家探しの話の続き。今回が46回目。
家が決まったので、あとはどうやって引っ越ししていくか、みたいな話がしばらく続きます。
前回、引っ越し業者の比較見積サイトを使ったけど、なんか今ひとつフィットしなかったなーという話を書きました。
引っ越し作業はなかなか条件(荷物の数、場所等)を画一的に示す方法がないので、
・「同じ条件で並べるからこそ価値のある比較サイト」って引っ越し契約との相性が悪いんじゃね?
・つまり、自動車保険みたいにネットの比較サイトだけで業者選びをするのは無理があるのでは?
という結論になりました。
というわけでその後、どうやって引越業者を決めたのか? というのが今回のお話。
サカイ1者見積とその選択理由
結局どうしたかというと、前回冒頭で少し書いたとおり不動産仲介業者からオススメとされていたサカイにダイレクトに見積依頼しました。
サカイの特徴は業界最大手である等、外形的に知られているもののほか
・積み切り契約は行っていない(営業担当より聞き取り)
・後日のレビューの善し悪しで現場担当者にボーナス付与があるので当日の対応は良い(口コミ情報)
というもの。
口コミを見る限り、費用はそこそこである(最安ではない)ものの、引っ越し作業そのものへの評判は悪くないようです。
ただし、営業が強引なことはあるようで、
・押しの強い営業が苦手な人からは低評価されている
のと
・エアコンの付け外しの外注工事ではトラブル事例(というか客側の不満?)が散見
されました。(後述)
他にも・・・いや、それくらいか。正直、引っ越し業界に詳しいわけではないのでよくわかりません。
よくわかりませんが、とりあえず業界トップだし上場企業だし、そんなに変なことにはならないだろう、、、ということで営業担当者の訪問を受けることにしました。
※ちなみに、ですが引っ越しの多い人は平時から荷物を少なくしているし、荷物の多い人はそんなにひんぱんに引っ越しをしないので、なかなか「荷物が多い状態での引っ越し経験が豊富な人」って世の中にいないんですよね。つまり、「荷物が多い状態での引っ越し」について、回数こなして経験豊富な状態で多数の業者について比較&評価ができているような、信頼度の高い参考事例が見つけられませんでした。
ちなみに「不動産業者のオススメ」をある程度信じたのは
・その不動産会社が提携していたのは別の大手引越業者Aだった(ズブズブで割引制度もある)
・しかし担当者の過去の取引で、購入後の引っ越しで(見積合わせをしたのちに値段で)サカイを選択するお客が多かった
といった情報を提供してもらったためです。(さすがにサカイからキックバックはもらっていないだろうという判断)
最初、そのA社のズブズブ割が4割引ということなので悪くないかも・・・と思ったのですが、カラー印刷されたパンフレットに堂々と4割引って書いちゃうのって、元の値段は何なんだ?という感じになってきてちょっと疑惑が生じるんですよね。
(さらに言うなら、同社の客の多くが値段でサカイを選択しているということは、サカイはさらに割引しているということになる)
あとは、もしサカイがどうにもイマイチだったら一括見積の応答のあった会社からいくつか選んで、そこにも見てもらえばいいかな、というくらいのスタンスでした。
(そういう姿勢で臨むことができたのは、引っ越し日程の一ヶ月前というかなり早い時期に見積依頼をしたおかげです。)
だいたい8~10万円くらいの予算(後述)で考えていたのですが、果たしてどうなったでしょうか。
営業担当者の見立てと価格交渉のやりとり
ネットで申し込んだところ、折り返し電話がありました。その電話で現地調査の日程調整をし、当日は地域の営業担当者(男性)がひとりで訪問。
室内を見て回ったあと、その場で見積書を作成してくれました。
あらかじめ自分で主要な運搬物のリストを作っておいて渡したのですが、それにはあまり興味は持ってもらえなかったようです。(ただ補完的にチェックはしていて、何点か「コレは何ですか?」的な確認はあった)
その日のやりとりはこんな感じ。(言い回しを中心に、テキトウに脚色しています)
営:今回の見積は、定価だと25万円強ですが、○○不動産さんのご紹介ということですので3割引にして18万円になります。エアコンの付け外しは専門の業者による作業なので、1台あたり1万円ほど別料金で追加になります。
た:えぇ・・・?(言葉に詰まる・・・)
というわけで、あまりの金額に一瞬もうその場で帰ってもらおうかと思ったのですが、せっかくなので少し話をしてみます。
営:他社の見積などを取られてますか?
