軽自動車は維持費が安い、という話をよく聞くけど本当に安いのか? そもそも何が安いんだ?というのを一度ちゃんと調べてみたいと思っていました。
そんな中、前回、任意保険のところで少し書いたのですが、うちの自動車も登録からすでに18年、雨ざらしの駐車場に置いていてゴムや塗装などかなり劣化が見られる状態になってしまったため、買い換えor廃車を考える時期になってきました。
実際の自分の運用コストなどは別途整理しているのですが、とりあえず今回は普通自動車のうち、ちっこい方のいわゆる「小型車」「コンパクトカー」と呼ばれるものと軽自動車とで、コストの比較をしてみました。
車体は全体的に安いけど安いなり、高いのは高いなりでは?
自動車本体はピンキリで安いかどうかはなんともいえないのですが、利益率が低いらしいので軽自動車のほうがコスパがいいのかもしれません。特に、値引き交渉や安い車体を探したりせず、ほぼ定価で新車を買うような人にとっては。
ということで、とりあえず「安いだろう」としておきますが、利益率はさておき安いものは原材料も安いので「安っぽい」んよね。(普通車も安いグレードだと安っぽかったりするので、軽自動車云々というよりは結局コスト・・・)
軽自動車も以前に比べて装備が豪華になり、ずいぶん高くなってきたと言われますが、軽自動車全体の価格帯がまだまだ安いほうに寄っているのは確かです。
普通車だと普通に300万とか500万円するものはありますが、軽自動車で500万円するものはありません。(あるのかな?)
・・・と思ってカーセンサーで中古を調べたら・・・
ありました1650万円のタント!!! SUGEEEE!!
・・・って、これ違うやろ、本体価格150万で総支払額がその10倍って、明らかに桁間違いやろ!!
という感じのが、実は一台や二台ではなく結構大量にあり、なかなか笑える状態になっていました。大丈夫かカーセンサー!?
とはいえ、ずっと下に行くと、、、
あー。桁間違いに交じってマジものが混じっています。
なるほど、、、確かにクラシックカー風(?)のものや販売終了してしまったS660のカスタムカー(?)みたいな趣味の逸品的なものは、500万という価格帯もありなんですね。(中古だとプレミア価格でこの状態になっているようですが、S660などはカスタムカーの新車時点で400万超という価格で販売されていたものもあるようです)
どうでもいいですが、カーセンサーのライバル(?)のグーネットでは4千万円のタントがありました。もう無茶苦茶・・・
とまぁ、与太話はいいのですが、このように自分はあまり新車に興味がなく、中古車ばかり見ていますという話です。
自動車のメンテナンス(車検)費用は実はほとんど変わらない
自動車を持つと2年に一度、いわゆる車検をしなければなりません。
軽自動車は車検費用が安いという人もいますが、その話はおそらく車検時にまとめて払う重量税(後述)の差が大きく、検査そのものの費用が軽自動車だから極端に安いという話はないと思われます。
ということで、これもとりあえず「同じ(orやや安い)くらいだろう」としておきます。
※車検広告を見ればわかりますが、ディーラーや全国チェーンの自動車店など大きな店(または、小さな店でも徹底メンテコース的な工数が多いメニュー)は大型車のほうが高い傾向がありますが、倍額になったりはしていません。ただ、輸入車は部品代がメチャクチャ高いという噂は聞きますが・・・
ちなみに車検について少しググってみた結果はこんな感じ。
車検専門店では確かに支払額に差ありますが、内訳を見るとほぼ重量税で検査費用はまったくの同額。
大手のディーラーも価格差はありますが、基本料金(検査の手間暇コスト)は重量に応じて多少違うものの、2割程度の差。
一方、法定費用はだいぶ違うとされています(法定費用といっても内訳としてはほぼ重量税の差)
メンテ費用の高低は軽自動車だからというよりは、ボディサイズ(重量)や実際の走行距離、保管状況などによる費用の差が大きいと思われます。(あとは「予備的に交換しておいたほうがいい」と勧められたものを受け入れるか拒否するか)
ちなみに自分のコンパクトカーですが、過去7回の車検費用(法定費用を除外した額)はこんな感じでした・・・
56,845 58,080 52,775 68,911 65,710 71,676 25,329円
左から6回まではディーラーにお願いしました。
7回目の約25千円は本当にカツカツの安い1日車検に出したおかげでこんな値段になりましたが、そのときはオイル交換以外は本当に点検しかしなかったです。(ディーラー期間はブレーキ関係のパーツやバッテリーなどを予備的に交換していた)
