家探しの話の続き。今回が69回目。
購入した家は中古住宅だったので現状渡しでしたよ、という話で順次リフォームやハウスクリーニングを進めています。
今回は、購入した高圧洗浄機を実際に使って20年モノの屋外汚れを落としてみました、という話。
購入までの検討記録はこちら。
パワーがあって連続使用ができるぶん、バッテリー駆動型よりAC駆動型の方が自分の用途には合ってそうだね、という話でした。
実際の製品選びとセッテイングまでの話。
アイリスオーヤマのFBN-701という圧の強いモデルを選びました。家の蛇口と付属ホースとの接続に手こずりましたが、アダプタの購入でなんとか使えるようにこぎ着けました・・・という話。
使用感まとめ
3日ほど、家のベランダと玄関先、外壁などの洗浄で使用しました。
最初は玄関周辺とベランダの半分をやったのですが、ほぼ半日がかりでクタクタになりました。
もうヘトヘトで、後日ベランダの残り半分をやらなくてはならないなぁ~、気が重いなぁ~とぼんやり思った記憶があります。(直後にはやる気になれず、数日、間を置いてなんとかやり遂げました)
何が言いたいかというと、
・こういう機械を使っても外壁掃除は結構大変で、手間暇体力が必要だ
ということです。
うーん、モチベーションはかなり高かったはずなのですが、それでもホント疲れました。体力が落ちているのかもしれない、、、
さて、「高圧洗浄機をはじめて使ってみた感想」をまとめておくと
1.汚れ落ちには圧力の高さが重要
2.ただし、おそろしいほど騒音が出るので対策が必要そう
3.水圧が高いと危険性も高く、取扱に注意が必要
という3点。
以下順番に説明していきます。
1.圧力が高い方がよい理由
買う前は脳内妄想の結論として「大は小を兼ねる!」などと決断したのですが、注文後に「・・・いや、そんなに圧力なくてもよかったかも・・・バッテリーで稼動するハンディタイプのやつのほうがよかったかも、、、だって掃除機だってバッテリー式のほうが便利でシェア高くなってるじゃん? それに安いし・・・」という後悔が頭をよぎってきました。(買ってからグチグチと考えすぎ・・・)
ただ、実際使って作業をしてみると
・汚れのなかには低圧ではイマイチ落ちず、かなりの圧をかけなければならないものが存在する
・元の水圧が高いと遠くまで高圧状態で水が届くので作業の効率が格段に高くなる
・本体側に水圧変更(弱くする)機能がなくても、ノズルの太さを変えれば実質的に水圧調整可能
・ノズルの太さをワイドにすると清掃面積が広くなって非常に楽(「広域低圧洗浄」的な?)
・射出角度だけではなく「ノズルと対象との物理的な距離を調整する」ことで実質的に水圧も変えられる
ということがわかって、
・水圧が強すぎて困ることはない(注意して使えば)
という結論に至りました。
圧力は操作で(実質的に)下げることはできるけど、機材の持っている最大出力を超えて上げていくことはできないですからね。
逆の考えで「元の圧力が弱くても細く出せば強力な水圧が得られるんじゃね?」というのも事実ですが、
・細い水を出すと、広い面の掃除をするのが極めてキツい
ということを忘れてはいけません。
たとえば
・1メートル角の正方形全体を洗うとして、直径1cmの細い線状の水でまんべんなく洗うのってかなり大変じゃない?