た:えぇ、一応一括見積サイトで何社か応答がありました。
営:今日決めていただければ、・・・12万くらいまで値引きすることができます。
た:12万ですか・・・(最初の25万って何なんだ?)
営:他の会社さんはいくらくらいなんでしょうか?
た:一番安いところで2万8千円くらいですね。
営:いや、さすがにそれは・・・もしその業者でできるなら、そこにやってもらったほうがいいと思います。
た:ただ、そこは積み切りって書いてあったので、全部積めるかどうかちゃんと確認しないとなんですよね。サカイさんは積み切りコースだともっと安くなるんですか?
営:うちは積み切りというコース自体をやっていないんです。以前はやっていたこともあるのですが、運びきれなくて困るという事態がかなり発生して問題になって、積みきり自体をやめました。
た:それでこうやって現地調査からってことですか・・・
営:その通りです。
た:うーん、、、
(・・・しばらく沈黙・・・)
営:いくらくらいであれば今日決めていただけますか? 上にかけあってみてOKが出ればもう少し下げることは可能かもしれません。
た:うーん、、、そうですね、コミコミで10万以下、イメージ的には8万円プラスマイナス2万円くらいで考えていました。
営:ですか・・・(パソコンをいじり)税抜きで9万円で、エアコン別になってしまいますが、それで決めていただけるなら・・・上に相談してOKが出ればという前提になってしまいますが、いかがでしょうか。
た:エアコン別で、税込み9万9千円ってことですか・・・
営:ですね。あとできるのは、段ボールが通常50個まで無料になっているのですが、追加で50個、合計100個とさせていただくことは可能です。
・・・とざっくりこんな感じの話をしました。
もちろん大物家具のチェックや説明などのやりとり、営業担当者の会社との相談電話(本当にしていたのかフリだったのかは不明)などもあり、上記の問答などを含めてトータルで2時間ちょっとかかったかと思います。
まぁ~正直、結構疲れました。
自分は引きこもりと言っても事務的な話は大丈夫なタイプ(なんだそりゃ?)なのですが、コミュクソ?なのでいわゆる駆け引きとか雑談的なものって苦手なんですよね。(交渉ごとなのでがんばりたいという意思はあるんだけど能力がない・・・)
そんな自分にしては良くがんばったかなと思います(低いハードル・・・)
かなり迷ったのですが、エアコンの付け外しは自分で行うこととして、ギリギリ許容範囲内と判断してこの内容で依頼することにしました。
(ちなみに、事前に「営業担当者は初回訪問で契約をゲットすると査定がアップする仕組み」との情報を把握していたので、しきりに「今日決めて欲しい」と言っているのを聞いて可笑しくなって笑いそうになりました)
引っ越し費用のイメージをどう持ったか
何事もそうですが、ある程度事前に情報を得て自分でイメージや基準を持っておかないと、自分で決めているつもりでも実は言われるままの選択をしていたり(誘導されている)、与えられたものの中から「アレかコレかを選ぶだけ」になってしまいます。(選ぶにしてもアナログ的に幅を持たせて調整ができるかという話で、これは人生そのものにも通じる話)
というわけで、上で「ギリギリ許容範囲内」と書きましたが、それをどうやって決めたかを書いておきます。
これは事前にネットで
・引っ越しに関する基礎知識(キャンセル、補償、業界ルールなど)
を得た上で、それをもとに
・実際に引っ越しをした人たちの口コミ(金額や会社ごとの評判など)
を調べて、8万円という金額をイメージとして持ちました。
かなりアバウトですが、ほかに方法が思いつかなかったのと、雑な情報も数が集まるとある程度フォーカスが合ってくるものです。
口コミ情報というのは非常に断片的ですが、
・公式に出ているタテマエ情報と異なりリアルな現実の話
であり、自分は結構信頼しています(タテマエ情報より読んでてオモシロい、というエンタメ要素的な意味合いもある)。
