家探しの話の続き。今回が4回目。
前回まで
・一人だけど家の中で色々やりたいので広い家に住みたい
・家の中で快適に過ごしたいけど、好きに加工するには所有するしかない
・戸建は能力的に難しいのでマンションにするが新築を買うのは無理なので中古
・マンションはとにかく暖かいのがイイ
みたいな自分の考えを書いてきました。
今回はマンションのイマイチなところをアレコレ考えて整理していきたいと思います。
ちなみに前回書いたイマイチなところはこんな感じ。
・修繕積立金や管理費など毎月のランニングコストがかかる
・どこまでいっても集合住宅なので周りの騒音などが聞こえる
・逆に楽器を演奏したり歌ったりと騒音を発生させることができない(苦情が来る)
・マンションごとに独自ルールがある(ペット禁止、タバコ禁止など)
・管理組合理事などの役職仕事が生じる
自分としては一番気になる騒音の話からです。
分譲マンションの騒音の現状
賃貸用と違って分譲マンションは構造がしっかりしており建物そのものの防音(遮音)性能も高いのですが、それでも結局は集合住宅なので騒音はあります。
隣、上、下、それにベランダからも。
よく言われる子供の走り回る音のほか、いろんな音が聞こえてきます。
いま自分が住んでいるところ(分譲用建物に賃貸入居)だと、
・テレビの音や話し声はほぼ聞こえない
のですが、夜になって
・謎のゴロゴロ音
や
・重いものを動かすようなゴトッという音
が結構します。
ゴロゴロする音は建物を縦に貫くパイプスペース(配管を通す空間)を通じて響いているらしく、上なのか下なのか、発生源がまったくわかりません。
また、ベランダなどに設置されたエアコンの室外機も、各家庭が一斉に使うとコーラスのように低音の振動音が響いてきて(戸数が多いだけに)かなりやっかいです。中には古いエアコンをブルブルさせながらずっと使っている人もいるんですよね。
・・・っと思ったらうちのエアコンも30年モノだった・・・
ちなみに
・居住者の年齢が一定年齢(40代?)以上中心になると、年齢的に小さな子供はおらず走り回る足音は発生しなくなる
みたいな傾向もあります。自分が今住んでいるところもここ10年でだいぶ子供が減って静かになってきました。(人口バランス的には問題ありまくりなんですが)
なので、集合住宅で「築何年の中古」みたいなのを考えるときに
・音の問題まで条件にすると、単に新しいからイイ、古いからイマイチ、というだけでは割り切れない
面もあります(≒新しい物件は若い世代が入ってきて子供が駆け回る可能性が高くなる、みたいな話。)
こうした騒音は実際住んでみないとわからないところがあるのがやっかいです。
立地による騒音の違い
もちろんマンション内の騒音のほか、付近を通る車や電車、踏切の音などもあります。そういう外的な環境は事前にわかるのである程度避けられるのですが、
・騒音の少ないところは駅や道路から遠い
ことが多いので、生活するには非常に不便なことが多いんですよね(今、自分が入居している場所もそんな感じ。)
正直、若くて健康なうちは周囲の不便さなんてたいした問題ではないと思うのですが、将来、足腰が弱ったときに不便なところでちゃんと生活ができるのか考えると・・・
なので、絶対的にどちらがいいとは言い切れないのが難しいところ。自分でどちらかを選択する(どちらかを諦める)しかない感じですね。
マンションそのものの防音性能
一方、これらの騒音に対抗する手段として存在する「建物そのもののが持つ防音能力」ですが、それがどれくらいか?も、やはり住んでみないとなかなかわからないようです。
一応対策というわけではないですが、分譲時のパンフレットなどのデータを入手できれば、どのような構造になっているのかわかるので多少参考になります。
あれ? こういうのがあるなら防音性能もわかるのでは?という感じもするのですが、この事例にあるような断熱材「発泡ウレタン吹付」も経年で劣化して能力が低下するようなので、果たして築20年、30年と経ったときに想定しているほどの性能が発揮できるのか・・・ということです。(あとは壁よりも影響の大きい窓のサイズや規格、設置方角や数なども)
騒音って、賃貸の場合は引っ越せば済みますが、買ってしまうとなかなかそうもいかないのが本当に難しいところだなと感じます。
新しいマンションは騒音がひどい?