と想像すればわかりやすいでしょうか。
車や手元の小道具などと違って外壁やベランダの床はとにかく面積が広いので、今回のようにまとめて全部洗おうとすればかなり大変です。
どうにもならない騒音問題は本体隔離と雨の日作業で対応
騒音問題、、、こればっかりはどうにもなりません。
お金が出せるなら静音タイプのほうがいいかもしれません。(高圧と静音が同時に実現できているのかは確認する必要がありそうですが・・・単に圧を調整できて下げたら静音になりますよ、みたいなことだとすればイマイチ)
とはいえ、対策はあります。
自分が今回やったのは次の通り。
・本体を家の中に置いて、窓の隙間からホースだけ外に出して使う
・雨の日に作業する(カッパ、長靴)
これである程度騒音の漏れを防げます。
雨の日を選ぶっていうのは、
1.もとから雨風の音がしているので、モーター音が埋もれる
2.雨がカーテンの役割を果たして音の拡散を緩和してくれる
3.窓をあけている家はほぼないので実質的に他人への騒音被害が少ない
という点でベター、、、というより、うちのような集合住宅で作業をする場合は必須な気がします(加えて、除去した汚れを雨が勝手に洗い流してくれる)
雨の日にわざわざやるの? 面倒じゃない? という感じですが、高圧洗浄機は結構水ハネもあるので、どっちにしてもカッパと長靴は装備する必要があり、だったら雨の日でも同じじゃないかと思います。
レビューを見ると騒音対策として「本体を何らかのカバーで覆って防音する」という方法をとっている人もいるようですが、
・本体は結構熱を持つので、カバーで覆った状態で長時間使うのは避けた方がよさそう
だと思いました。
本体を室内(作業場所から離れた位置)に置くことで電源スイッチのオンオフとか多少面倒なことはありそうに思えますが、これは問題ありませんでした。
というのも、作業中の操作で使うのは手持ちのガンに付いているレバーで、そのオンオフで本体のモーターも自動的にオンオフされる仕組みになっています(なので、レバーを引かない状態では本体のモーターは騒音を出さない)
本体の電源スイッチは作業開始直前にONにして、作業終了後にOFFにするという操作だけすれば大丈夫で、本体が遠いデメリットはありませんでした(最初は水漏れしてないか?みたいな不安はあったけど)。
本体を室内に置くことで、雨の日でも「本体が雨に濡れて壊れるのでは?」みたいな心配も不要で、安心して使用できます。
ちなみに、、、この製品では選べませんが、一般に静音モデルで使われている「インダクションモーター」は周波数固定らしく、西日本(60Hz)と東日本(50Hz)で製品が別になっている点は注意が必要です。
圧が高いと危険なの?という問題
うーん、これは使い方なのですが、あまりに圧が高いと対象物を破損する可能性があるので注意が必要ってことです。
・最初はワイド(幅広、低圧)で洗浄して、汚れの落ちが悪ければじょじょにナロー(細い、高圧)に変化させていく
というセオリーどおりの洗い方を徹底すれば問題ないように思います。
試しに自分の手に水を当ててみたところ、メチャクチャ痛かったです。(あぶないのでやめましょう)
掃除の実例
実際に高圧洗浄機を利用してキレイになったもの、逆にイマイチだったものの実例を挙げていきます。
トータルとしては満足ですが、ありとあらゆる汚れがキレイになるわけではない、、、というのが結論です。
苔はかなりキレイになる
通常の堆積したゴミの汚れや、苔のようなものは高圧洗浄機が得意なところで非常に汚れ落ちが良く、キレイになります。
ココは日陰っぽいところなので苔の堆積が見られたのですが、このとおりピッカーとキレイになりました。
ベランダの床汚れも同様です。
滑り止めなのか、床面には細かな凸凹の文様があるのですが、これも本当に良く落ちます。
ただし、上の写真でもわかるとおりキレイにしたはずの右側写真も薄汚れた感じになってしまっているんですよね。これは洗っても1回雨が降るとすぐに凸凹に汚れが付着してしまうので、しかたないところです。(今回、右の写真を撮ったのが数日後でその間に1回雨が降っている)
ただ、一度落とした後の汚れはこびり付いているわけではないので、シャワーを流してホウキなどで軽く擦るだけでほとんど流れていってキレイになります。
バルコニーの黒くこびり付いた砂利や土などのヨゴレもこの通り。
天井付近の、3mくらいある遠距離でも届きました。凹みにところどころ黒い汚れが固着していたのですが、それもしっかり落ちていきます。
外壁の塗装に多少の凸凹(一部、気泡のようなものも・・・)があるのですが、その凹部分に溜まった汚れなんかもキッチリかきだしてキレイになりました。
こういうのはブラシなどで掃除をしても、凹みの端に汚れが残ったりしてしまうので、高圧洗浄機のほうが向いてそうです。
