上下水道、国保について自治体毎の違いを調べてみよう、という話の具体例。
第一回目は北海道の夕張市です。
夕張といえばメロンが有名で、思い浮かべるとヨダレが出てきそうになりますが、実態としては甘くない状況のようです。
夕張市の選定理由
夕張市は全国で唯一、自治体が財政再建団体に転落して様々な住民サービスがカットされるなど厳しい状況にある、とされているため気になっていたというのが理由です。
ここはいわゆる闇起債(不正会計)が露呈して財政破綻したということで、簡単にいうと
ヤミ金から借りて贅沢三昧してしまった
わけで今はその後始末をしている段階というわけです。
※事業に投資して失敗したとされているけど、必要経費の捻出のために税収増とか職員給与を下げるといったことはしておらず、不正に借りた金を飲み食いに使ってしまったのと同義で同情の余地は少ないと思います
正直、役所の人が会計で不正をするというのは尋常なことではないと思うのですが・・・(破綻後に大幅に給与カットされた状態、かつ人手がないなか残って仕事をしている市役所の職員には多少同情する)
夕張市の概要
面積 763.07km2
総人口 6,946人 [編集]
(住民基本台帳人口、2022年5月31日)
人口密度 9.1人/km2
(以上wikiより引用)
さすが北海道だけあって面積は東京都全体(2100km2)の1/3ほどと非常に大きいですが、人口が少ないですね。財政破綻以前から減っていたところ、破綻以降はさらに減ったようです。
詳細は確認していませんが、夕張市のデータヘルス計画によると直近で
高齢化率49%
ということで、市全体の経営状況はかなり厳しいことが想定されます。(確か全国平均だと30%程度だったと思う)
夕張市の上下水道料金ルール
料金は表形式で公開されていたため、そのまま転載します。
1ヶ月単位の料金で、表示は税込みです。
表では10㎡までが「基本」とされていますが、最低料金が8㎡/月ということなので実質そこまでが基本料金となります。
また、軽減料金の設定がありますが、これは生活保護の受給や障害者手帳の取得など条件があり、所得判定だけで誰でも適用されるものではないようです。(70歳以上の単身非課税世帯、だとアリらしい)
夕張市で今と同じ上下水道使用量の場合、料金は2.5倍で年額4万円増
前提条件として以前記載したとおり
10㎥/月の使用量
と仮定すれば、上の表(3段目)から夕張市では上下水道セットで
税込5,651円/月
となります。
現在我が家では同じ
10㎥/月の使用量
で
税込2,200円/月ほど(実際は2ヶ月単位で20㎥、4,500円程度の請求)
なので、だいたい2.5倍くらいの料金になります。
年額になおすと
夕張市 5,651円×12ヶ月=約67千円
今現在 2,200円×12ヶ月=約26千円
となるので、約4万円/年ほど増額となりますね。
上下水道料金は税金と異なり基本的に所得に応じた減免などはありませんので、収入が少なくても使った分の全額を支払う必要があります。
現状で夕張市が全国最高額ではありませんが、高額な方に位置するのは間違いないと思われ厳しいなという感じがします。
再掲になりますが最初に設定した条件はこちら。
直近の改定日と今後の見通し
夕張市の直近の上下水道料金改定日は
2019.10.1
とのことです。
水道料金というのは基本的に公営企業会計と言われる
自治体本体の収支(経営状況)から独立した会計
になっており、財政事情よりも地域特性が強くなるようです。
今後の見通しは具体的には不明ですが、財政事情というよりは人口密度の低さから維持管理のコストは高そうで、上がることはあっても下がることはなさそうです。