ふれふり!

素隠居してお菓子。そして興味がないことは無駄なく。

近江屋プリンをつくってみた



2022年の初め頃だったか、牛乳が余ってしかたない(消費が足りない)みたいな話があって、そのとき牛乳消費に協力しようとtwitterで近江屋洋菓子店がプリンのレシピを公開してくれました。おっふ。

なかなかタイミングがあわなかったのですが、ようやく自分も牛乳消費ができそうになったので作ってみました。

 

カラメルソースがいるんじゃなイカ?

近江屋のtwitterレシピでは触れられていなかったのですが、プリンと言えばカラメルソースじゃないか? というわけで先にカラメルを作ります。

とはいえ作りたいという妄想があるだけで実際の作り方もわからず、クックパッドなどのレシピを見るも、いったいこの量(原材料)でどれくらいのできあがりなのか?をハッキリと書いてる人が見つからず困惑。
いったいどれくらいの分量を作ればいいんだ・・・

 

調べてみると近江屋自身がnoteでカラメル付きのレシピを公開していたので、それに沿って作ってみることにしました。

note.com


えーと、カラメルから先に作るけど、、、カラメルを作る前にまず卵と牛乳を冷蔵庫から出して、カラメル作成中の時間を使って常温に近づけておきます。(忘れて余計な手間がかかった)

 

カラメルづくりは想像以上に手間ヒマがかかった

材料は砂糖100g、水50g、湯60gとのこと。

とりあえずこれくらいの火力で、10分火にかけるととろみがついてきた感じ。

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かなり弱火

ただ、鍋が小さかったせいか水分がなかなか減らず、うっすらと茶色になってきたのは20分以上経ってからで、濃厚な茶色になるまで30分くらいかかったかも。

なんか思ったよりカラメル作るのって時間がかかって大変だなぁ~というのが感想です。

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とろみが付いて泡立っている様子

 

※近江屋の写真を見ると、マーブル模様のフライパン?のようなものが見えます。底の広いフライパンかそれに近い形状の鍋で熱して、お湯は少しずつ加えていくやり方のようで、そのほうが上手く作れるのかもしれません。

 


プリン液をつくる時に牛乳は70度まで上げるとのことなので、牛乳をボウルに入れてカラメルの余熱を使って30度-40度くらいまで上げておきました。
これ、結構危険なことをやっているので、倒れたりこぼしたりしないように注意して慎重に温めます。

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当たり前だけどこれをやっている時は目を離してはいけない


ちなみにこのスカートみたいなやつは羽根釜についていたもので、今回はすっぽり入る小鍋と組み合わせて使っています。

とにかくコンロで発生させた熱エネルギーは拡散しないように、また拡散した(上に逃れた)熱エネルギーは換気扇から外に出る前に他のものに移していくことが(熱エネルギーを無駄にしないためには)大事です。

※どんだけ貧乏性なのか・・・

 

 

なお、プリン液の材料は

・牛乳1000cc・卵黄5個・全卵5個・砂糖300g

とのことだったのですが、今回はすべてその8割の分量でつくりました。(牛乳800ccとか)

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タマゴは全卵4個、卵黄4個

 

カラメルはカップに入れると温度が下がって急激に固まる

出来上がったカラメルは熱いままカップに注ぎ入れました。入れるとカップで冷やされたカラメルが固まります。(少し待つとコチコチになる)

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耐熱力のありそうなカップを集めてきた(あとで150度で蒸すので)

最後のほうは鍋底に残ったカラメルをゴムべらで集めて流し込んだのですが、量が減ると温度が下がってすぐ固くなるし、再加熱も(空だきに近くなってしまって)限度があります。

悩んだのですが、もったいない精神が勝り、最後に鍋底にうっすら固着するように残ってしまったカラメルにお湯を加え、溶かし薄めて使いました。
しかし、この溶かした水分の多いカラメルが失敗でした。(後述

 

冒頭で書いたとおり、カラメルの分量はプリン液に対してどれくらいが適切なのか?がわからないのですが、今回の分量では自分の感覚としてはだいぶ少ない感じ。(これでもプリン液は8割に減らしているわけですが)

上の写真の通り、カップによって底が小さかったり広がっていたりするので、結局は個々のカップに注ぐカラメルの量を好みで増減させて調整するしかないのだと思いますが、これまた前述の通りカップに注いだカラメルはすぐに固まってしまうので、あれ?多く入れすぎちゃったので少し他のカップに移そう! みたいなことができません。つまりカラメルのカップ入れ作業は一発勝負。

というわけで、カラメルが好きな人は一般的なレシピよりもかなり多めに作った方がいいかと思います。

 

プリン液をつくる

プリン液は基本的に温めて混ぜるだけです。

温度は70度とレシピで指定されているので湯煎して測りながら、温度が均一になるようにかき混ぜつつ。

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これしか持ってないので使ってるけどどこまで信用していいのかわからないレーザー温度計測機

せっかくなのでレシピにはないけどバニラビーンズを投入。シード(種)はナイフの先でこそぎ出すけど、全部は出ないので皮ごと牛乳の中に沈めて香りを移しておきます。
この皮はあとで漉す作業をするときに勝手に取れます。

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いまや1本300円レベルの額になってしまったバニラビーンズ

 

ちなみにバニラビーンズはサヤエンドウみたいなイメージの造り(なかが少し空洞)になっています。適当な長さにカットして、開くと中に細かい粒が入っている。種は内壁にこびり付くようについているので、ナイフの先で壁をなぞるようにして取って、その種を使います。(バニラアイスとかに入っている黒いツブツブがそれです)

