家探しの話の続き。
前回は・・・
WIC(ウォークインクローゼット)を倉庫に改装するため、壁を後退させて少しスペースを拡張するつもりだったけど、壁裏を見たら、あれ? なんか思ってたのと違うぞ・・・というガッカリ話でした。
いやほんと、外からトントン叩いただけで要らぬ妄想を抱いてはいけないってことですね。
まさに取らぬ狸の皮算用です。
まぁしょうがないので、切り替えて次の問題を検討していきます。
壁内を屋外とみなして、通風口の追加を考える
ところで、前回の冒頭で書いたとおり、うちのWIC内には通風口がなくて「ドン詰まり」の部屋になっています。
石膏ボードを外してみたのはスペースの拡張だけでなく、せめてPS(パイプスペース)との間に通風口を作っておこうかとぼんやり考えていたからでもあります・・・
(なにしろ倉庫なので、PSを伝って多少の音が聞こえてきても問題ない)
スペースの拡張ができないことがわかったので、確認した壁内をベースにイメージ図を描くとこんな感じです。
「2枚の石膏ボード間(壁の中)の空気」
と
「室内の空気」
と
を交流させるイメージ。
上のイラストだとグレーの部分(2枚の石膏ボード間の隙間)の面積が少なく、すぐに空気が詰まって意味がなさそうにみえますが、実はここ、閉鎖されておらず、足元で「どこか」とつながっています。
下の写真の赤矢印のところが足元部分(床)でして、横に隙間があって空気が抜けているようです。そのため、今回取り外してみた石膏ボード(元に戻す予定)に丸穴でもあけて通風口をつければ「室外(壁内)との空気の流れ」は作れるはずです。
床下や壁の中は果たしてどこにつながっているのか?
ただ、「室外」とは書いたもの、問題なのはこの床下がいったいどこに(どこまで)つながっているかがわからないことなんですよね。
継続的に空気を流し(あるいは吸い)続けた場合、どこか別の場所で「屋外」との空気をやりとりする部分が発生するわけで・・・あるいは、密閉度が高くて外部との空気の出入りが遮断されているとすれば、どこか別の室内とつながっているかもしれない・・・それこそ別の部屋の壁コンセントとか・・・あそこ、隙間だらけですからね。
イベント等で使うスモークなんかを使ってガンガン白い煙を送り込めば、どこにつながっているかわかりそうですが・・・
これ、万一、隣家ともつながっていた場合に、何も知らない隣の家のコンセントからスモークが出てきて大騒ぎになる、なんてリスクもありそうなので諦めました。(あるいは、建物外に出てしまうと近所から火事と間違われて通報される可能性も・・・)
※実際にはスモークも距離が遠くなれば霧散して色が消えるので大丈夫だとは思うのですが、どの程度の距離があれば見えなくなるのか、といった「あんばい」がわからない・・・
ちなみに、各部屋にある24時間換気用の吸気口(屋外の空気を室内に取り入れる)も施工が割とザルで、隙間だらけです。プラスチックのパネルと丸い筒が一体化したものが取り付けられているだけで、パッキンなどはないのでユルユルなんですよね。
図説するとこんな感じで、数センチの隙間があります。
外壁と室内の壁との間に隙間があるのは別にいいんですが、問題はこの部分の構造なんですよね。
一応、ここに設置することになっている「換気口」っていうのは筒構造の部分と、フタの部分が一体化したこういう↓感じのやつなのですが・・・
これがコンクリ壁に埋め込まれた塩ビ管(上の写真でグレーの部分)にスポッと収まるようになっているわけですが、スッと抜ける程度の密度感なのでスカスカと言っていいレベルで、屋外、壁内、室内の3つの空気が自由自在に行き来できるような状態になっています。(敢えてそういう設計にしている可能性もあるけど、理由がわからない・・・)
上の写真の製品は、筒の最奥にパッキンみたいなのがついてる(室内と屋外との空気は出入りするけど、壁内の空気は混ざらないようになっている)っぽいですが、うちのはこういう工夫は何もなく、ただスポッと刺さっているだけでした。
まー、この部分の構造はそのうち何か対策を考えた方がいいかな・・・とは思っています。
壁コンセントが隙間だらけなのをどうにかするパーツを見つける
上で書いたコンセントやスイッチの隙間の件、今調べたら、こんな製品もあるらしい・・・
正直ん?なにこれ?と思いましたが、気密性を高めるためのカバーらしく、効果は(レビューを信じるなら)かなりある模様。
C=0.xxみたいな数値をめざしている高気密住宅だとコンセントとかもパッキン付きだったりするらしいですが、うちなんかはまったくそういうのないですからね。
こういうニーズもちゃんとあって、何も自分がひとりでおかしなこと(壁内の空気が~)を気にしているわけでもないってことで。
次からトリプルコンセントに交換するときに、ついでにこれ付けよう・・・
しかしこれ、うちのようにC型のはさみ金具がある場合、どうやって固定するんだろ・・・?
・・・とまた調べると、どうやら
WN37508 パネルカバー
なるカバーをセットで使えばイイらしい。
ん? これもグラスウールとか接触しなければ、要らないのかな?
今度ちゃんと調べてみましょう・・・
さて、話戻して、、、屋外にしろ屋内にしろ、どこか別の場所につながっているというのは空気の流れが生じるという意味ではいいことではあるのですが、一つだけ気になることが・・・
壁内の化学物質問題が気になります・・・(神経質?)
