ネスレのカプセル型エスプレッソメーカー「ネスプレッソU」が故障したので修理をしています。
前回までで修理すべき場所がわかったのですが、、、部品が外れたとか割れたとかではなく、
・プラスチックの凸部分が削れて平らになってしまっている
のでどうやって元に戻したものかな、と。
分解のしかたなどはこのへん。
修理すべき場所の確認
前回分の再掲になりますが、このゾウさんの鼻の先端両脇にある、削れてしまった出っ張り部分をなんとか元に戻し、シーソー部品に引っかかるようにするのが目的です。
ちゃんと出っ張りがあれば、ここ(シーソー部品)にこう引っかかるハズ、の図。
ロクな修理方法が思いつかない・・・ボンクラ脳がツラい!!
直し方を色々考えるものの、、、これだ! という方法は思いつかず。
1.小さなプラスチックの小片を左右に接着剤などで取り付ける
2.針金のようなもので強制的に新しい左右の出っ張りをつくる
3.ネスレに頼んでこのパーツを売ってもらう
くらいですかね、思いついたのは。
飲食物(の製造装置)なので本当は3.のパーツ交換がいいのですが、たぶんネスレは売ってくれないと思うので早々に諦め(メーカーに確認はしてないのでもしかしたら聞けば売ってくれるのかもしれないけど、そういうタイプのメーカーじゃないような気がする・・・)。
1.の小片は、使っているうちに接着剤ごと剥離してコーヒーの中に混ざって出てきて(知らずに)飲み込んでしまう可能性があるのでちょっとヤだなと。
そういう意味では2.の針金作戦はいい感じです。
針金を渡すイメージはこんな感じで、さすがに大きいので流れてきて飲んでしまうことはあるまい、と。
いや絵が下手すぎてますますわからない感が・・・
ただ、金属ってこういう水回りに長期間使っていると錆びる可能性が高いんですよね。
実際、これなんかステンレスと思われるのですが、それでもサビついています。
針金じゃなくて爪楊枝みたいなのでもいいかな?と思ったのですが、それはそれで水に濡れて腐ってきそう・・・
悩んだ末に接着剤を多用してとりあえずの凸部分をつくってみる
結局どうしたかというと、
・接着剤だけで凸部分をつくりあげる
ことにしました。
ホットボンドのかわり、的なイメージです。(コーヒーは高温なのでホットボンドそのものは材料としては避けた)
あくまで見た感じの話ですが、そんなに大きな凸部分でもないんですよね。多少出っ張っている程度でイケるはず。そんなに大きくなければ接着剤だけでも行けるのでは?みたいな想定です。
以前ダイソーで買った充填用接着剤を再び利用しました。
このとき使ったヤツ。
これですね。充填剤として使えるならそれなりの形状保持力はあるので凸部としても使えるだろうと。
10分で硬化するということなので、2液を垂らして横倒しし、重力の力で出っ張りをつくる、という作業を左右で繰り返しました。
こんな仕上がり。
なかなか接着剤の量の調整が難しく、また、元の削られた根元の形状も左右で異なるため、できあがった凸部も左右でだいぶ違う感じになってしまいました。
まぁ不格好でもちゃんと引っかかって役割を果たしてくれればよし。
このように本来引っかかるべき場所にちゃんとかみ合うことができるようになり、とりあえずは大丈夫そう。
ただ、一点不安なことが・・・
触ってみると残念ながらこの接着剤、接着力はともかく乾いてもやや柔らかく、プヨプヨしていて表面の摩擦抵抗も大きい。このように引っかけて持ち上げることはできても、横から凸部がうまくスライドしてスッと入り込んでいくかどうか・・・。
なんというか、
・充填剤としてはいいんだろうけど、プラスチックの凸部の代替としては向いてない
感じがしました。
これからやる人は別の方法をとった方が良いかと。
自分はもうやってしまったため、しょうがないので
・膨らんだ凸部に対して瞬間接着剤でカバーをかかけるようなカタチにして固く(&摩擦抵抗を少なく)する
という作り上げをしました。
また、このままの状態だと凸部が大きくなりすぎてうまく引っかからない(下に潜り込まず上を滑っていく)感じになってしまったため
・カッターで余分な箇所をカットする
・凸部にシリコンスプレーをかけて滑りをよくする
みたいな作業をしました。
シリコンスプレーというのはこういうやつです。
飲食物にこんな工業用品を使うなんて・・・と気になる人は食品用のもあるので、そういうのを選ぶと良いかと。(一応気を遣って凸部以外には付着しないようにマスキング等はしたけど)
そんな感じで仕上げたのがこれです。
最初の状態からどう変化したかというと・・・
このようなかたちで凸部分が修復されたことにより、最終的にはこのようにちゃんと抽出されるようになりました。
汚れも落ちてキレイさっぱり。良い気分でエスプレッソが飲めるように。
手間がかかった割に雑な修理(というか修復?)になってしまったのでやや不安は残りますが、まぁどういう仕組みになっているのか、どこが摩耗するのかってのがわかったので次に同じようなことが起こってもリカバリは簡単にできそうです。
ついでにネスプレッソ本体の比較
今回、修理のかたわら、修復がうまくできなかったら新しいのを買わないとなぁ~などと思いながら新しいのを軽く物色していたのですが、ネスプレッソ本体、色々なモデルがありますね。(知らないうちに新しいフォーマットのカプセルも発売されていた)
「どれも同じ性能」というレビューもみかけますが、確かにポンプそのものの性能は同じスペックになっているものの、使用感はだいぶ違うんですよね。
今回修理した「U」の場合はコンパクトタイプでありながら
・エスプレッソのほか、ルンゴ、リストレット(25ml)の3種類の抽出量が選べる
・カプセルが自動排出される
・カプセル挿入口がスライド式
みたいな点が特徴です。
このうち、スライド式の挿入口というのは結構メリットで、こういう「上に棚のあるスペース」に収納しておいて、そのまま使うことができます。
小型モデルの中にはコンパクトを謳っていながら、カプセルを入れるのにL字にフタを立ち上げる必要があって、実際には上部にかなりのスペースを要するものがあります。
たとえばこの史上最もコンパクトと称するモデル。
開閉レバーというのがフタを兼ねており、立てるとご覧のとおり。
カタログスペックでは高さ205mmほどとコンパクトですが、カプセル部のフタを立ち上げれば高さ250mmほどのUとどちらが全高が大きくなるか、逆転するのでは?みたいな話になります。
大型モデルはフルスペックのようですが、このような小型タイプは多少スペックが落とされている(カプセル排出が手動など)ようです。
まぁそんな感じで、商品ごとに使い勝手には結構な差違があるのと、どうせカプセルが高くて本体の値段はどれを買っても(相対的には=1杯あたりで考えると)安いので、ケチらずにグレードの高い本体を選んだ方がいいのでは? みたいな感じを受けました。
互換カプセルのせいで壊れたわけではなかった
以前互換カプセルを買ったときに
・カプセルのせいで内部に粉をまき散らして壊れる可能性もあるのでは?
みたいなことを書きましたが、今回のような故障箇所だと、あまりカプセルと故障との関係性はなさそうですね。
ただまぁ、あれから飲んでいてもやはり風味という点では純正が勝るので、オススメできるかというと微妙な感じですが・・・(がぶ飲み派にはアリだと思う)