家探しの話の続き。今回が57回目。
前回までで網戸の網を張り替え、続いて枠の歪みも修整してヤレヤレ・・・という感じだったのですが、、、
ようやく終わったと思ってふと仰ぎ見ると、なんか窓枠の上の方に隙間が・・・
またか!? もう勘弁してくれ~もうヤだよ~
と思ったのですが、ここまできたら全部やるしかないので他もチェックしてみます。
すると・・・
あ”ーっ!
上だけじゃなくて下もこんな風に大きな隙間が空いています。
反対側もこう。
前回、室内側から見たときの窓の歪みを直して隙間はなくなった、と判断しました。でも90度、角度を変えて窓に沿うように見ればこのザマ。
人間から見れば窓枠の端の端であるのですが、虫から見ればただ目の前にある大きな隙間に違いありません。
これだけの隙間が空いていたら、やっぱりそこから虫はしっかり入ってきますよね。虫ちゃんは「せっかく此奴は頑張って枠の隙間をなくしたんだから、別の隙間から入るのは遠慮しておいてやろう」なんて甘い考えは持っていないでしょうからね・・・
隙間を埋めるためのゴムが切れたり行方不明だったり・・・
さっそくまた網戸を取り外して、隙間の部分を見てみます。具体的には網戸の四隅。
うーん、なんだろうこれ。
他の場所も確認してみると・・・
こんな感じで、ゴムっぽいのがベロンしてました。
(上の、2枚目の写真なんかはこのゴムパーツ自体が取れてしまって、まるごと隙間になっている)
網戸ののれんと交換用のブツ
網戸の構造の話ですが、どうやら
・枠の四隅は、専用の別パーツで小さな「のれん」のようなものを構成しているらしい
ということがわかりました。
もちろん枠の全体(左右端)にも縦一面、隙間ゴムみたいなのはついているわけですが、そのゴムのさらに上下端については別パーツになっていて、
・ふだんはフタのような役割を果たして隙間を埋めている
・窓枠やガラス窓との接触、行き違いの際に、可動の妨げにならないようにそこだけ「のれん」のような動きをする
みたいな仕組みになっているようです。
そして、前回みたのと同様、やはりゴム部品は金属と違って経年劣化が激しい・・・
どこを見てもこのように、割れ、切れ、剥がれ、ヨレなど劣化のオンパレードでした。
幸い、表面が溶けたり粉を吹くタイプのゴムではないのか、グズグズにはなっていませんでしたが・・・
もはや網戸の交換用ゴムパーツの入手が難しくリペアができない
劣化したゴム、幸いにもパーツの番号が打刻されていたので調べてみたのですが・・・タイトルの通りです。
入手が難しい。モノがもう流通していないのです。
まず現物ですが、いくつかパーツ番号の違うものが使われておりました。一例ですが、これは網戸上部で使われているFB-361Rというゴム製パーツ。
どうも端についているこのゴムの、さらに端の部分がスッパリ切れてしまっているようです。(もとの状態を知らないので本当に切れているのかどうかもよくわからないんですが)
コレはまるごと交換したほうがよいよね、と調べてみると残念ながら17年前に既に廃盤になっていて、もはや入手ができないとのこと。
これだけ凸凹の多い、キメラのように複雑な形状のゴムパーツをどこか別のところがわざわざ製造しているとも思えないので、残念ながら入手は絶望的でしょう。
(オリジナルは新日軽、いまのリクシルの製品のようです)
※小池ガラスさんのサイト画像と見比べると、上の赤丸を付けた部分もちょっと(位置が)違うのかもしれない・・・
それでもまだ個々のゴムパーツに打刻があって、調べることができ、入手が難しいことがハッキリしているだけマシかもしれません・・・
たとえばこれも・・・
一応型番がありますね。
ただこのFB1022はググっても出てこないんですが・・・(というか別の製品が出てきて、それで埋め尽くされてしまっている=売れるとカネになるからそちらが優先される検索エンジン・・・)
流通在庫といえば、網戸の下に取り付けられたこの滑車LC-234Rはまだ在庫があるもよう。
うーん、今のうちに買っておいた方がいいんだろうか・・・そのうち網戸そのものを交換することになるかもしれないので、悩ましいです。
(金属部は大丈夫でも、この丸い車輪の部分が劣化したらどうにもならない)
こうしたゴムパーツがボロボロだと隙間だらけの網戸環境に・・・
こうした劣化の問題点は見た目がボロっちいという話ではなく、これらのゴムパーツは
・隙間を埋めるための緩衝材としての役割
を果たしていて、上の写真のように欠けてしまうと、冒頭写真のように隙間が開きっぱなしの状態になってしまう、ということです。