もちろんウソやデタラメも多数混在しているのでしょうが、自分のほうに基礎知識があれば、口コミの信頼度をある程度ははかることができます。(口コミ内容は批判的なものも多いですが、それが当人の誤認なのか、例外的なものなのか、会社の体質なのか等の推測ができる)
どんな口コミを参考にしてどのような情報を得たか
自分はひとり身ですが荷物量が圧倒的に多いので、参考にしたのはひとり暮らしではなく4人家族とか、それ以上の世帯人数の引っ越し結果です。(ひとり暮らしの引っ越しについては一切見ていません)
あちこち見たので逐一メモはしてませんが、価格はだいたい5万円~20万円超くらい。
ずいぶん幅があるなと思われるかもしれませんが、そのうち高額な額を書いている人は梱包開梱までお願いする「お任せ便」的なものだったり、福岡から東北みたいな長距離の運搬だったり、繁忙期だったり。(もちろん時間の自由がきかない人や、梱包が苦手な人はそういうのもアリだと思う)
見ていて一つわかったのは、どうやら
・金額にもっとも影響が大きいのは、繁忙期か閑散期かという違い
だということ。
考えてみればトラックも人も繁忙期だからと急に増やすわけにもいかないので、繁忙期が高くなるのは当たり前のことです。
その時期、客は大量にいるので値引きなどに応じなくても、あるいは割高に設定しても、いくらでも契約ができるわけです。
今回の自分の例でいえば、定価25万円と出しているわけなので、繁忙期であれば本当にその値段で契約ができるのでしょう。(もしかしたら繁忙期の割増設定で、さらに高い値段を出しているかもしれない)
逆に閑散期であれば、受注がなくて人や車を遊ばせておくよりは、安くても動かした方がいいと判断して、割安な契約ができる、ということになります。(会社の立場からすれば、赤字でもゼロよりはずっとマシ)
とりあえず、今回は夏~秋の閑散期なので高い額の事例は頭から切り離します。
逆にやたら安い口コミについては正直理由がよくわからず、これホントかな~?と思うところもありました。
交渉がうまい人なのかもしれないですが、自分はたぶんかなり下手な方なので同じようにはできないだろう、と判断して最安値近辺も除外しました。
そうしていくと、うちのような
・移動距離数キロみたいな短距離で、4~6人家族くらいの荷物量で、作業内容も運搬だけというのはざっくり6~8万円くらいであろう
という感じの推測がたちます。
加えて、定量的なものがなく抽象的で感覚的なものではありますが
・口コミ時点から年数が経って人件費がアップしている(昨今の値上がりは前提として了解)
という点を考慮のうえ、
・業者の信頼度(評判、規模、地元かどうか、前回の引越業者の評価)
を判断材料にする(反映させる)ため、幅を持たせるかたちで8万プラスマイナス2万円というイメージを固め、それを頭に入れてから見積にのぞみました。
費用に関する迷いは尽きないが、得たものと比べると納得感はあり
一つの基準として、16年ほど前に行った前回の引っ越しも考慮しました。
同じように短距離で価格は4万円弱だったのですが、そのときは冷蔵庫や洗濯機といった大物はなく、昼過ぎスタートで半日で終わりました。(そのときは2トン車ロング積みきり契約)
そのときに比べると荷物が数倍に増えているので、金額的にも倍以上になってもしかたないかな、というのもありました。
なので、そういう観点からも10万円という金額は妥当なところかなと、そういう見方もしていました。
ただ、正直いうと「他社の見積を得たうえで各社お互いに戦ってもらえば実際は8万円くらいまでイケたかな?」という感じもしていて、この契約をした後も多少後ろ髪を引かれるところはあったんですよね。
上で「契約をした」と書きましたが、引っ越しの数日前までならキャンセルして他社に変更することも可能なので、他社の見積を取ろうかと頭をよぎったこともありました。(これは時間と気力がなくてできなかった)
が、実際に当日になって1日の作業を見ていたところ、じゅうぶんに10万円に見合う価値のある仕事をしてもらったと感じられ、値切る必要性より満足度が上回りました。(結果論ですが)
次回は見積書の中身を見ていきます。