虫の卵か巣かわかりませんが、真っ白い毛玉のようなモコッとしたものが数カ所にあってメチャクチャ気になっていたのですが、それもしっかり落とせました。
暑い季節になってここから虫がモコモコ沸いてきたらと思うと気になって仕方なかったのですが、シーズン前に処理できてよかったです。
素材が変質してしまっているものや染みているもの->落ちない
一方、素材そのものに色が付いたり、素材の奥まで汚れが食い込んでしまっている(?)ものは高圧洗浄機ではキレイになりません。
こんな感じ。
結構がんばって細いノズルでの超高圧洗浄をしてみたのですが、まったくといっていいほど落ちませんでした。(染みの色がやや薄くなった感はあるけど、気のせいじゃない?っていうレベル)
また、汚れの堆積も落ちるは落ちるのですが、染みるタイプのものはうっすらと跡が残りますね。
こんな感じです。
屋外なのでどうしても水の流れ道のようなものができてしまい、長い時間をかけてそこには水染みのようなものが生じ、汚れは除去できても、そのシミは残ります。
表面の色が変わってしまっている例->落ちない
これはベランダ床の表面材です。
このように水が染みてるような感じの変色は、素材そのものが変質してしまっている、もしくは素材の中まで色が染みこんでしまっているようで、落ちませんでした。
あとは塗装系ですね。
こういうペンキか何かがはねたようなしぶき状の汚れとか・・・
靴や何か擦ったような跡とか・・・
こういうのは落ちないです。
まぁ塗装(油性?)が落ちてしまうようでは実用性に難ありとなってしまうので、そういうものなのでしょう。
プラスチックが茶色くなっている例(風呂場)->落ちない
室内の高圧洗浄機活用例としてよく出される風呂スカート内の水アカ、カビを取る作業もやってみました。
とはいえ、、、うちの場合既にだいぶ前に手洗い、薬剤(カビキラー白)による洗浄を経ているのですが・・・
この写真に残っているのは、そのいずれでも落ちなかった汚れ。
まぁ高圧洗浄機でもまったく落ちません。素材のプラが変質してしまっているのかな、、、
すでに洗浄済みだったのですが、バス裏の奥のほうは手が(物理的に)届かず汚れが残っていたため、遠距離まで放射できる高圧洗浄機で少し汚れを取ることができました。
距離のある場所の頑固な汚れは水を細くして落とす・・・
一般に、戸建て住宅の2Fの外壁のような、地上から距離がある場所の洗浄はなかなか難しいようです。(ちゃんとやるなら足場を組む必要がある)
高圧洗浄機といっても当然ですが距離が遠いと水圧が落ちて高圧洗浄ではなく低圧洗浄になってしまうのでハードルが高いようです。
それを緩和するためには、水をできるだけ細くして射出圧力を上げてやればいいわけですが、細くすればするほど洗える面積が狭くなり、洗うのが大変になります。
マンション外構でも、たとえば吹き抜けの向こう側とか、距離がある場所の汚れを落としたいことがありますが、こういうのはかなり苦戦します。
これはエアコン室外機の設置スペース(サービスバルコニーと呼ばれるエリア)なのですが、足を踏み入れることができず、遠くから洗うとこんな感じに。
右下の部分、あえて残してあるのですが、高圧洗浄したライン(軌跡)が線状に残っています。元は薄汚れた感じの苔まみれの状態だったのですが、高圧洗浄したところはグレーの地が見えています。
上のほうで所々、小さな苔残りが見えるのはこの部分の高圧洗浄が非常に細い線状の水だったためです。かなり注意してやらないとこんな風に、小島のような汚れエリアが残ってしまうということです。
高圧洗浄して満足するも、常時使う機材でもないため扱いに困る
普段の汚れを落とすだけであれば多少圧が弱くても問題ないかもしれませんが、苔のようなギッチリ付着したものを落とすにはある程度の圧が必要で、ウチのように
・長いこと放置した汚れを落としたい人は同じ高圧洗浄機のなかでも、圧力の強いタイプのモデルを選択すべき
と思いました。
バッテリー駆動タイプのレビューで「落ちる汚れ、落ちない汚れがある」みたいな話を見掛けたら「それ、単にパワー不足で水圧が足りないだけかもよ?」という目で見た方が良いかなと思います。
ただ、、、今回のような作業では本当にいい高圧洗浄機だと思いますが、年中この作業をしているわけでもないんですよね。というか、1年に1回すらやらず、せいぜい5年に1回くらいじゃないだろーか? と。
そうすると置き場所の問題を考えると扱いに困ります。もし家族や知り合いから借りられるのであれば、買うんじゃなくて借りた方がよいかと思います。
うちも実家にドナドナするか、オークションなどで処分するか・・・と考えていて、自宅で長期的、反復的に使っていくことはなさそうだな~と思っています。