騒音の話の最後に、一般的にどうなのかを。
自分が把握・想定していないトラブルがないかどうか、客観的というか一般的な状況を把握したいと思って公的機関のサイトを調べたところ
国土交通省 平成30年度マンション総合調査結果(平成31年4月26日公表)
というものが公表されていました。
その中にマンション生活のトラブルに関する項目があり、居住者間では生活音のトラブルが最も大きな問題との結果が出ています。
この調査結果全体を見ると「わかるわ・・・」という感じのものなのですが、気になったのは青で囲ったところで、
・完成年次が「平成27年以降」などの比較的新しいマンションで生活音トラブルの割合が極めて高くなっている
ことです。
新しいマンションは騒音を気にする購入者も増え、それに対応するように作る方も二重床にするなど技術的な進歩もあって、新しい建物ほど騒音は減っているのではないのか?と思ったのですが・・・
うーん、どうしてだろう。
この調査では原因の分析までは行われていないので不明ですが、
・資材の高騰とそれに伴うコスト削減で直近の建物は壁や床がショボくなっている
・最近の入居者は共同生活に慣れておらず騒音への許容度が低い
みたいなことが考えられるかな?と思いました(根拠なし)
不動産屋の人も「最近の新築は価格が上がっているのに反比例するように設備がショボくなっている」みたいなことを言っていましたが、ここでいう設備というのが扉の素材やキッチン設備のグレードといった意味ではなく、あとから改善するのが難しい構造そのもののショボさだとするとちょっとどうなの?という感じがします。
(ちなみに、吹付断熱あたりはリノベーションレベルのことをすれば改善が可能だけどかなりのコストがかかり、窓ガラスは共有部扱いなので直接の改善は難しい)
あと、501戸以上など戸数が多いマンションほど生活音トラブルが多いという結果も出ていますが、こっちはまぁ人がたくさん集まればそれだけトラブルも増えるわけで、当然そうなるよね、という感じでよくわかります。
なお、上の引用ページは管理組合を対象とした調査の中にあった項目なので、管理組合に持ち込まれていない(居住者が我慢している)騒音問題はもっとたくさんあると考えたほうがよいと思います。
もちろん騒音以外の項目でも管理組合の把握していないものは多いのでしょうが、違法駐車やペット飼育といった明らかに白黒のつくものと異なり、騒音はグレーの部分が多いため(皆ある程度は我慢すべきと認識しているため)管理組合が把握できていない例は極めて多いんじゃなかろうか、と思うんですよね。
※同時に居住者を対象とした調査も行われているのですが、そちらの調査項目にはこうしたトラブルはないようでした。
管理組合理事はやってもいいかも?
管理組合理事の仕事は自治会の役員などと同じで輪番で回ってくることが多いようです。
家族がいて誰かが引き受けられるのであればよいのですが、一人暮らしの場合、勤め人で時間の制約が多かったり、仕事が忙しく自由時間が極めて少ないといった人には非常に高負荷に感じられるようです。
例えば貴重な休みに旅行に行こうと思ってもこの仕事が入ってくるからなかなか先の計画を立てられない、みたいな話も聞いたことがあります。(逆に無視して「そんなのかんけーねー!」と旅行に行ってしまう、という人もいるらしい)
自分もずっと避けたいなと思っていて、これが分譲マンションの購入に抵抗があった大きな理由の一つなのですが、勤めに出なくなってから時間の自由もきくようになり、最近は社会との接点の一つとしてこういう会合に加わるのも悪くないかなと思い始めています。(トシのせいかな?)
なお、一部のマンションでは
・アレコレ理由をつけて理事を回避しようとする
・第3者に賃貸している(本人は遠距離に居住している)ため現実的に理事の仕事ができない
といった区分所有者が増えて、あまりに理事のなり手がなく管理組合自体が運営できなくなってしまいそうで困っている、という例もあるようです。
これも先ほどと同じ調査ですが・・・
こちらは居住者向けの調査項目で、いま管理組合をやっていない人に対して引き受けますか?と聞いています。
だいたいの人は輪番でやむなく引き受けるつもりはあるようです。
80歳以上の人が引き受けないのは、、、どうなんだろう。年齢を理由に拒否するのはどうなのかという一方、共有物であるマンションの管理に関与するという役割なわけで周囲の居住者も引き受けてもらいたいと思うかどうか・・・
ペット、たばこ規制は問題ナシ
犬や猫を飼うつもりはないし、たばこは吸わないので禁止されていても自分は問題ないというか、むしろ異臭がなくてよいかなという感じです。
ただ、禁止されているのに隠れて飼っていたり吸っていたりという人はいるみたいで、こういうのも民度だったりするんですよね。(そして価格の安いマンションってそういう居住者の民度みたいな、評価のしようがないところでイマイチな傾向があったりする・・・)
マンションのイマイチなところは自分にとってさほど問題ではない・・・ような?
上の通り、いろいろ気になるところはあるものの、どうにもならないリスクというのは自分の場合は騒音の問題だけかなぁ・・・と。
騒音問題は、
・購入前に数日お試しで住んでみる
ということができれば確かめられそうですが、そういうサービスをやっている不動産屋は見あたりませんでした。(中古の場合は売主が現に居住中の場合もあるので、もとより希望薄ですが・・・)
まぁ戸建の場合でも
「少し離れたところに幹線道路が通ったら車の流れが変わって、自宅前の往来が多くなって勘弁してよ~ってくらい騒々しくなった」
みたいなことはあるので、運という面もあるかもしれません(実家がまさにコレだった)
一応、大きな道路は地元の役所に行くと都市計画図みたいな名前で道路の将来構想みたいなのが図示されている(載っているものが優先で、載っていない大きな道路が突然できるということはない)ので要チェックなのですが、道路ができたあとの周辺の往来の変化まではわからないんですよね。
ちなみに道路は24時間通行可能なので、基本的に深夜は運行しない鉄道より(騒音という面では)タチが悪い、という指摘もあります。
というわけで、グダグダ書いてきましたが
・騒音は運だね
みたいなアホっぽい結論になりました。
とはいえ、
・どこまでいっても運が悪ければヒドい目にあう可能性もある覚悟をしたうえで決める
という点は心にとどめておく必要があると確認できたので、まぁ良いかなと。
ちょっと長くなってしまったので、今回触れなかったゼニカネの問題、つまり修繕積立金と管理費については次回にでも。