ふれふり!

素隠居してお菓子。そして興味がないことは無駄なく。

引ソロ家探し(その27 具体的な物件その2->スルー)

 

国土交通省サイトより

家探しの話の続き。今回が27回目。

 

モゾモゾと活動はしているものの、現状まだ家を買うには至っておらず、、、

 

少し前に20回記念?ということで1軒目の物件を買い逃したー、みたいなことを書きました。

2020free.com

 

今回は2番目に出会った物件です。

こちらも非常に魅力的だったのですが、インドア派の自分が住むのにはちょっと・・・という感じの物件で即決できませんでした。

状態はイマイチな感もあったのですが、とにかく安かったので自分が内見した数日後にはすぐに売れてしまったようです。

 

駅徒歩10分75㎡5F中南3LDK築40年1300万円(㎡単価17万円)500世帯

タイトルの通りの中古マンション、、、というか団地といったほうがしっくりくる感じの建物です。(一応、8階建でエレベーターもあるのでマンションという呼称で話を続けます)

築40年なので建設時期的にオートロックや宅配ロッカーなどはなく、廊下は開放、階段での出入りも自由みたいな感じの開放的な建物です。(ベランダのある南側には高い建物がなく、芝生広場もあって開放的な雰囲気)

更新済みの比較的新しいエレベーターはついているし、掲示板のメンテや庭木の管理もちゃんとされているし、各戸の玄関扉が交換されていたりして、古さはあれどもボロさはまったく感じませんでした。

自分としてはこれくらいの開放感は好印象です。

 

この物件は不動産価格がやたら上がってしまった現在となってはお手頃だったのと、世帯数が多い割に過去に中古が出た事例が非常に少なく(不人気な1/2Fあたりの低層がポツポツ・・・というレベル)、住民の定住意向の強さ(満足度の高さ)を感じ、今回の部屋は貴重っぽいな、という認識はありました。

 

結局今回も買えなかったため、雑談っぽい内容になりますが、この物件の話を事例として(ダラダラと、って感じになってしまいますが)書いていきます。

 

 

安くて立地がいいのは財産であり住みやすさに繋がる・・・

まず良い点からいうと、とにかく安くて立地がいい。

といっても、別に都会の駅前ということではありません。あくまで自分のターゲットとしているエリアのなかでのよい立地、という話。

第20回で紹介した限界駅前マンションと異なり、ちゃんと準急/急行停車駅が最寄りになっており、駅から少々距離はあるものの、そのあいだにはちゃんと整備された駅前通りがあって小売店もそこそこ、食品スーパーやドラッグストアなどすぐそばにあって、トシをとってからも身近なところで日常生活が営めて、生活に困ることはなさそう。

千葉の流山だとか埼玉のレイクタウンといった感じのブイブイ言わせているトカイナカからすればまったくダメダメなのでしょうが、学校や郵便局といった公共施設もあって、道路網がキレイに整備されているせいか町並みは非常に近代的な印象でした。

 

というわけで、客観的には(たとえば投資家という立場であれば)即決で買ってもいいというレベルの物件だったと思います。

こういう観点からの詳しい評価は後述します。

 

居住者のコミュニティが良さげ

これは管理組合について少し触れたときにも書きましたが、居住者の人間関係はよくわからない(評価が難しい)ところです。

ただ、前の居住者からの聞き取りでは

・非常におおらかで良い人間関係ができているコミュニティ

・良い人ばかりが住んでいる

という絶賛のコメントがありました(売主は子供が大きくなって広さが足りずやむなく戸建に転出)

また、不動産会社からも

・この規模の管理組合でありながら滞納者がほぼいない民度?の高さ

・管理組合が組織として非常にしっかりしている

・技術系の引退居住者が施設管理、修繕等で知識や技能を提供して無駄の少ない管理ができている

といった情報を得ました。

よく言われる「マンションは管理で買え」でいうなら、たぶん即買いなマンションであろうと思われます。

 

築40年、すべてが頑丈

内見に行ってきたのですが、さすがに築40年も経つと丁寧に使っていてもかなり内装はボロボロになっていました。

ただ、すごいなと思ったのは前の居住者が設備を一度も交換してないってことですね。たいがい40年も経過すれば何かしら壊れそうなものですが、風呂もトイレも、ガス給湯器もたった1度も交換しないで生活してきたそうです。

 

たとえばガスのスイッチは金属製の物理スイッチで液晶表示などのない(赤/青みたいなペンキでスイッチの位置表示をする)年季を感じさせるものだったし、風呂場は真四角で角がストンと落ちた、まったく丸みのない昭和の浴槽でした。

(公団っぽい感じの建物なので、いわゆるユニットバスではなくて現場施工したやつなのかもしれない)

 

 

リフォームが大変そう

いかに頑丈だったとはいえさすがに40年経過すればそろそろあちこち壊れそうで、壊れた場合の設備更新が(元の設備が古いので)なかなか難儀しそうです。

まぁ住宅本体が安ければ、そのぶんをリフォーム代に回せるのでアリっちゃアリなんですが・・・正直、ここまで「すべてが古い」と、リフォームではなくリノベーションをするのが良いのでは?って印象を受けました。

 

ちょっと狭いのが難点

自分の希望としては、現在の70㎡から3割アップの90㎡以上のマンションに引っ越したい、できれば8畳間か10畳間くらいの広めの部屋が一つ欲しい、みたいな考えを持っていたため、自分が住みたい家のイメージとはちょっと合わないかなと。

 

2020free.com

 

後者はリノベーションで間取り変更をすればなんとかなりそうですが、全体の広さはいかんともしがたいです。

 

