タイトルの通りです。
(エアコンには暖房機能や除湿機能などがありますが、今回は冷房の話)
よく話に出るエアコンの消費電力について、実際どうなのか?というのを電力計で測ってみたので、グラフで見ていきたいと思います。
前提条件(環境、設置状況など)
部屋の状況は次の通り
環境
築25年中層RCマンション最上階南西角部屋 周囲に高い建物なし
外壁部断熱材あり、リフォームなし
部屋
南向きリビング24畳+南西向き和室6畳、、、が障子で仕切られている
他の部屋や廊下とは扉で仕切られた状態で、この2部屋だけの運用
窓の状況
リビング=ひさしがあるため直射日光はなし(輻射熱あり)窓の断熱なし
和室=ベランダにひさしがなく(バルコニー)直射日光あり、窓の断熱あり
エアコン機器
ダイキンAN22UESK(2017年6畳用エントリーモデル)1台を和室に設置
室外機は上記のひさしのない南側バルコニーに設置され日光が直撃(劣悪環境)
設定温度は28度の冷房で24時間連続運転(自動運転は使用しない)
部屋の利用形態
2パターン。
一つ目、2部屋を一体として利用、ふすまを開放し、和室の冷気をサーキュレーター&扇風機でリビングに送風
二つ目、2部屋を別利用、両部屋をふすまで区切って6畳和室のみエアコンで冷却
※実はリビングにもエアコンは設置されているのですが、倹約のため契約アンペア数を60Aから30Aに下げたところ、この大型エアコンを稼働させると家全体のブレーカーが落ちる、というショボい状態に陥ってしまったため、なかったものとして生活しています。6畳間のエアコンでどうにもならなくなったらアンペア数の契約を変更する予定・・・。
なお、以下、
・24畳と6畳を一体化して合計30畳としたものを断熱していない隙間だらけの家のイメージ
・6畳間だけを障子で仕切ったものを断熱した今風の家というイメージ
でみていきます。
断熱していない30畳のエアコン代は24時間210円、一ヶ月6千円
2024年8月中旬の暑い日、上記の2部屋を(障子を開けて一部屋として使用して)エアコンで冷却して、実際に計測した値がこちらです。
この日は1日晴天で、昼に近づくにつれて気温が急激に上がってきて、それにしたがって消費電力が増え、夜間に向けて下がっていくという感じでした。イメージしやすい変化です。(ゲリラ豪雨があったりすると、突然グラフが下がったり不安定な動きになるので天気の安定した日を選択)
明け方の少ない消費電力に比べて、夕方から夜間にかけての消費電力の落ちがなだらかなのはコンクリートが蓄熱してなかなか温度が下がらないからでしょうか。(このあたりは木造が有利?)
数字を見ると、夜間(朝の7時くらいまで)は100Wh(0.1kwh)ほど、日中はピーク時で600Wh(0.6kwh)近い消費電力になっています。
夜間の100whというのはエアコンの稼働としては「ゆるゆる動いている」という感じで、止まっているわけではありません。(停止すると1whとか、そんなレベルに落ちます。)
この日は24時間の累積で7.16kwhの消費電力になりました。(この時期、天気や気温によって多少異なるが5~7kwh程度のことが多い)
このワットチェッカーでは電気代単価はわかりやすいように30円設定にしてあり、単純計算でこの日のエアコン代は200円強になります。(以下、特に説明のないところは単価30円計算で算出)
このような気温、天気のまま一ヶ月エアコンをつけっぱなしにしておくと約6千円、通常の電気代に加えて追加で支払う必要が出てきそうだ、ということになります。
なお、まだこの夏は終わってませんがこの日は特に暑い日だったことは間違いなく、1日の電気代としては最高レベルだったと想定しています。
30畳の運用状況補足と所感
和室のエアコンが生成した冷気は、扇風機やサーキュレーターでリビングに送られます。(なので本当は扇風機の電気代なども考慮する必要があるのですが、ややこしいので今回は省略します)
ただ、リビングは断熱をしていないため、窓からどんどん輻射熱が入ってきて冷えた空気を暖め、ヌルい感じになってしまいます。
この状態で室内を動き回っていた自分の体感がどうかといえば
・全体的に暑くて過ごしにくいというほどではなく、エアコンを大きなものにせねば、という意思は生じない
・リビングの窓際や角など、場所によっては蒸し暑さを感じる
・和室とそこに近いエリアはかなり涼しく快適
という感じです。
まさに「昔の家でエアコン使っているなぁ~」という印象。室内環境ににかなりのムラがある状態ですね。
といっても悪いことばかりでもなく、自分の身体感覚として寒いなぁと感じればリビングの窓際に移動し、暑いなぁと感じれば和室に近いエリアで過ごす、といった感じで
・自分が少し移動することで一瞬で自分の体調にあわせた環境に身を置ける
