家探しの話の続き。今回が8回目。
最初のほうで
・一人だけど家の中で色々やりたいので広い家に住みたい
・家の中で快適に過ごしたいけど、好きに加工するには所有するしかない
・戸建は能力的に難しいのでマンションにするが新築を買うのは無理なので中古
・マンションはとにかく暖かいのがイイ
みたいな自分の考えを書いてきました。
で、今は(今さらながら)マンションのイマイチなところを整理している段階。
が、前回、今回とちょっと横道に逸れて品川にあるサンゲツのショールームを見てきた話です。
前回はこのように都会に出て品川駅からサンゲツショールームにたどり着くまでで、すでに相当に疲れてしまって参った、みたいな話でした。
いやー、品川は遠いです。
ほんと、他の用事があったとはいえこの日はこのショールームを見たくらいで他にたいした用事はしてないのですが、万歩計の歩数は2万歩を超えてたんですよね。
ふだんは3000歩とかなのに。メッチャ疲れるわけです。
とまぁ愚痴というか泣き言はともかく、一人ぽつねんとショールームを見てきてどう感じたかって話です。
サンゲツの展示物
サンゲツ品川ショールームの主要な展示品は壁紙、床材、カーテンの3種類。
有り体にいえば平らで薄いもの。
ショールームは4Fのワンフロア構成で、下のようなレイアウトになっていました。
当日は一部改修工事中で入れませんでしたが、主要な展示は見られるようになっていました。
エスカレータで2Fから上がってくると、このレイアウト図中央やや下の「入口」のところに出てきます。
そこから正面、図の中央やや右下にある「i」のイラストのある「レセプション」というのが「受付」。
何を見に来たかを伝えると、ピラ1枚の説明紙がもらえました。
・・・しかし何でもカタカナにするこのスタイル・・・頭にウジでも湧いてるんだろうか?などと思ってしまうのは自分がトシをとって新しいものを受け入れられなくなってきているからなのか!? しんどい!!
左上の引出線の先に「ウォールカバーリングクローゼット」などと説明がありますが「壁紙」です。
右のグリーンの文字「フロアカバーリングクローゼット」は「床材」です。
ショールームとお客の様子(雑感)
他人様の様子なので写真はとってませんが、2023年4月平日のショールームの様子は次のような感じでした。
・特に入場制限などはなし、予約も不要
・一応受付があるので「予約なし、自由見学をしたい」旨を伝える
・受付で「何を見に?」「壁紙」的な会話で見本取り寄せ方法など30秒くらい簡単な説明を受ける
・氏名記帳などは一切なし
・ショールーム内は時間制限なしで自由に回ることができる
・サンゲツ側の営業行為はまったくなし、最後まで完全放置で気楽
・混んではいないがガラガラと言うほどでもなく、そこそこの客はいた
・フラフラ回遊しているスタッフはおらず捕まえて話を聞くことは難しい感じ
・不明点があれば受付カウンターなどで自分から聞く必要あり
・スーツ姿の業者は少しだけ、大半は一般客(設計やデザインの事務所っぽい人たちは少しいた)
ショールームなので当たり前かもしれませんが、掃除など行き届いていて全体的にとても清潔感のある店内でした。
トイレなども非常にキレイ。
自分は使わなかったのですが、荷物を預けるコインロッカーなどもあり。
今回は主な展示3種のうちカーテンは完全スルーして他の2種+αを見てきました。
多種多様な壁紙
壁紙はこんな感じで展示されています。
スライドしてパタパタ開く感じです。
中身は
・発泡スチロールのような板に壁紙が貼られていて、棚から引き出して見ることができる
ようになっています。
板は手に持つには大きなサイズではあるものの、壁に比べるとごくわずかなのでこれで部屋全体のイメージがわかるかというとちょっと違う感じ。
取り出して並べて比べている人もいましたが、どっちかというと各素材の表面の具合を見るのがメインかな?という印象。
あまり事前の調べはしておらず、この日の段階では特段これが見たい、チェックしておきたいという目算はなかったため、パラパラとテキトウに見て回りました。
基本的には白系統の壁紙が多いのですが、数百から数千の種類があるので、中には黄色や赤系統の壁紙もあるし、網目のようだったり横に擦ったようなデザインだったり、ものすごい数の組み合わせがあります。
数は少ないですが、ムーミン柄などのキャラクター系もあり、壁紙だけにギトギトではなく見飽きないシックなデザインで、いわゆる子供部屋だけじゃなくて普通にリビングとかにも使えそうな感じ。
DIYで柄の強いものを使う場合は、貼ったときの境界線をどう見せるかというのを考えておく必要がありそう。(精度高く貼って見えないようにするか、境界線が溶け込むようなデザインのものを選択するか、あえて境界線を見せるか等)
まんべんなくチェックしたわけではなくパラパラ見ですが、具体的に自分が気になったのはこのあたり。
これは居室に使うとわざとらしいけど、洗面所とかにいいかな?と。
こういうシリーズもありました。
こういう「機能」は見てこの場で善し悪しが分かるか?と言われるとまったくわからず、サンゲツの言い分を信じるしかありません。
ただ、そもそも1mmとか2mm厚の塗り壁でもあやしいと言われているのに、このペラッペラな壁紙に持たせた機能が、どの程度実感できるレベルで効果を発揮するか・・・というと難しいのではないかな? という感じがします。
普通のだとこれとか・・・
やや色が強いかな?という感じはしますが良さそう。
抗菌、防カビのほか撥水コートもあるとのこと。繊維質の壁紙のように見えて水を吸いそうなのに逆に撥水コートというのが意外。