仮に、何もフィルター系の設備をつけず、単純に吸気口(空気の吸い込み口)とした場合は、壁内のよくわからない化学物質が(湿気などで)溶け出した気体を室内に取り込んでしまうことになります。倉庫とはいえそれは避けたい・・・
果たしてこの壁内の空気はイカなるものなのか・・・気になる・・・が、どうやって調べたらいいのかもわからないし、わかったとしてもどう対処していいのかイメージがわかない・・・
うーん、コレ、考えてもしょうがないのかなぁ(思考放棄)
なにしろ、仮にそのとおり床下が全部つながっていて、しかも床と壁と天井のすべての隙間がつながっていたとすれば、すでに今の時点で和室なんて畳の隙間から壁内空気が室内に入りまくっている可能性がありますからね。
ちなみに、上の写真で石膏ボードに挟まっている丸いのはCO2センサーでして、しばらく稼働させたけどその数値は特に問題ナシでした。まぁ二酸化炭素はね・・・という感じですが、仮に調べるといっても空気中の組成を解析して、ありとあらゆる化学物質の含有量を調べるなんて現実的には無理・・・。
あ、そうだ、冬になったら壁内に暖かい空気を流し込めば、床暖房的な感じで家中暖かくなるのでは・・・? 少なくとも和室は外周覆えばコレできそう・・・(思いついたこと何でも書いておく派)
耐火石膏ボードに穴をあけていいものか?
ところで、考えみたら耐火石膏ボードに穴あけていいんだろうか? 普通に考えれば火災の際には石膏ボード自体が耐火だったとしても、穴があればそこから炎が出てきて、耐火の意味なくなってしまうんじゃない?
でも現実の住宅の石膏ボードには、コンセントやスイッチボックス、エアコンの穴、通風口といったものの取り付け穴は結構あいているし、それらには安いプラスチック部品(たぶんよく燃える)が多数使われていますよねぇ。
石膏ボード製造元の吉野石膏で確認してみたところ、
・通風口やコンセントボックスなどの設置はない(穴のあいていない)状態で耐火認定を受けている
とのこと。
まぁそりゃそうですわな。世の中に多数あるスイッチボックスやらをいちいち取り付けて、組み合わせてコレなら大丈夫、これはダメみたいに認定を受けたりはできません。
具体的な製品でなくても「何センチ角のサイズ以下なら穴があいていてもOK」的な汎用基準もないようです。
さらに調べていくと「消防技術安全所報 50号(平成25年)」
https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/hp-angijyutuka/shyohou2/50/50-2.pdf
というところで
・開口面積100㎝2、つまり10cm角くらいまでなら「防火覆い」で防火ダンパーの代用が可能
との説明が。(本則は「通風口の穴をあけたら防火ダンパーを付ける」というルールらしい)
なるほど・・・
今回のウチの例は直接外気に接しているわけではなく、室内と「壁内」(室外ではあるけど建物外壁の内側)の間に石膏ボードがあるっていう状態なわけですが、ここで「壁内」側を屋外とみなしてそこに防火覆いを設置すればOKということかな・・・。
もっとも、現実問題としてはあぁいう燃えそうな素材のコンセントボックス等があちこちに取り付けられていることを考えると、わざわざ通風口だけに覆いを設けても意味がなさそうで、実質的な意味はない気もする・・・
壁内の空気がキレイなのか問題を悶々と考える
似たような壁内空気の話がNPO住宅110番というところに。
このやりとり、ちょっと本旨は違う話ですが、自分の関心のある部分「温湿度の他、二酸化炭素濃度なども含めて、壁内の空気がキレイかどうかが問題なのでは?」みたいな内容。
確かに温湿度に室内と壁内とで差がありすぎる場合は、結露や気温低下の原因になりそうです。
で、壁内空気がどうなっているか不明の場合は
・そんなリスキーなことはやめて、室内側のドアを開放状態にしておけばよいのでは?
という感じの提案がありました。
いやぁ、、、確かにごもっともな話です。
うーん、手間のほかモロモロのリスクを考えると後者のほうがいいのかもしれない。
倉庫にするといっても、これから自分で自由に改修をしていくわけで(手抜きをせず)室内と同レベルの水準に作っておけば、あえて居室とのあいだを仕切って閉鎖空間をつくる必要もなさそう。(WICを開放型にして、居室とをつながった一体空間にしている住宅もある)
とりあえずは何もせずに元に戻すことにしたが、将来は何か対応が必要かな・・・
というわけで、結局、一度開いたWICの石膏ボードはそのまま元に戻して、壁紙の張り替えだけをやることにしました。
そうはいっても、仮に開放型にしたとしても、このWICの位置自体がドン詰まりになってしまっていて風が抜けない位置にあることにはかわりないので、サーキュレーターなり何かしら回して風をつくってやらねば、淀んだ空気が澱のように溜まってしまいそう・・・。
今は気温が下がってきて問題ないですが、来年の暑い時期までには何か考えて対策をとっていく必要があるかなと。
そう考えると、やっぱり壁に穴空けてファンを回すってのも(運用に手間がないという意味で)ありっていえばアリなのかなぁ・・・強制的に「排気口」とすれば、化学物質問題は解決するし・・・。
そういや、ときどき天井に換気扇みたいなの(羽は奥の方に隠れていて見えない)ついてる部屋、ありますもんね・・・
というわけで、今回はイマイチ結論めいたものがはっきりとしない話でしたが
・壁って結構隙間だらけだったんだよね~ということを再認識した
・室内と屋外ではなく、室内同士(あるいは室内と壁内と)で空気を交換するという発想を持てた
ということが成果かなと。