5年ほど使用しているバルミューダのトースターが故障したので先日分解修理したところですが、実はその際に気になったところがあって、調整などをしたのでその話。
分解の話はこちらです。(なおったから別にいいけど、作業としては修理と言うほどのものではない・・・)
前面扉の隙間が大きすぎるのが気になる
せっかく分解したので、併せて取り外した部品の洗浄や細かな部分の掃除もしていたのですが、、、
そのときにまじまじ見ていて気になったのがこの前面扉の隙間です。
こんなに隙間があいていていいもんなんですかね?
家の断熱をやっているヒトならわかると思いますが、隙間があるとそこから空気の出入りがあって、高い方から低い方へ熱が抜けていきます。
せっかく中で220℃等に上げても、こういう隙間から熱が出て行ってしまったのでは温度が下がってしまい、意図した温度になりません。
パッキンを使ったレベルのピッタリ状態にはならなくても、もう少しピシっとするのでは・・・?ということで、ググってみるも・・・このあたりに疑問を持っている人は少ないようです。
とはいえ、設計段階から隙間はある前提なのかもしれない
当初、たまたまこの個体がハズレで、他の人のはもう少しピッタリくっついているのかもしれない、、、などと思っていたのですが、本体をあちこち見てみると、どうもこの隙間っていうのは意図してつくられているようにも感じられるんですよね。
たとえば扉の左右にはそれぞれ直径1cmくらいの円形に凸った部分があって、本体側の対応する位置も金属が凸った状態になっていて、この2つが先に接触することで扉同士はバタンとくっつかないようになっています。
当然ですが、こんな凸凹は敢えて作っているからあるわけで、意図せずできてしまったようなものではありません。
また、底部から観察してみると・・・
このように大きな隙間があいており、必ずしもピッタリ密閉するような構造は意図されていないのではないか、という気がします。
確かに昔ながらのトースターってこういう感じのざっくりした造りだったように思います。
前面扉の隙間を多少詰めてみたい
とはいえ、なんだかあまりにも隙間が大きいし、製造上のバラつきがあって、ウチのはその最悪の状態なのではないか?という気もしているので、少し隙間を小さくする方向で修正してみることにしました。
横から見たときの隙間幅が均一でなく、底側が広く、上にいくほど狭い△っぽい形状になっているので、下側の隙間を狭くして上下均等な隙間にしたい、という感じ。
最初に考えたのは、前面扉を固定しているヒンジの、本体側の固定位置を少し奥側にズラすというもの。
具体的にはネジが通過している本体側の丸穴を奥側に2mmくらい拡張して、ヒンジの固定位置を奥にずらすことで、前面扉が本体に2mmほど近づくよね、という案。
ただこれ、実際の作業としてはこの穴をヤスリとかでゴリゴリ削って拡張しなければならないので、結構な手間なんですよね。(食品を扱うので金属粉が残らないように注意しなくては・・・など気も遣う)
正直、意味があるのかどうか確証が持てないこと(「隙間が広すぎる気がする・・・」という自分の直感に過ぎない)に、あまり手数をかけたくない感もあります。
というわけで、逆にヒンジの扉側ネジ固定位置が少し本体側に寄るように、スペーサーを挟み込むことにしました。(意味がわからない? 2つ下の写真参照・・・)
作業は単に組み立てプロセスの途中のネジどめの際に、スペーサーを挟み込むだけ。
これなら単なる組み立て作業の中に一つ二つ部品を追加するだけだし、ワッシャの枚数で厚みを調整できるし、うまくいかなかったら撤去すれば元に戻せる、という多大なるメリットがあります。
というわけでやってみたところ・・・この通り・・・
右上赤丸の位置にスペーサー(ワッシャ+スプリングワッシャ)を挟み込んだおかげで、従前3.5mmほどあった本体と扉との隙間が2mmほどに縮小しました。
まぁ3.5mmが2mmになって絶大な効果があるのか?という話ではあるのですが・・・(やはり高熱に強い素材でパッキン的な構造にするしか・・・)
ちなみにネジのサイズはM3だった気がします・・・(上の写真の通り適当にそこらにあったワッシャを使ったので測っていない)
金属焼け?かと思ったら油汚れだった
さて、扉の件が片付いたので、ついでにやった掃除の話。
内部はそれなりの高温環境になるので、茶色く色づいていた金属部は焼けて変色してしまってるんだろうと思っていたのですが、今回、油職人で洗ったところ、茶色くなっていた部分はほとんど元の銀色に戻りました。あれはアブラの付着だったのか・・・
油職人というのはこれ。
結構いい値段しますが、油汚れはかなり強力に落としてくれるので常備しています。(ただし強いので浸透時間には注意が必要)
全体を丸洗いしたわけではありませんが、主要パーツはキレイになったので満足です。
そんなこんなでトースターの分解修理、掃除、扉位置の調整などが終わって元通り。
今後も活躍してくれることを期待します。
バルミューダトースターの価値ってタイマーなのにそこが壊れやすいのはNG
このトースター、やってることはスチームを付加しながらパンを焼くというだけで、昔からパン好きがやっていたことと同じです。
そこに時間をコントロールするタイマーを一体化して機械化、自動化しただけなので、トースターとしての独自性があるかというと微妙なところ。(昔で言うならテレビとビデオをくっつけたテレビデオみたいなものです)
よくファブレスメーカーだから設計や企画だけ・・・と言われてるけど、むしろ昔からある(ヒトが手作業でやっていた)ものを工場資本(ファブ)とつなげて工業製品化するという「ファブとの接点」に価値があると思うんですよね。
ただ、これはイカンな~と思うのは、今回のように肝心のタイマー機能がすぐに壊れることで、それは製品の価値そのものの軽視といえます。
今回は前回記事のように簡単になおったからよいものの、いよいよロータリーエンコーダーの交換が必要であればそれなりに手間がかかるし、ハンダを扱えない人もいるだろうから、メーカーで有料の定期メンテでもやればいいのにと思うんですけどねぇ。まぁ作ったのを宣伝するところまでが高収益な仕事で、そのあとのことはあまり・・・というスタンスらしいので、手間の割に儲からないメンテなんてやらないでしょうけど。。。
代替はあるけど、手間が省けるのとミスがなくなる・・・(タイマーがちゃんと動けば)
自分の場合は従前、底に熱湯を注いだ状態のガスグリルをトースターがわりに使う、という手法をとっていました。
が、とにかく狭いグリル庫内はあっという間にものすごい高温になり、時間のコントロールが難しく、キッチンタイマーを活用してもなお食パンを焦がしてしまって半べそになって表面を削いで食べる、みたいなことがたびたび生じていました。(当時はトースターという製品は一つも持っていませんでした。なぜなら、どのトースターよりグリルの方が味が良いであろうという確信があったので、わざわざ買おうという気になれなかったのです)
タイマー機能がついてコントロールできるようになったことで、そういうミスがなくなったのがバルミューダトースターの最大の価値だと思います。(味は正直なところガスグリルでやったほうが良いと思う・・・)