上下水道、国保について自治体毎の違いを調べてみよう、という話の具体例。
第2回目は宮城県の七ヶ浜町です。
第1回目は夕張市でした。
七ヶ浜町の選定理由
非常に個人的な理由ですが、この自治体に何かあるといったことではなく、単純に自分が旅行で東北に行った際に訪れたことがある町だというのが理由です。
海沿いのこぢんまりした町で、雰囲気はよかったと記憶しています。
七ヶ浜町の概要
面積 13.19km2
総人口 17,676人(推計人口、2022年8月1日)
人口密度 1,340人/km2
(以上wikiより引用)
場所は宮城県の中央あたり、太平洋側に面した半島のような土地です。
東北随一の都市であり、宮城県の県庁所在地でもあり、100万都市である仙台市のお隣になります。
前回の夕張市と比べるとだいぶ違いますね。
【北海道夕張市】
面積 763.07km2
総人口 6,946人
(住民基本台帳人口、2022年5月31日)
人口密度 9.1人/km2
圧倒的な人口密度の違い・・・
それにしても、片や人口2万人弱で「町」、片や7千人未満なのに「市」というのがよくわかりません。(まぁそもそも市と町の違いもよくわかってませんが・・・)
七ヶ浜町の上下水道料金ルール
料金は表形式で公開されていたため、そのまま転載します。
1ヶ月単位の料金で、表示は「税抜き」です。夕張市は税込みでした。こういうバラバラの扱いはやめてもらいたいものです。(確か国が税込み表示を原則とすべし、と言っていた気がするのだけど)
一般的な料金体系で、口径別の基本料があり、そこに1㎥あたりの使用量が加算されます。最低料金の取り決めのようなものはないようです。(ただし初月と解約月は1ヶ月満額徴収との規定あり)
また、条例上は次のように軽減料金の設定がありますが、「できる」規定までで、実際にどのように運用されているかはわかりませんでした。(公式サイトをすこし見た範囲では見つけられなかった)
(料金、加入金、手数料等の軽減又は免除)
第34条 管理者は、公益上その他特別の理由があると認めたときは、この条例によって納付しなければならない料金、加入金、開発負担金、手数料その他の費用を軽減又は免除することができる。
※コロナ対策なのか、これを書いている時点で一律で月額500円の減額措置がとられていた。
七ヶ浜町で今と同じ上下水道使用量の場合、料金は2.5倍で年額4万円増
ソロもんならだいたいこんなもんでしょう、ということで以前前提条件を記載したとおり
上下水道の使用量は10㎥/月
と仮定すれば、上の表から
(上水道)1,980円
1400円(口径13mm基本料)+400円(従量40円×10㎥)
計1,800円×1.1=1,980円
(下水道)1,100円
1,000円(10㎥まで一律)x1.1=1,100円
ということで、合計すると
税込3,080円/月
となります。
現在我が家では同じ
10㎥/月の使用量
で
税込2,200円/月ほど(実際は2ヶ月単位で20㎥、4,500円程度の請求)
なので、だいたい1.4倍くらいの料金になりますか。
これを年額になおすと
七ヶ浜町 3,080円×12ヶ月=約37千円
今現在 2,200円×12ヶ月=約26千円
となるので、約1万円/年ほど増額となります。
(参考:前回の夕張市 5,651円×12ヶ月=約67千円)
上下水道料金は税金と異なり基本的に所得に応じた減免などはありませんので、収入が少なくても使った分の全額を支払う必要があります。
まぁ年額にして1万円程度であれば、(安定的な供給がされるのであれば)さほど問題ではないかもしれません。
再掲になりますが最初に設定した条件はこちら。
直近の改定日と今後の見通し
七ヶ浜町の直近の上下水道料金改定日は
2014.04.01
とのことで、現在2022年まで8年ほど見直しがされていないようです。
(条例の料金表のところに「平26条例3・一部改正」とあることから推測)
また、
「七ヶ浜町水道事業経営健全化計画」
というものがあり、そのなかでコスト削減とともに
水道料金
仙南仙塩広域水道の受水単価が改定(平成 18 年度から)され、営業費用を増大しているが、未処分利益剰余金が 116,409 千円(平成 18 年度決算)あり、計画期間内で水道料金の改定は必要ない状況である。
と記載があります。
この字面だけを見ると問題なさそうですが、なにぶん15年も前の計画なので(そしてそれが公式サイトに載っている最新っぽい)、現状どうなっているかは定かではありません。
実は七ヶ浜町の水は上記の
「仙南仙塩広域水道」
https://www.pref.miyagi.jp/documents/39779/r4gaiyousskousui.pdf
に100%依存しています。(水の仕入れ元がココ、ということ)
ある意味これら17自治体は一心同体なわけで、巨大都市である仙台市も入っていることから急激な使用料上昇のリスクは低い(分散されている)といえるかもしれませんが、100%ということは逃げ道がないともいえるので、値上げしますと言われたら唯々諾々と従うしかない状態かと思われます。