ということは、これまた前回と同様の話なのですが
・せっかく網を細かいモノに交換したのにほかの隙間から羽虫が出入りし放題
みたいな話になってきて、これはさすがにどうあっても対策をとらなくてはなりません。
というわけで、やってみたのが次の話。
バッカーとパテで穴埋めして幸福になれた
窓枠側、網戸側の両方から、隙間に対して穴埋め作業をしました。
3Dプリンタで似た形状の新しいゴムを作ろうとか、似たようなゴムパーツを探してきてうまく取り付けようとか、そういうのは(だいぶ疲れてしまっていて)もはや考えることもできず、、、小学生の図工でやる、粘土工作のような作業になりました。
使った部品は主に2つで、バッカーという発泡素材と、エアコン用の穴埋めパテです。
いずれもホームセンターで1個200円しないレベルで買えます。
※一部、緩衝材としてエプトシーラーという隙間テープを使いました。こちらは少し高いですが、それでも1m300円程度かと・・・
具体的にはこんな感じ。
こんな感じでまずはバッカーをメインの下地材として(キレイに洗浄したアルミ素材に)貼り付け、その外側にエプトシーラーやエアコンパテで隙間を埋めていく、という極めてシンプルな作業。
結果からいうと、これだけでほぼ全部隙間を埋めることができ、極めて手間対効果の高い作業となりました。
うーん、よくわからないか。並べてみましょう。
左の、ゴムがベロンとなってしまっている部分に大きな隙間があったわけですが、バッカーとエプトシーラーで完全に塞がっています(ほかの窓枠と接触しないようにカッターで多少の凸凹カットはした)
2例目ですが、こちらは網戸ではなく、壁についている窓枠側です。端の排水用隙間の部分があまりに大きな穴だったので「L字型」に少し穴埋めをしました。
網戸側も同じようにバッカー+パテで少し穴埋めをしたところこんな感じで隙間をキッチリ埋めることに成功しました。
上部については元の状態が良くわからなかったので、とりあえず凹んでいる部分をパテで埋めて少し動かして様子を見ました。
使用素材と加工に関する説明
バッカーは「非常に固いスポンジ」という感じで、軽いうえ何かに接触してもほとんど縮みません(ただし、多少のクッション性があり面接触には相性が良いです。かつ素材としては弱いので点や線で強い圧がかかるとそこだけ凹んだり切れ目が入ったりする)。
逆にエアコンパテは柔らかいので何かに接触すると反発することなく凹み、復元力はありません。
(エプトシーラーは凹んで縮み、元に戻るという、また別の性質がある)
この2つ(3つ)の性質の違いをうまく組み合わせて、網戸の隙間を埋めていくというわけです。
今回のこの作業は難易度も低く、全部柔らかい素材なので失敗のリスクが低いのがいいです。
バッカーは厚すぎればカッターで切る、薄すぎればもう1枚貼るなど加工も簡単で、原材料費も安いので気楽にできます。
エアコンのパテは非常に優秀で、太陽光に長期間あたっても劣化が少なくて、この作業に限らず本当に役に立ちます。
ただし、バッカーのほうは表面材として使うように考えられていないので、紫外線や湿気で早期に劣化する可能性があり注意が必要です。
このあたり、自分でメンテするDIYのいいところで、劣化したのを見かけたらそのときにまた自分で交換すればいいんですよね。
これがプロの仕事だと、そんなことはできない(避けなければならない)わけで。彼らは(高額で、かつ適性が低いとしても)長期間破損、劣化しないような素材を選ばざるを得ません。
網よりも枠の方が大事だったよね、という網戸の話の結論
というわけで、当初は網戸の網を張り替える話からのスタートだったわけですが、結局枠の歪みの話に至ってしまい、最後は隙間のゴムをパテで埋める話で終わりました。
全体としてはかな~り細かい調整をコチョコチョやりながらの作業となりました。こういうの面倒くさいなぁ~と思う人には耐えられないかもしれませんが、見ての通り
・経年による素材の傷み、劣化
・使用による物理的な衝撃の積み重ねによる歪み
から
・網だけではなく枠に隙間が発生するなど、網戸としての役割が相当レベルで毀損されている
ということがわかりました。
築古の住宅を買って住む場合は、こういう点は見えづらい問題点として出てくる可能性があります。
根本的な構造上の問題ではないため、自分でなんとかするか、部分的に更新(リフォーム)するかといったことは考えておく必要がありそうです。
(新築で住んでも、経年でこうした劣化が生じていることに気付かないまま暮らしているというパターンもあるかと思いますが)