家探しの話の続き。今回で14回目。
ここのところ少し脇道に逸れて設備のショールーム見学の話ばかりしてます。そのうち元の話にもどるでしょう。
前回TOTOのショールームで
・トイレを見てモンモンと色々考え
・バスルームを見てソロもんのツラさを実感し
・キッチンを見て自分が主流から外れていることを再認識し
・化粧洗面台はなんか興味ひかれず、、、
みたいになったわけですが、今回はTOTOと合同ショールームのYKKAPとダイケン。
タイトルに反して水回りではないのですが、TOTOのついでなのでそのまま続けます・・・。
ちなみにYKKは最初から最後まで完全放置プレイ、ダイケンのほうは営業が寄ってきましたが、ちょっと対応したあとは放置プレイとなりました。
YKKAPは窓じゃなくて金属の会社
窓の会社、、、かと思っていたのですが、分類としてはアルミをはじめとする金属の建材メーカーらしいです。ということは、ガラス自体はやってなくてサッシの会社ってことなのかな?
来ておいて何ですが、あんまり見所がない、という興味がわかないのは申し訳ないところ・・・。
というのも、実は戸建と違って
・分譲マンションの窓というのは自分の部屋の設備であるかのように見えるけど実は共用部
という扱いになっていて、自分で好きに交換はできないのです。
よくわからないですが、「外壁の一部」みたいな扱いなんですかね。
(まぁ全室チャコールで統一されているなかで一部屋だけグレーの窓枠があるみたいな状態になると目立つし、それがいくつもあると見た目がガチャガチャするよね・・・って考えると、その扱いも理解できる)
マンションでもやれる窓の強化方法として、元の窓を残したまま内側にインプラスというもう一つ窓を設ける二重窓みたいな仕組みがあって、結構導入している人は多いらしいです。
ただ、コレをやると部屋の空間が狭くなりますね。(まぁ既存窓の枠の中におさまるので、圧迫感を気にしなければ実使用の空間は大して変わらないのですが)
※インプラスはYKKAPではなくリクシルの商品名ですが、非常にわかりやすいネーミングなので引用しました
このショールームの展示の話に戻ると、さすがに壁紙と違ってデザインで訴求するというのも難しいのか(赤や緑のようなカラフルな窓枠にしたい、という人はほとんどいないでしょうから)、機能展示が中心になっています。
窓ガラスや枠の素材として様々な種類があって、このように断熱性能を誇示する展示されています。
金属建材メーカーですが、いよいよ樹脂窓の攻勢の前になすすべ無しという感じになったのか、樹脂窓や(それでもなんとしてでも金属を使いたいのか)アルミ樹脂複合窓というキメラのようなものを開発して売り出しているようです。
よく言われているのが
・施工がしやすいだけの理由で熱伝導率が高く性能の低いアルミサッシを使っている
・そのせいで日本の住宅は断熱性が極めて低く、過ごしにくい
といった評価なので、アルミサッシの親玉みたいなYKKAPもさすがにいつまでもアルミサッシでぼろ儲け(?)しているわけにもいかないということなのかと思います。
もはや変われなければ滅んだ方が世のため人のためと言われかねないレベルなので、こういう変化は歓迎すべきなのかと思います。
というわけで、断熱で困っている人はインプラス的なものも含めて、検討するのはアリだと思います。窓の断熱は本当に効果を実感できるので、自分もリフォームの際には何らか検討することになると思います(フィルムを貼る、くらいのショボい対応で終わるかもしれないけど。主に資金的な問題で・・・)
他には、、、イロモノというわけではないのでしょうが、複層ガラスの間にブラインドが組み込まれた面白い製品なんかもありました。
ただこれ、ブラインドの可動部が壊れたら大変なことになりそう。
密閉された中なので「可動部にホコリがたまって動きがおかしくなる」という可能性は低そうですが、一方で熱で次第にグリスが飛んでしまって滑りが悪くなり動かなくなる、なんてことはありそう。しかし窓の中なので注油ができないんじゃなかろうか。
ブラインドを使いたいけどホコリがたまって掃除をするのが面倒くさそうだな、と思って導入に踏み切れない、という向きにはアリなのかも。(密閉されているのでホコリがたまらない、というのはアドバンテージだと思う。10年くらい経ってグリスが切れたらメンテを外注すればまた10年くらいは使えるようになるのかな?)
分譲マンションの窓が交換できるって本当?
窓は何もできそうにない、と思っていたので興味も薄く、ブラブラと少し歩いて撤収するつもりだったのですが、気になったのがこれ。
分譲マンションの窓も交換できますか?
はい、できます!
とあります。
まじかー? できないと書いたばかりなのに・・・
まぁこのビラも下に小さい文字で色々条件(というか逃げ口上?)が書かれているので、まったく信じてイイかどうかはあやしいところですが、実際に断熱に問題があると感じている場合は、藁をも掴む気持ちで(?)調べてみる価値はありそうです。
うーん、自分はそもそもコンクリートの軀体にどういう構造で窓枠を取り付けているのかわからないんですよね。わからないのでイメージがわかない。
コンクリートが乾く前に窓枠まで組み込んでいるとは思えないのだけど、逆にコンクリートが固まってからだと、そのコンクリ枠が歪んでいたら窓枠なんて取り付けられないだろうし(いや、、、マンションみたいな大きな建物でコンクリ枠が歪んでいるなんてことはそもそもあり得ないのかな?)