バリアフルーな建物構造の解消が難しい件と不動産屋のお仕事の範囲

この時期のマンションは、配管がコンクリートの中に埋め込まれている例が多いらしく、リノベーションをするには難儀することが多いようです。

たとえばこんな事例です。

sumai-step.com

 

今回の物件でも

・廊下の下に水道管などが(おそらく)コンクリート埋め込みで敷設されている

・そのため廊下がかさ高になり、各居室との段差解消が難しい(バリアフリーにできない)

という問題がありました。

 

Q.じゃあこれ、どうしたらバリアフリーにできるのか。

A.不明。わからない。

 

このあたりの情報は売主はもちろん、不動産仲介業者に聞いてもわからなかったりします。まぁ建設事業者じゃないし、リノベ事業者でもないのでしょうがないといえばそうなんですが・・・

 

そもそも不動産仲介業者はこうした配管に限らず、設備関係について知らない、というか、もっと有り体にいえば「まったく興味、関心がない」のでホントほとんど何も知らないんですよね。

これはまったく想定外で、物件について聞けば何でも答えてくれると当初は思っていたのに、大間違いでした。

(売却依頼を受けると最初に査定作業をするらしいのですが、近隣の取引単価などをベースに物件の査定額を出すのが基本で、設備の状態は「室内大変丁寧にお使いです」的な状態でプラス50万するとか、100万するとか、そういうザックリした評価らしい)

 

不動産業者は「ご縁ですから」「新生活のサポートを」みたいなことを言いますが、ほんとうは住んでいる(これから住む)人の実生活にはあまり関心がなく、生活コーディネーターというよりは「不動産という現物資産の売買仲介」をしているだけって感じですね。

(別に怒っているわけではないけど、ペットの件もそうですが、もう少し住む人のことを考えた情報を把握しておいてほしいって感じはする)

 

というわけで、古い物件を買ってリノベするなら物件の古さ(40年前という建築時期)はリスクだし、制約になるかもしれないよね、という話になります。

 

ちなみにこの床下の配管の件、各居室の床をかさ上げすればバリアフリーにできるみたいです。(ただ、各居室の天井が低くなってちょっと悲しい感じが・・・)

 

 

続いてちょっと別の観点から見てみます。

 

維持費の安い運用資産

この1300万円の物件は立地が良いため、ある程度のリフォーム前提ですが9~10万円/月で貸し出すことができそうな感じです(周辺の賃貸価格から勝手に推測)。

おまけに、このマンションは管理会社不在の自主管理のため、管理費が5千円くらい、修繕積立金とあわせても2万円に満たないというローコストな維持費になっています。

建物が古く経年減価補正が進み、そもそも建築当時の価格(評価額)も低かったため、固定資産税もかなり低廉になっています。

そう考えると非常に維持コストが低く「安定した賃貸事業のベース物件」として非常に魅力的な条件だと思いました。

たとえば、前回書いた2300万の物件でここの1.7~1.8倍の賃料(2300/1300≒1.76)を取れるかというと、不可能です。

 

資産価値が落ちず、上がる可能性すら

元値が安いことで、今後この物件の中古売買価格がさらに下がっていくということもなさそうです。

また、500世帯もあり、築40年ということで将来的には建て替えも想定されます。

(他の物件の事例から推測すると)UR系が築50~60年程度での建て替えを考えているフシがあるので、今買えば購入後10年ないし20年くらいで建て替えが行われ、最新の新築マンションが手に入る可能性もあります。

500世帯の団地づくりで40年前の建設なので、容積率・建ぺい率に余裕があるつくりになっており、建て替えの際の持ち出しも少なくなりそうです。

そうなると、中古の価格も下がるどころか(建て替え狙いで)上がっていくことすら想定できます。

そういう意味では、下がる可能性が低く、上がる可能性だけがあるという「極めて負けづらい投資」と考えることができそう、というのが自分の持った印象です。

 

将来の話なのでどうなるかわからないし、すべては妄想に過ぎないかもしれませんが・・・

 

買え(わ)なかった経緯

以上のような感じで、物件に魅力があるのは確かだったのですが

・自分が住むのには部屋のサイズ、スペック的にちょっと不満がある

・賃貸事業をやる気力がない

という理由でスルーするかたちになりました。

 

賃貸事業をやる気力がないというのは、より正確には

・自分の家を探しているのに賃貸用の家まで面倒見てられない

・仮に今はやれても10年後に続けていられる自信がない

という感じです。

これがもし、自分があと10年若ければ手を出していたと思います。

 

面倒を見るというのは、この物件探しが始まった当初のモチベーションである

・DIYでリノベorリフォームした家に住みたい

みたいなことは未だベースにあって、自宅に自分で手を入れる(つもりな)のに賃貸物件のほうまで面倒みられないよ、ということです。

 

さすがに年齢がいくと、体力がないのに山に登ったり、怖いのが苦手なのにお化け屋敷に行ったり、、、みたいなことは避ける判断ができる程度には、自分のことを理解できるようになってきます。

 

というわけで、今回の物件については第20回で書いた物件とは違って「買い逃したキーッ悔しい! 失敗したぁ~(涙)」的な感情は起きなくて「あー売れてしまったかー、買った人どうするんだろう(住むのか貸すのか)」みたいな感想を抱きました。

 

というわけで、いろんな物件があるなぁということで、次の物件にいくことにします。

 

(ちなみにこの物件もそうですが、かなり長い時間、多数の資料を見た上で厳選したものだけピックアップして内見に行っています。じゃんじゃん内見すべし、見れば見るほど血肉になる、10件くらいは見ないとね、みたいな考えもあるようですが自分の場合は外出自体をしたくないのよね・・・。そういう意味では自分的にはこれも全体からすると上位1%くらいの上澄みの、選ばれし物件の一つです。)