※普通車はタイヤのサイズやオイルの使用量が軽自動車より多いので維持費が高くなる、との話を聞いたので追記します。
確かに、物理的にサイズがデカいのでその通りなのだと思います。
が、これは軽自動車という規格の問題というより物理サイズの問題で、上の車両本体の価格が安いものは安いなり、高いものは高いなり・・・という話と近い話かと思います(普通車でも1000ccの車より2500ccの車の方がタイヤはデカくてゴムの使用量も多いんだから高いの当然だよね、という話)
税金は明らかに軽自動車が安い
これは確実な話で、政策誘導的な意図があるのか毎年5月頃にお手紙が来て支払う(軽)自動車税、車検の際に支払う重量税ともに、軽自動車はだいぶお安くなっています。
※重量税は2年分一括払いですがここでは1/2して1年分とし、自賠責は年によって額が異なるので近年のだいたいの額2年分24千円を1/2して1年分(軽自動車はその5%引き)としています。
高い税金を払ったからといって特別に良いサービス(役所に行ったときに珈琲が出てくるとか?)が受けられるというものでもないので純粋に安い方がいいはずです。
たとえば、冒頭写真にあったスズキのスイフト(1200cc)と、アルトラパン(軽自動車660cc)では、上の表では税金で年額40,400円ほどの差が生じています。10年で40万、20年で80万円です。これを多いととるか、でしょうか。
ちなみに細かいことをいうと・・・というか制度が細かいのですが、
・軽自動車税は
2015.03以前登録の場合7,200円/年
2015.04以降登録の場合10,800円/年
でいずれも登録13年目から一律12,900円/年にUP
・自動車税は
2019.03以前登録の場合29,500円/年~だったものが
2019.04以降登録の場合25,000円/年~にDOWN
でいずれも登録13年目から元値から15%くらいUP
なんだそうです。
つまり、今から買う場合
・普通自動車は新車を買った方が年税額も低く、13年後のUPの際も元値が低いためUP幅も低い
・軽自動車はもう7,200円/年の新車は買えないので諦めて10,800円or12,900円の税額を払うしかない(2015.03登録の軽自動車の中古であれば2027までは7,200円でイケる?)
ということになります。
古くて重量のある普通自動車は、税金を気にするなら(高くなって大変なので)避けるべき・・・という感じでしょうか。
※ここでは省略しますがほかに重量税も13年目、18年目と2段階の税額UPが決められていて、さらに差が開きます。
保険は普通車も軽自動車もほとんど同じ
保険は強制保険の自賠責と、自分で加入する任意保険がありますがどちらも軽自動車だろうが普通自動車だろうが、ほとんど同じです。昔はだいぶ差があったらしいのですが・・・。
(感覚的には、軽自動車のように脆い車だと事故の際に死にやすいので高いのでは?って気もするけど、保険金支払い側としては生き残って通院されるより死んでもらった方が安く済むので保険料も安いのかもしれない)
「いや、車両保険は軽自動車のほうが明らかに安いよ! 安かったよ!」という主張もあるかもしれませんが、単に車両の価値が低いから車両保険の部分が安いだけで、軽自動車だから特別安くなっている、というわけではないはずです。
車を持つとすれば、普通自動車か軽自動車かは趣味で選んでいいレベル?
というわけで、軽自動車は維持費が安いという思い込みが正しいのはほぼ税金だけで、
1.車体価格は車体のクオリティなり(少しは割安かも?)
2.メンテ費用はボディが小さいなり(少しは安い)
3.保険は普通車とほぼ同じ
という結果になりました。
ここでは詳しく説明できませんが、自分の場合は車体費用や法定費用、ガソリン代も含めた年間の維持費用が総額24万円ほど、となっていました。
上のスイフト->ラパンのパターンで軽自動車に乗り換えた場合に、24万円のうち税額部分が年4万円ほど安くなる、というわけです。
24万円に対する4万円を20%にも満たないと考えるか、まったくの無駄な4万円が削れると考えるか。。。という感じでしょうか。
そもそも車を所有するかどうかを考えるべき
これなんですよね、考えるべきは。本当に自家用車が必要なのか、移動手段が必要なのか。
今の車を持ったときは、移動手段としてだけではなく、車を所有、維持管理する体験がしたくて購入したのでいいのですが、今は後者の気持ちはあまりありません。
移動手段としての利便性はあるのですが、それだけ考えると
1.レンタカーで生活する
2.カーシェアを利用する
3.サブスクを利用する
4.車を買い換える
という選択肢があるので、これらを全体的に考えていきたいと思います。