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使うのはこういう黒い細かい粒(これはナイフの先でこそぎ取ったカタマリ)

かなり細かい粒なうえ、何か油脂のようなもので湿っぽい感じになっているので、プリン液に入れても小さなダマっぽいカタマリになってしまいます。

ほかのものを作るときはかき混ぜ作業をする際にある程度バラバラになるのですが、プリン液は泡立つほどかき混ぜてはいけないようなので、入れる際に手で揉んだりして細かく分離するようにしたほうがよかったかもしれません。

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ところどころ黒いカタマリがある(ダマになっているからで個々の粒はもっと小さい)

 

砂糖、タマゴ、牛乳がキッチリ混ざったら漉してカップに注ぎます。カップが小さい場合は漏斗のようなものがあったほうがいいかもしれません。(ボウルから直接入れようとするとこぼれてしまう)

 

この「漉す作業」は何のためにあるのか自分にはちょっとよくわからなかったのですが(あまり混ぜないからその代替?)、今回はバニラの皮を取らなければならないので指示通りにやりました。

近江屋のページでは円錐形の良さげな漉し器があってうらやましいのですが、うちにはそういうのはないのでしかたなく100均の粉ふるいで代用。

 

バニラの種だけでなく皮まで入れるのは、ナイフで取り切れない皮(繊維)についた種まで取って無駄なく活用しよう、というのと、香りを移すためとされています。

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水分でふやけ気味のバニラの皮

今回は長さ2cmくらいの少量だけ使ったのですが、それでも十分に味や香りが出ているのでこの量のプリンに対しては十分な量でした。

 

カップに注ぐときに気付いたことが、あとで悲劇を生む原因だった

プリン液をカップに注いでいきます。

調子よく入れていったのですが、お湯でカラメルを溶かし薄めたやつは、プリン液を入れた段階で両者が混ざって全体がマーブル模様になり、その後全体が茶色くなってしまいました。えーっ?という感じ(オマエがエーだよ、と言われそうだけど)

どうやら、カラメル液は水分を含んでいてはイカンようです。

 

最初に見たクックパッドなどのレシピ、というか製作記の中にはこの
「カラメルが混ざってしまう」
とか、
「プリン液を入れたあとで上から注げば勝手に沈んで下のほうに層になる」
とか書いてあるところがあったけど、前者はカラメルの煮詰めが甘いとそうなるのではないか・・・という感じ。

 

※この作業中はあれあれ?という感じで余裕がなかったので写真がありません・・・

 

蒸し焼きにして美味しく仕上がったけど、なんか仲間じゃない奴らが・・・

あとはレシピ通り。蒸す時間は150度で1時間。

いくつかのカップにフタが標準でついていたのだけど、150度に耐えられるのかよくわからなかったのでフタはしないでやりました。

 

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蒸し焼きあがったタイミングのプリンたち。色はいい感じだが一部おかしい・・・

大半は特に問題なく焼き上がり、(あとで冷やして)おいしくいただくことができました。

 

水分のせいで失敗したプリンは、その水分を利用していただく・・・

ただし、残念ながら、カラメルとプリン液が混ざってしまったものは固まらず液体のまま仕上がってしまいました。

上の写真でいうと、色が茶色いカップに入ったやつです。

表面がツルツルしていて、焼き色が付いたり泡立ったりしている他のカップと明らかに違う仕上がりになっているのがわかるかと思います。

 

外周だけ少し焼き固まっていますが,中身は完全に液体のまま。トロみすらほとんどついていませんでした。

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ラップでフタをしてから傾けてみた(液体状であることがわかる?)

 

うーん、プリン液そのまんまになっているのを飲むというのもなぁ・・・どうしようか・・・ゼラチンみたいなの入れたら固まるんだろうか?などと悩んだ末に、冷凍庫に入れて強制的に固まらせてシャーベットのようにしていただくことにしました。

 

見た目がヒドいけど、せっかくなのでいくつか作例

冷やしたあと、食べる前にいくつか変化が見られたので作例として残しておきます。

まずは普通の例。

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バニラの粒が見える

実はこの白いカップの例は、カラメルが入っていません(上のカラメル投入写真を見るとこのカップがないことがわかる)

入れたかったのですがカラメル自体が不足していてダメだったのです。ただ、結果的にはそれで正解だったようで、キレイなプリンに仕上がりました。

正直、最初はカラメルがなきゃね・・・みたいに言っていたけど、作ってみてあまりに時間がかかったのと、このプリンもじゅうぶん良い味だったのでたぶん自分が次につくるときはカラメルなしで作ると思います。

 

 

次に見た目がイマイチになってしまった例。

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冷やしたあとに見たら大きな割れが入っていた

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気泡が大量に入っている

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多少気泡があるけどカラメル層とキレイに分離している

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蒸し焼きする前はコチコチに固まっていたカラメルもちゃんと溶けている

 

このように、見た目が想像以上にヒドかったので大丈夫かよ?と思ってしまったのですが、味については美味しくできあがっていて満足のいくクオリティでした。

やはりちゃんとした材料でつくると、工場で大量生産されて長い時間かけて販売されている(日持ちするように作られている)量販品とは違う味になるんだと実感できます。(もちろん日持ちにも価値はあって、それはそれでアリなんだけど両立は難しい・・・)

なお、触感としては「かなり固め」のプリンになっています。焼き時間が長かったのかな?

 

最後に、参考までに以前近江屋の実店舗で買ったプリンの記事を載せておきます。

といってもウマいウマい言ってるだけなんですけど。。。

近くを訪れた方は少し寄ってみてはどうでしょうか。(ただ、パンを中心に在庫が安定していない感はあるので、そのつもりで)

 

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