家探しの話の続き。今回が53回目。
今回は和室の押し入れの扉、つまり「ふすま」の話です。
概要はこんな感じ。
ふすまを取り外して分解する
なるほど、こういう風になっているのかとふすまの構造がわかる
歪みが生じているので修正を入れる
元に戻してシリコンスプレー
スイスイ動くようになって快適
作業目標的には原状回復、リペアということで、ハウスクリーニングの延長レベルではあるのですが、実際の手作業としては掃除道具というよりドライバなど大工道具を使うのでDIYに区分しておきます。
ふすまの動きがメチャクチャ悪く、ギコギコ音がでる
今回の症状は・・・調整のされていない網戸なんかでよくあるパターンですが、3枚あるふすまのうち1枚だけがどうにも調子悪く、開閉がスムーズにいきません。途中でガコッ! ギコッと引っかかる感じ。
なんだか日に日に引っかかりが大きくなってきているような気がするので、この際ということで修理してみることにしました。
まず、よく観察すると・・・
なにやらこのプラスチックパーツが枠から少しはみ出したような状態になってしまっていて、そのせいでひっかかりが生じているように見えます。
ちょっと押したり叩いたりしてみたのですがビクともしないので、ふすまを取り外してみることにしました。
歪みが大きくなってからだと修正作業にも難儀するので早めの着手が吉
なんとか取り外しは成功したのですが、上記のプラスチック歪みのおかげで、取り外し自体もかなり苦労しました。
普通であればふすまなど軽く持ち上げて手前にスライドさせることで楽に外れるハズなのですが、このプラパーツが引っかかってしまって、まったく抜けないのです。
かなり力を入れて一瞬ふすま全体が曲がるくらいの勢いでガッとやって(?)、一気に取り外しました。(壊れるかと思った・・・)
自分が住んでいたわけではないので今回のコトは仕方ないと思うのですが、ふすまのほか、ドアや窓なんかも同じで、劣化や歪み、汚れの付着などで動きが悪くなってきた場合は
・歪みが大きく(ヒドく)なると修正作業そのもののがかなり面倒くさくなってくるので、そういう場所を見かけたら早めに手を打っておいた方が良さそう
です。
ふすまのどこが悪いのか、調べるために分解していく
取り外したふすまの、問題のプラパーツがこちら。
ちょっと俯瞰して全体をよく見ると、このプラパーツだけではなく、底面全体が斜めに歪んでいるように見えます。
これがどのように固定されているかというと、、、
このようにネジで下部パーツと本体とが固定されているようです。
見たときは「なるほど、このネジが緩んで隙間ができてしまっている状態なのか!」と思っていたのですが、このネジ、キッチリ固定されていて回そうとしてもビクともしません。空回りするでもなく、安定感もあり、劣化している感じもありません。
ネジが緩んでるだけならよくあるパターンで、締め直せば元通りになるよね、楽で良かった、と喜んだのですが・・・完全なぬか喜び。
このままでは何がどうなっているのかわからないので、このネジを緩めて、パーツを取り外してみることにしました。
その結果がこちら。
一番上はふすまの上端部で、ここはネジも何もなくてハメ込みだけで構成されていることがわかります。
2番目は正常なふすまの下端部で、センターの色の濃い茶色い部分が、滑りやすくする特殊な素材(ツルツル素材)のようです。一見浮いているようにも見えますが、左右均等にネジ留めされていてきちんとハマっており問題ありません。
3番目がそのツルツル素材などが含まれた底のパーツを取り外したところ(外したバー状のパーツが4番目)。
底パーツはまず横長のアルミ製らしきバーがあって、その両端にプラ部品をはめ込み、そのプラ部品とふすま本体とをネジ留めすることで間接的にアルミバーを固定しているようです。
プラ部品は取り外すとこんな形状をしています。
これ、もしかしたら本体側のナット固定部がズレちゃっているとか、最悪プラ部品が割れちゃっている?みたいな面倒なことになっているのでは・・・と不安に思いながら指でグリグリ動かしてみたのですが、いやいやまったく問題なく、しっかり固定されています。
なんだろう、、、そうすると個々の部品が破損に至らないレベルで歪んでいるとか、全体の歪みになっていたりするのか・・・そういうのってどうやって直したらいいんだろう? などと思いながら眺め回していると・・・ふとおかしなコトに気付きました。
底のプラパーツやバーがズレているのではなくて、本体側がズレている?
分解した方の(問題がある方の)ふすま、底のバーを取り外した状態のものを正常なものを見比べると、本体側がツライチ(平ら)になっておらず、段差が生じているのがわかります。
あー、そういうことか。
底のパーツがうまくハマってなかった(歪んでハマっていた)のではなく、本体側の金属枠がズレた状態で組み合わせられていて、あたかも底がズレているように見えたのでした。
実は最初これを見たときに「こんな段差ができるくらい寸足らずな状態で製造されていたの?」と不安を覚えたのですが、反対側を見るときっちり逆方向にズレ(ハミ出)ており、それぞれのパーツはきちんと適正なサイズで製造されていることがわかりました。
※逆方向にズレていることがわかる反対側の写真を撮り忘れました・・・
叩いて歪みを直して掃除して満足感を得る
いやー、まったく想定外の場所でしたが、わかってしまえば簡単です。この側部のバーというのは凸凹でズレないように填め込まれているだけなので、端を叩いてスライドさせ元の位置に戻してやれば修正完了です。
元通り底部のバーをネジ留めして、修正が終わった後の状態がこちら。
3枚のふすまがきちんと同じ高さで揃いました。グラつきもありません。
ついでに上の写真などに見られるホコリやゴミなどを掃除して、最後に滑りをよくするためのシリコンスプレーを塗布して終了です。
結果どうなったかというと、以前とは見違えるようにスーッと開閉するようになり、ストレスが激減。大変満足度の高い作業となりました。
ちょっと気になるのは今回のような歪みが生じた原因がわからないことです。ネジの緩み等があるわけでもないのに何があったんでしょうかねぇ。
何か引っかかったり、ナナメに力を加えて動かしてしまったり、といったことがあったのかもしれませんが、他人(前の居住者)の過去の行動などわかりようもないので、しばらく様子を見たいと思います。
また同じ問題が起きたら、原因究明を考えることにします。
ふすまは金属の枠と発泡スチロールの板でできていた洋モノ?だった
今回分解してわかったのは、(いまどきの?)ふすまってアルミの枠と発泡スチロール板とで構成されていて、表面に和風の装飾がされているだけの洋モノ(?)だったんですね。もっと和風なものかと思っていたので意外でした。
ほかの内装もそうですが、アレコレ分解して見ていくと家の内装というのは昔のような「素材をそのまま加工して使う」というよりは、様々な科学技術の成果を用いて、それらを切ったり貼ったり固定したりしながら成り立っているんだなぁということがよくわかります。
天然素材を使って作ると、多忙で住宅メンテナンスの手間暇をかけられない現代人の生活にはなじまなくてすぐ痛んじゃうよね、ってことなのかもしれません・・・