
リフォームの過程で、「鬼目ナット」というのを使うことになりました。
今回は、前回のお掃除でキレイにした窓枠に鬼目ナットを埋め込んでアルミの柱・・・というか枠? を取り付けます。
目的はというと・・・

こういうのを窓際に固定して、季節によって取り外しできるといいなということで、釘などではなく、取り外しのできる鬼目ナットを使いたいと。
ちなみに鬼目ナットの話は3回目になりまして、鬼目ナットって何?みたいな話とかはこちら。
Amazonで類似品(パチモン)230個入りセット品を入手、試験的に壁内に埋め込む木材に取り付けてみたぞ・・・って話でして、今回はその続きって感じです。
上の記事内でも書いたとおり、製品自体は特に問題なく使えていました。
なので、今回も適した用途だろうと思って作業を始めたのですが・・・
取り付けてたら鬼目ナットが割れた!!
例によって下穴をあけて、M4ネジ用の鬼目ナットを埋め込んでいたところ・・・突然「ピキッ」と音が出て、ナットが割れました。

完全に破損して、一部は素材がモゲて隙間があいた状態になってますね。
角が削れたとかではなく、全体が割れた感じになって構造的に問題が生じそう。
実際、この状態になってしまうと、六角レンチのチカラがナットに伝わらず(回そうとすると割れた部分が開く感じになってしまい)これ以上の埋め込みはできなくなります。
やり直しか・・・
埋め込み途中で割れると、逆回しして引き抜くのも難しい!
最初からやり直しか・・・と思って鬼目ナットを取り外そうと逆回しにしたのですが、取れません。この状態になってしまうと、正逆関係なく、元からある六角穴を利用してナットを回すこと自体ができなくなってしまいます。
うーん、困った。
しかたないので、ネジザウルスで強引に回して引き抜くことにしました。
ネジザウルスはペンチの一種で、ネジの頭を舐めてしまった時などに外側から頭を掴んで強引に回すというシロモノです。

今回はまだ鬼目ナットの頭を完全に埋め込むところまでいってない状態で割れてしまったので、出っ張った部分を掴んで回します。
ちなみにネジザウルスの先端部分はこういう構造になっています。

通常のペンチが横スリットなのに対して、縦にスリットがあるので横回転に強い、ということのようです。(そのぶん、ペンチ頭の全体を均一に使って回す、という作業には向いていないのかもしれない。)
ところが、これで鬼目ナットをつかんで回そうとしたらさらにヒドいことに・・・

つかんだ部分が割れて、ボロボロに崩れました。
コレはヒドい・・・(涙
いやー、冷静に考えてみれば、真ん中が空洞になっている薄い金属を外側からガッシリ掴めば、クシャッと潰れますわな・・・そりゃそうだorz
残った部分がどうなっているかというと・・・

ペンチでつまんでいないので、埋め込まれたまま残っています。
試しにここにネジを回し入れたところ、ちゃんと回って入っていくことが確認できました。
中は壊れていないようです。
この状態で取り外すのは難しそうなので、もうこれはこのまま使うしかなさそう・・・
(最悪、強力な接着剤をつけてネジを差し込み、そのネジごと引き抜くという方法が頭をよぎったけど・・・)
脆弱な鬼目ナットを使うなら下穴は多少ガバめにしないと割れる
実は今回、前回気になっていた
「下穴が大きすぎたのでは?」
「下穴が大きすぎると実質ボンドのチカラだけで固定している感じになってしまうのでは?」
という懸念を解消するため、下穴のサイズを直径5mmに減らしたんですよね(前回は5.5mmだった)。
なので、六角でねじ込みしていても「固いな・・・なかなか入らないな・・・」という実感はありました。
もちろん、しっかり固定されているという実感もあって、このサイズの下穴でよかったじゃんね・・・と思っていました。割れてしまうまでは・・・
ちなみに、最終的にはこんな感じに。

こうして見ると、もしかしたらツバが滅失したことで穴が目立たなくて結果として良かったのかもしれません・・・(無理のある弁明!
ムラコシ純正ならイケたのか?
今回は、前回の記事で書いた「パチモン鬼目ナットの肉厚の薄さ」の懸念が現実のものとなってしまいました。
(再掲)-------------------
どちらもM4なので内径(空洞部分)は同じ4mmとなり、単純計算で金属肉厚が0.75mmと0.5mmというふうに、1.5倍になっています。
ムラコシ 5.5-4.0=1.5mm ->半分の0.75mmが肉厚
パチモン 5.0-4.0=1.0mm ->半分の0.5mmが肉厚
ナットという荷重のかかる金属部品、しかも鬼目ナットという特殊な構造上薄くなってしまう(?)金具でこれくらい違うと、耐久性に大きな差が生じるように思います。
この厚みの違いは自分には結構致命的に思え、今回はパチモンを買ってしまったわけですが、
・次買うなら多少高くてもムラコシだなぁ
というのが実感です。
(再掲終)-------------------
実際はムラコシで試したわけでもないし、そもそもムラコシの肉厚が本当に1.5倍なのかも(現物で確認してないので)定かではないので、
・厚手のムラコシを使っておけば今回の問題は生じなかった
と言えるかどうかはわかりませんが・・・
現状、引き続きパチモンを使っていくにあたっては
・下穴を大きめにあける
ということが対策かなぁと・・・
家具で使われる鬼目ナット事例
今回の作業とは関係ありませんが、家の中で鬼目ナットの使用例を見つけました。
衣替えの季節なので家具を移動させたりしていたのですが、その際に見つけたのがこちら。

これはホームセンターで売られているような、組み立て式のちょっとしたフレーム家具?(ハンガーなどを引っ掛けるのが主用途)なのですが、そこで使われていた固定式棚板の底部です。
金属フレームと固定するのに鬼目ナットが使われています。
ウン十年前に組み立てたときには、これが鬼目ナットという名前だということも、どういうシロモノなのかということも、まったく意識していませんでした。
ちなみにこの家具、上のほうに木製ポールが横渡しされているのですが、縦の支柱が金属で、両者を固定するためにも鬼目ナットが使われていました。

この家具は全体的にかなりグラグラしていたのでもう壊れているのかと思って、廃棄することも想定して分解したのですが、、、、

このように、鬼目ナット自体が抜けてしまう、という状態だったためグラついていたようです。(ポールへしっかり固定されておらず、手で回し引っ張るだけで容易に取れてしまった)
ナット周囲を見た印象としては、この鬼目ナットは接着剤などを使わず、単なるねじ込みだけで固定されていたようです(あるいは接着剤が跡形もなく揮発してしまった?)。
おそらく木製ポール側の受け部はすでに経年で凹んで、再度ねじ込みしてもグラグラになってしまいそうですが、ボンドを多めにつけて固定することで延命させることはできそうです。
とはいえこれも賃貸住宅時代の、壁に加工ができなかった時代のシロモノなので、今となってはあまり必要性を感じないんですよね・・・ガチャ柱も使えるし、それが難しければそれこそラブリコ柱でも十分というか・・・