スコーンにチョコレートをかけたい
前回までスコーンとベーキングパウダーについて云々かんぬんと書いてきたのですが、今回はスコーンにチョコ掛けをしたのと、その際に行ったテンパリングについて。
わざわざこんなことを行ったのは作ったスコーンが完全なプレーンだったためで、クロテッドクリームはまだ残っているものの、あのクリームだけでは味がマイルドすぎる?ので、味変(?)のためにチョコが欲しかったのです。
というわけで、スコーンにかけるためにチョコレートをテンパリングをしました、というのが今回の話。
どうしてこうなった?(ここ数回のお話)
一応ここに至る話の流れを書いておきますと、、、
特売のクロテッドクリームを買ってしまったことでスコーンを作るハメ(?)になり、ベーキングパウダーが古いことがわかって、新しいBPを購入。
前回はその新しいBPで再度スコーンを作り、BPの発泡具合を確認したところ。
テンパリング作業の流れ
かなり久しぶり(というか人生3回目くらい?)だったのでやり方をまったく忘れてしまっていたのですが、、、全体の流れとしては
1.フードプロセッサーでチョコを細かく刻む
2.ガラス容器にいれてレンジで200Wを60秒
3.軽くかき混ぜる
4.そのままもう一度レンジで200wを60秒
5.かき混ぜる
6.スコーンの焼成中にオーブンの上に置いてあたためつつ、かき混ぜる
みたいな感じでやりました。
このうち、最初にやった「刻む作業」はなくてもいいんでしょうけど、大きなまま+低温という組み合わせだと、溶けるまでにかなり時間がかかります。
刻む作業で一手間かかりますが、
・大きい状態から溶けるまでグルグルと延々かき混ぜるよりは、先に細かくしておいたほうがトータルで早く進む
という印象です。(高温でやれば早く溶けるけど、テンパリングには向いていない)
フープロはどうせスコーン製造で使うので、洗う手間が増えるわけではありません。(先にチョコを刻んでおいて、取り出した後に洗わずそのままスコーン製造に入る。スコーンにチョコの刻みカスが混じるけどあとでチョコ掛けするくらいなので気にしないし、気になるならクッキングペーパーなどで軽く拭いておけばいい)
200wとかいうのは自己流・・・というかテキトーでして、レシピ本があったわけではないのでこれでいいのかは定かではありません。
(寒いシーズンだったので、それを常温というか平温に戻す感じのイメージで・・・時間に余裕があるとかもう少し温暖な季節であれば「しばらく常温放置」でも大丈夫かも)
オーブンの余熱でゆっくり溶かし、テンパリングする
発酵系の作業(パン作りなど)をする場合に、
・冷蔵庫の上のスペースを発酵用の微熱源として使う
というアイディアは有名です(たぶん)。
今回はその応用で、スコーンを焼いている間に、そのオーブン上部の余熱を使ってテンパリングしてみました。
実際にやってみたところ、これがなかなか良い具合です。
ときどき混ぜながら3~4分でこの状態に。
オーブン上部のスペースは庫内ほど高温になるわけではありませんが、室内と比べればかなり温度が高くなります。(冷蔵庫の上の微熱よりもだいぶ温度は高い)
おそらくこの状態でオーブン上部が40度台、ガラス越しに伝わる熱がおそらく40度強くらいの温度で、結果(かき混ぜることで)チョコレート全体は30度前半くらいで維持され、うまいこと保温できるという感じではなかろうかと。(オーブン外側の温度を測っておけばよかった・・・)
ただ、ずっと一箇所に置きっぱなしだと温度上がりすぎるかもしれません。
じゃあどうするかというと・・・
たとえば、オーブン上だとやりづらいので別の場所に持っていって、しっかりとかき混ぜる作業をしたりします。
すると少し温度が下がるわけですが、混ぜてすぐにまたオーブン上部に戻せば温度があがって維持できる、という感じ。
また、オーブンの前に立ってときどき軽く混ぜる、という作業もすることになるので、作業がてらこのように庫内の様子もチェックすることができ、非常に合理的です。
結果、実にまろやかな溶け具合になり、いい感じです。
使用したチョコレートとテンパリング
なお、使用したチョコレートはヴァローナのエクアトリアールノワール55%(フェーブ形状)で、量は適当に片手で5掴みくらい。
古いですが、、、これかな?
