10年近く使用しているIDEAインターナショナル(現社名:BRUNO)のハンディシーラーが数年前に壊れ、そのまま騙しだまし使っていたのですが、ついに大破したので修理しました。
ハンディシーラーというのは、ジップロックみたいな密閉する袋にバルブがついていて、そこから中の空気を抜いて、酸化を抑制するというものです。(酸化「防止」と謳っているセールスを見かけますが、防止は無理でせいぜい酸化を遅らせる、抑制くらいだと思う)
商品としてのモノはこんなやつで、電池/ACの2電源、専用袋のほか、ナベなどに使えるフタもあって色々使える、みたいな感じのやつ。(ただ、フタのほうは効果がよく見えないのでアヤシイと思っていて実用していない。たぶん、真空≒低気圧という概念をよく理解できていないからだと思うけど・・・)
紹介記事はこんなのがありました。まだ発売から10年たってないんですね。
類似商品でほかにサランラップみたいな感じの専用ビニルシートを熱で圧着して密閉する(その場で袋を製造する感じ=使い捨てスタイルの)タイプの製品もあるようですが、今回のシーラーはジップロック的な感じの再利用可能な専用袋を使うタイプです。
空気を抜くため専用の小型掃除機みたいなのがついていて、今回はそれが破損しました。
なおこの品、社名も変わり、公式サイトに情報もないためもう流通在庫の処分とか中古でしか手に入らないようです。
自分としては袋に厚みがあるなどの理由でそこそこ気に入って使っているのですが、比較したことはないので競合品と比べて優れているかどうかはわかりません。(まぁ販売終了という事実でお察し・・・)
シーラー一般に関しても同様、すばらしいと言うつもりはないのですが、ただ、酸化云々だけでなく、空気を抜くと袋がピチピチになるので、冷凍庫の収納スペースが不足気味の人には、それだけでも価値はあるかと思います。
ネックの部分がゴムで、最初に割れが入り、そのうちポロッと取れる
先端についている吸引ノズル部がちょうど掃除機のホースのような短い蛇腹で本体と接続されています。
蛇腹全体がゴムっぽい素材でできているため、経年劣化で割れが生じて、最後にはポキッと取れてしまいました。
お椀状に広がった感じになってる先端ノズル部が、細いゴム蛇腹で本体とくっついているわけで、この細いところに結構な圧が集中して破損しやすいのでは?と思います。
というのも、断面を見ると結構キレイなんですよね。ゴムの素材そのものの組織が劣化し、ズタボロになって粉噴いてる、みたいなヒドい状態には見えません。なので、単純にゴムが素材の特性ゆえに劣化&自壊しただけ、というふうには思えないのです。
うちにあった2台とも同じ症状で、ときどき売られている故障品、ジャンク品も同様の症状が記載されているので、たぶん故障の大半はこのパターンの破損だと思います。(古いレビューを見るとモーターの故障で吸引しなくなったとの内容もみられましたが、うちでは2台ともモーターはまだ動いている)
ウチの場合、1台目はかなり前にポキッと逝ってしまい、2台目はひび割れた状態で数年、かなり(折れないように)神経を使いながら活用していたのですが、今回とうとうポキりました。
長いことがんばってくれたのでそろそろ十分かな?と当初廃棄する予定でしたが、よく考えてみたらモーターなどのメカニカルな故障ではないので、物理的になんか修理できるのでは?と思って(捨てるくらいなら・・・と)試してみることにしました。
蛇腹状態のままの補修は難しそう
もとあった蛇腹部分を補強して、そのまま元のように使えないか考えたのですが、
・もともと(全体からみて)凹んだ位置、ネック形状にあって物理的な負荷が集中しやすい
・素材がゴムなので接着剤がしっかりつかない
ということで、負荷に耐えうる強固な補強が難しそう。
もしかしたら周囲を広めにガッチガチに接着すれば行けるかもしれないけど、そもそもこの元のゴム部分の劣化もあるだろうし、それを再利用する考えでの修理は避けた方がよさそうです。
おそらく(利用者の動かし方が雑で)本体が多少ブレてもバルブとの接触がしっかりできる(吸引できる)ように、ということで柔軟に動くゴムの蛇腹形状が採用されたのだと思いますが、どうにも強度不足感は否めないです。
先端パーツは販売されておらず修理もできない
できればこのパーツは本体と一体化するのではなく、交換可能な部品にしてほしかったところ(掃除機のホースなんかは交換できるようになっていますよね。実際はホースだけの販売がないとか、割高だとかで交換することは少ないようですが・・・)