というメリットもあるなと思いました。(例えば、何か冷たいものを飲んで身体が冷えたとき、寒いと思っても室内環境が均一だと全体の気温を変えるのに時間がかかる。ちなみに、そうなっちゃっても服を着れば解決するけど・・・)
断熱をした6畳間だけなら24時間80円、30日で2400円
今度はリビングと6畳和室とを障子で隔離して、和室だけをエアコンで冷やす、というのを1日やってみました。
こんな感じ。
絵的なイメージだと上のより多く見えますが、いずれも自動調整されたグラフのMAX値が上より1ランク下がって少なくなっています(1kwh->0.5kwh、500円->100円)
この日、日中は150kwhとやや高い時間帯があるものの、大半の時間帯は100w前後におさまっています。その結果、24時間の累積消費電力は2.56kwhで、1日のエアコン代は約80円となります。(0時の消費電力が高いのは、前日の23時台はエアコンを使っていなかったため)
この状態でのエアコン運用を30日続けた場合、2400円の電気代となります。
6畳間の運用状況補足と所感
前述の通り、この6畳間(和室)は密閉された部屋ではないし、窓こそ断熱していて外の熱気は感じられないものの、リビングとの仕切りであるふすまは隙間だらけの状態です。(仮にそこまで密閉してしまうと二酸化炭素濃度が高くなり、人間の住環境としては許容範囲外になってしまう)
そのため、閉めきった状態とはいうものの、多少なりとリビングとの空気の混ざり合いはあって、温度が上昇してエアコンが稼働していることが推測されます。
この日、何度か6畳間に入りましたが、エアコンが効きすぎて寒いくらいでした。
この消費電力でこの寒さを実現できていることを考えると、リビングのほうも断熱すれば結構イイ感じにイケるのでは?という期待が持てます。(部屋のサイズに圧倒的な違いがありますが)
エアコン使用の部屋と、使用していない部屋との気温の変化
ちなみにリビング、和室を分割使用した際の温湿度計で測った1日の気温の変化はこちら。(上と同じ8月6日の0時~の計測)
エアコンの支配下?にあった和室が26度、エアコン未使用のリビングは33度と7度の差が生じています。
26度から27度前後というのは春や秋の季節を思えば決して極寒というわけではないのですが、外が33度あると、その差はマイナス6~7度ほどになり、相対的に「すごく寒い」と感じて、両者は完全に別世界です。
また、一目でわかるのが、穏やかな温度変化のリビングに対し、エアコンをつけている和室は温度変化が激しく、著しく不自然なこと。
音や臭気に対する敏感さが人によって違うように、エアコンを不快もしくは「なんか違和感が・・・」と感じる人はこういう温度変化に敏感で、苦手な(もしくは実際に身体が疲れる)のかもしれません。
当然そんなことは作っている人たちもわかっているのでしょうが、このあたりをどうにか解決する技術を生み出さないと、エアコン苦手な人に積極的に使ってもらうというのは難しいような気がします。
6畳間キンキンより30畳がそれなりに冷えるほうが、倍の電気代でもコスパがいいが・・・
感覚の問題ですが、80円で6畳間だけキンキンに冷えているより、200円で30畳がそこそこ過ごしやすい状態のほうが、自分にとってはコスパがいいかなって感じがします。
コンビニや自販機のペットボトルがいまや1本200円近くしていることを考えると決して高くはないように思えます。
が、これを一ヶ月続けてしまうとそれだけで6千円なので、悩ましいところではあります。(実際は30円単価ではなく36円単価なので、7千円超となる)
とりあえずリビングに熱がガンガン入ってくるのをどうにかしていく予定
「開放的なリビング」のせいなのかもしれませんが、窓が大きく熱の取り入れが大きいため、熱の出入りが大きくなっています。
ちょうど先進的窓リノベなんちゃらという国の補助制度があって、それを利用してペアガラスに更新するという案も一つにはあるのですが、
・最大○割が補助!とあっても適用条件が厳しすぎ、実際の補助率はだいぶ低いのでは?
・補助制度があることで需給が逼迫、対応が雑だったり価格が高止まりした状態では?
・コストを抑えるカバー工法(既存のアルミ枠を残したままの施工)だとペアガラスの断熱力がスポイルされるのでは?
といった疑問、課題が解決しておらず、ちょっと先送り状態。
(窓の交換はハードルが高そうで、やるならDIYではなくて施工業者に依頼するつもり・・・で、そうなると結構な費用がかかります・・・)
ちなみに、窓の交換は管理組合マターではなく区分所有者個人負担で各自ヤレという話はこのときに確認しました・・・
というわけで、エアコンの効きをよくするためにまずはリビングの窓の断熱をしていくのが最優先かな、ということで。