正直、本当に交換できるならもっとたくさんの人たちが普通に
「断熱、遮熱には窓枠を樹脂にしましょう! マンションでも大丈夫です!」
みたいなことを言ってそうなので、理屈上は可能でも実際は条件が厳しくてなかなかできないのでは? と思ってるんですが。。。
ダイケンは主にBtoBの建材メーカー
続いてお隣のダイケンショールームです。
ショールームを開いていますが、基本的にこのメーカーは工務店などの事業者向けに商売をしていて、あまり消費者に直接モノを売ってません。なので、YKKとかTOTOはほとんどの人が知っていると思いますが、ダイケンを知っている人はさほど多くはないかと。
フロアマップはこのような感じでしたが、、、
青色や緑色の製品展示コーナーは半分くらいで、見ての通り残り半分はプレゼンテーションやミーティングといったいわゆる「商談」スペースになっています。(実際、業者と思われるスーツ姿の人たちが相対的に多かった)
とはいえ、機能性の高い高価な(利益率の高い)建材を一般住宅向けに売るには消費者からの強いヒキも必要です。
工務店も通常ではそうした高機能建材を採用することはなく、先日書いた畳ボードのような「低スペックだけど機能的には完全に代替になる」ようなものくらいしか扱ってくれないのではないかと。
というわけで、このようにこれまであまりなじみのなかった一般顧客向けのPRもがんばってやってるようで、その点は好感が持てたのですが・・・
これらの提案は新しいタイプの部屋づくりとしてはアリだと思うのですが、ダイケンならではというか、別の会社ではダメでダイケンだからできる、みたいなのがまったく感じられず、メーカーのショールームとしてはよくわからない状態(これがリノベ工務店のショールームならアリ)。
調湿機能のPR展示もあったのですが、、、
これ、調湿機能が比較、体感できるような展示になっているのですが、この日はボタンを押しても何の反応もない様な半壊状態で放置されていて、まったくやる気が感じられませんでした。(張り紙がないところを見ると、半壊状態であることを担当者が認識すらしていないと思われる)
調湿機能に興味があったので「さらりあ~と」について受付で聞いてみたのですが、カラーバリエーションが廃盤になって今ではホワイトだけしか扱っていないとか。
一般住宅向けに開発してはみたものの、どうやって売ったら良いのかわからずに自社でも取り扱いに困っていて、それ自体でガンガン売るというよりは、畳ボードや天井材のようなダイケンが得意とする製品の採用時に、あわよくば巻き込みで一緒にオーダしてもらおうという腰の引けた売り方になっているのかな? と感じました。
※サンゲツの壁紙と異なり、ダイケンの製品は壁材なので5mmとか10mmといった厚みがあり、パネル形状の板を貼り付けていく構造になっています。厚みがあるぶん、機能面の効果も(ペラペラの壁紙に比べたら)高いのでは? と期待していたのですが・・・
防音ルームは楽器用でシアター用ではない
ダイケンの得意とする防音建材を使用した防音室、ダイケンの言い方だとサウンドルームの展示があったので、中で体感させてもらいました。(この部屋は施錠されており、自由見学ではありません)
防音構造は遮音、吸音を組み合わせたオーソドックスな造りです。
構成素材は一般的なもののように見えますが、表装にオトテンというダイケン独自の製品を使用しているのが特徴。
ちなみに遮音パネルと石膏ボードの構造について確認したのですが、受付の人はよくわかっていないようだったので、詳しく聞くのは諦めました。
何が気になったかというと、同じ12.5tの厚みのようなのですが、イラストでは1枚のグレーの板のように見えるんですよね。うーん、なんだろう?と。
イラストの比率からすると吸音ウール50tの半分くらいっぽいので、グレー一色に見えて実は石膏ボード+遮音パネルの二層で合計25tみたいになっているのかな??
それにしてもこのプレミアム防音は50db低減というだけあって、石膏ボードも二重になっていて、かなりゴツい感じがします。
実際、そのぶん防音効果もかなりのものだったのですが、構造上、室内も狭くなるのは了解して欲しいとのことです。(写真は撮りませんでしたが、ガラス窓はハメ殺しで音の反射を散らす?ため、角度をつけた3重構造になっていました)
ただし、残念だったのは建材オトテンにはカラーバリエーションがなかったこと。白しかないそうです。
天井の防音素材はあまり聞かないので、こういうのもアリかな? と思っていたのですが黒がないとシアタールームでの活用は難しそうです。
まぁ今後50年100年と考えると、シアタールームで映画を見るような習慣はなくなるかもしれないけど、部屋で自分の好きな楽器を弾く習慣は残りそうなので、ビジネスとしてそっちを優先するのはわからなくはないです。
・・・と思ったら、あるやん。
受注生産とはいえ、一応ホームシアター向けということでブラックを出してはいるようです。
ショールームの人はこのこと知らなかったんだな・・・(ショールームには白以外の展示はなかった)
ちなみにコレ、どれくらいコストかかるかというと、、、
標準品のホワイトの2倍近くになります。
これ、0.3mx0.6mx9枚での販売なので、1畳単価って感じですかね。
黒だと6畳間で30万ほど・・・受注生産の趣味品だから仕方ないとはいえ、なかなかハードな価格ですな。
とまぁ、こんな感じで色々な建材を見てきました。
窓にしろ防音室にしろ、リフォームで使うとしても局所的なものになるので急ぎではないのですが、趣味性が強いというか標準的な仕様から外れたものを使うとなると割高感というか、コスト高は覚悟しなければならいんだなという感じですね。
防音設備はともかく、樹脂窓くらいは世間標準になってほしいところですが。
次回は新宿の別のビルに移動します。