この透明な先端カバー全体は回して取り外しできるようになっているので、もしかしたらここをまるごと交換するイメージで設計されたのかもしれません。
(ただし、メーカーによると実際にはこのパーツだけの販売は行われず、もとより修理は製品まるごと交換での対応だったとのこと。在庫払底により2025年現在はその交換修理対応も不可だそうです)
要は密閉できればいい
掃除機のように吸引する仕組みなので、要するに袋のバルブ部分から内部の空気を吸い取るのに、隙間がなければよいわけです。
とはいえ、中途半端にモゲてしまった蛇腹や、蛇腹を取り外してプラスチックをむき出しにした状態でバルブとくっつけても、細かな凸凹が隙間となってうまく吸引できなさそう。(バルブとの接続部は、シリコンっぽいパッキンを使っている)
というわけで、この部分を少し平らにしてからゴムのリング状のパッキンなどを取り付けて、袋のバルブ部分と密着するようにしてみればいいのでは? とやってみました。
小さなパッキンと大きなパッキンを購入(いずれもSANEI水道用)
専用パッキンがあるわけでもないので事前にサイズをはかり、ホームセンターで何かないかうろついたところ、水道用のパッキンが蛇腹の代替的な感じで使えそうということで買ってきました。
1つは空気の経路(穴)と同じくらいの小さいヤツ、もう一つは大きいヤツ。
本当はシリコンのほうがよさそうですが、それっぽいものが見あたらなかったのと、仮にあっても接着剤でしっかりつかなそうなのでこれでなんとかやってみたいと思います。
小さい方は弱々過ぎてすぐに取れてしまった
接着剤は手元にあるもののなかで強そうなセメダインスーパーXで接着したのですが、小さい方のパッキンは接着面積が小さすぎたのか、接着剤が乾ききる前に取れてしまい、何度か再取り付けしてみましたがうまく接着できません。
スーパーXの説明では「ゴムはヤスリで研磨してから使うべし」とあったので、その通りにやってみたんですけどね・・・
この小さいパッキン、丸いチューブを丸めたような感じなので、見た目以上に接着面が少なかったのかもしれません(面ではなく線みたいな感じ)
うまく取り付けできればもとのジャバラに近い感じのイメージで復旧できそうだったんですけどね・・・
パッキンなしで、プラスチック同士を直結
しょうがないのでプラ同士をそのままスーパーXで接着しました。
プラなら接着剤の得意とするところ、しっかり固定されます。
こんな感じになりました。右側のがそうです。
左の方は1個目の本体で先端ノズル部分を紛失してしまい、やむなく直接パッキンを貼り付けました。
見た目は普通に使えそうな感じですが、果たして・・・
補修完了するも・・・先端ノズルの広いリングには意味があったみたい
念のため1日放置して接着剤が完全固着したので、実際に使用してみました。
まず、元の先端ノズルをプラ同士直接接着剤で固定したほうですが・・・
おぉ! ちゃんと吸引し、何事もなく使えるようになりました。復活です。
良かった良かった!!
ただ、やはりこのネック部分が凹んで細くなっているので強度に不安は感じます。
既にノズル部の柔軟性は失われているので、また折れてしまう前にガチガチに接着剤で固めてしまおうかな?と考えています。
続いて大きめのパッキンを取り付けた方ですが・・・
・・・こっちはアカンですね。
なぜか2秒くらいで吸引が止まってしまいます。
なんというか、大きいといっても袋側のバルブ部サイズに比べれば相対的に小さく、ピタッと吸引して密着しているんですけど、あまりピッタリ過ぎて吸引しないってことなのかな??
あるいは、バルブ部分の真ん中の、透明な部分だけで吸っているわけではなく、緑の部分も吸引に影響しているのか・・・
あのお椀状に広がった先端部分、単にデザインとか吸引時の操作性だけではなく、実際に吸引能力にも何らか効果のあるものだったようです。
上手く補修されたのはよかったがパッキンが意味なかったのが悲しい・・・
うまく復活して使えるようになったのは良かったです。
しかしこれ、振り返ってみるとパッキンがまったく役に立っておらず
・単にモゲたところを接着剤で取り付けただけ
になってしまいました。
わざわざ採寸してホームセンターに走ったのは一体何だったんだ・・・という感じです。
なおったからいいけど・・・