1826xD699mm 幅が5cm小さく高さがノーマル
WXD47J 470L 260 kWh W650xH1696xD699mm 幅はノーマルだが高さが13cm低い
という感じの違いがあります。幅を抑えるか、高さを抑えるかの違いですね。
ちなみに価格帯はWXDのほうが2割ほど高いようです。内寸までは調べてませんが、13cmも低くなるというのは結構魅力的な気がします。
比較のため毛色の違うモデルを並べておくと
R46J 462L 359kWh W650xH1821xD675mm どノーマル?
WZ61J 608L 273kWh W685xH1833xD738mm 幅、高さ、奥行き全てが一回り大
という感じ。
R46Jは普及モデルなので省エネ水準が一段落ちるほか、幅、高さのどちらかが類似容量の他モデルより一回り大きくなっています。(というか他のモデルが、どっちか片方を抑えている)
全体の「造り」がこれまで挙げた他のシリーズとは違うのかもしれません。(設計が古いのか、相対的に消費電力は高いものの、昔のモデルに比べたらだいぶ省エネだし、販売価格の安さを考えるとこれも十分ありかと思う)
61Jは・・・デカいですね、と。
とまぁこのような感じで、パッと見、目がチカチカしてくるカタログですが、よくよく見て違いを考えたり様々な視点で比較検討すれば色々あるんだなぁと、そんな話でした。