製菓用?のクーベルチュールチョコレートなので、温度を上げすぎないようにしつつ適温で溶かすだけでOKです。(それ以外だと一度50度超くらいまで温度を上げてから下げていくらしい)
※しかし昨今のチョコレートの値上がりも半端ないですね。現行品は1kgで1万円近いとは・・・
テンパリング作業の注意点・気付いた点
一部重複しますが、やってみて気付いたことをまとめておくと次の通り。
・フープロにチョコを入れすぎると上手く刻めない(チョコがゴロゴロと暴れるくらいの量でやる)
・フープロでは「刻みすぎるくらい小さく」したほうがテンパリングが楽(粒ではなく切りカスみたいなサイズ)
・温度をみながらやならければならないので、放射温度計は必須
・オーブンの上であたためる作戦はなかなか良好(3月中旬の寒い時期の話だけど・・・)
テンパリングっていうと特殊な作業みたいなネーミングで結構面倒なイメージだたのですが、今回やってみて思ったのは「温度さえちゃんと気をつけて、落ち着いて冷静に作業をすれば、特殊なワザやコツを身につけなくてもそれなりに簡単にできるな」ということ。
チョコレート好きな人にはオススメできる作業だと思います。
スコーンと仕上がり
テンパリングしたチョコレートのスコーンへの掛けはどうしたかというと、こんな感じ。
チョコレートを溶かした器に注ぎ口がついていたので、そこから直接スコーンの上に流し込みました。
ベタ付けするのではなく、紐状のコーティングに。
なんていうんでしょうねこれ、マーブル?
(それにしても、美的センスが皆無なのがよくわかる酷い掛け具合ですな・・・)
余ったチョコレートは、下の写真の端にあるようにビスケット(ルヴァン)を半分くらいつけて、チョコ掛けビスケットもできあがり。
チョコレートが固まるまではベーキングシートの上に置いて冷まします。このシートだと、はみ出て固着したチョコもペリッとキレイにはがれてそのまま食べられるので、無駄になりません。
ルヴァンの塩とチョコレートの相性も良い感じです。
最後にそれでも余ったチョコレートはもったいないので・・・どうしようかと思ったのですが、アーモンドを入れてかき混ぜ、アーモンドチョコ?にしてみました。(ベロベロとナメるというのもアリっちゃアリなんですが・・・)
味は良かったものの触感に飽きが、、、次回やるなら?
さて、食べてどうだったかというと・・・
チョコレートはかなり好きだし、実際にこれも良い味だったのですが、いくつも似たようなのを食べているとさすがにちょっと飽きる感じもしてきました。
実はこのほかに同時にラスク(写真を撮り忘れた)も作っていて、都合スコーン、ラスク、ビスケット(ルヴァン)、アーモンドチョコと4種のお菓子ができあがったのですが、なにしろ全部同じチョコレートがかかっています。
つまり、土台は違っても上の味がまったく同じ・・・
今回のように多めにチョコソース?を作ってしまったときは、アクセントをつけるのに何かあったほうがよさげ。
具体的に思いついたこととしては、たとえば
・テンパリングした中に溶けていないチョコの粒を混ぜておく(あるいは刻んだチョコのうち、大きくて溶けが遅いものを敢えて残す。つまり全部溶かさない)
とか、
・ローストカカオニブを入れておく
といった方法。
次回やるなら、そんな感じで何らか舌ざわりに変化を与えるようにしたほうがいいかな、と感じました。