ちなみにこのようなサンゲツのSP型番のものは量産品と言われるシリーズで値段重視の場合に選ばれるそうです(つまりリフォーム済み物件とか賃貸など)。
実売価格は壁紙のみで200円/mくらいのようで、大量に壁紙を貼る広い部屋だとありがたい価格です。
これは塗り壁に近い感じの凸凹したデザイン。
当然これもビニル素材です。
撥水コートの表示はないですが、吸放湿と書かれているので、機能性を訴求したシリーズなのだと思います。
続いて、この77-3108というのはコンクリート風。
表面強化+ウレタンコートされているので、水回りとかによさそうです。
トイレとかで使うのに適しているのかな。
・・・という感じで、本当に特にこれという目的はなかったので感覚のままテキトウに自分が気になったものを撮影してきたのですが、こうして見るとグレーっぽい壁紙ばかり目にとまってます。
実は
・白っぽい壁紙がものすごい数あるけど、自分にはどれも同じように見える
んですよね。
どれも同じなら白いのは安いのでいいじゃん、と(天井は白にすると広く見えるらしいので、天井に壁紙を使うなら量産品の白でいいかなというイメージは持っている)
床材はまったく関心を抱けずロクに見てこなかった
クッションフロアというのか、、、マットのような床材が多数、引き出しに収納されていて見ることができるようになっていました。
ただ、その場に行ったらなぜか猛烈に関心が薄くなってしまって数種類引き出して見ただけで撤収。
価格帯は1㎡で3千円~1万円くらいだったかな? もっと高いのもあったと思うけど、見たヤツはすべて
・ゴムシートの表面に各種素材を貼ったような感じの構造
で、全体的にチープな印象。「ここはビニルの会社なんだなぁ~」という印象を強く受けました。
実際のところ、このようなビニル系の床材を使う可能性があるのはキッチンとか洗面所くらいで、
・面積も狭いので価格の高低はさほど気にならない
・狭い面積の床デザインを気にしてもしょうがない気がする
・メーカーごとの耐水性に雲泥の差がある、みたいな話も聞かない
ので、どこの製品でもいいんじゃね?くらいの気持ちがあって、まったく興味を引かなかったのかもしれない。
自分は床材についてはちゃんと考えたわけではないのですが、今のところ一部の部屋をオフィスのような感じの絨毯にして、他はコルクか何かにしたいとぼんやり考えています。
窓へ貼り付けるガラスフィルム
壁紙にも床材にも飽きてしまったのですが、せっかく来たので他のスペースを見ていると・・・
以前、家のガラスに市販フィルムを貼り付ける作業をしましたが、ここでも似たような製品が展示されていました。
上のショールーム内のレイアウト図にはガラスフィルムのエリアってのはありませんが、マテリアルクローゼットのエリアの中に、その種類の一つとしての取り扱い。
(マテリアルというのは窓用フィルムだけじゃなくて、例えばオフィスの壁やちょっとした凸凹に貼る板(薄い紙ではなく厚みがある板状のもの)などが展示されています)
フィルムにはいくつか効果の異なるものがあり、サンプルもありましたが、わかりやすいのがこういうやつでしょうか。
反射防止のフィルムで、おそらく窓としての透明度は下がっているのでしょうが、写真の通り手前の紙の反射がほんとんどないレベルにおさえられています。
カタログだとこんな感じになってます。
サンゲツとしては公共施設や展示施設などでの利用を想定しているようなので、価格帯としてちょっと手を出せないレベルの可能性もありますが、リフォームにあたってはこういう選択肢もあるんだということは頭に入れておこうかなと。
リアテックパネル=自分でユニットバスの浴室リフォームができる?
続いて気になったのがこれ。
これまた価格がよくわからないものの、既存の浴室にそのまま上張りでリフォームできるらしいです。
まぁ浴室なので隙間ができるとカビがどうなの?ってのは気になるところで、カッターで切れるとか両面テープで貼り付けるとかで大丈夫なのか? ってのはありますが、、、
実は事前に調べた範囲だとユニットバスはまるごと交換した方がコスパがよさそうだったので、そのつもりだったのですが、このような簡易的なリフォーム方法があるなら選択肢に入りそうです。
(コスパっていうのはバスの表面を再塗装するだけで30万クラスで、だったら80万でユニットバスをまるごと新品に交換した方がよい、、、的な意味)
一応、帰ってきてから素材販売店を調べてみたところ・・・
おぉ、なかなかにいい値段しますね・・・
高さは浴室で2.4mもあるというのがよくわからないところですが、戸建前提なのかな?
マンションの浴室は配管があるせいでやたら天井が低いのですが、これだと板を横にして使った方がいいのかな? って感じもします。
ただ、youtubeで公開されている施工動画を見るとパネル間の隙間は専用のテープを下に入れ込むらしいので、縦溝は(水滴が下に落ちていくので)いいけど横溝は(水滴が溝にたまるので)厳しそうかな・・・
まぁそれはいいとして、幅が910mmで17千円というのは1616の浴室だと1面2枚使用で、5面(4面+天井)で10枚、17万円ほど。
うーん、これに施工費を加えるにしろ自分で手間掛けてやるにしろ、キレイになるのは壁と天井の上張りだけで、水回りの改善が一切ないと考えると微妙な価格。どうだろう。
選択肢として頭には入れておくけどメインのリフォーム施工法にはならない感じかなぁ。
アイディアハウスのその他
そのほか興味をもってみられたのが、アイディアハウスというコーナー。
通常のサンゲツ定番品ではなく、ちょっと冒険した感じの開発品をPRするエリアです。
たとえば耐久性の高い壁紙。
確かにネコとか飼っているとこういうのが良いのかもしれない。
高耐久&防滑性の高い床材。
こちらは消臭壁紙
下欄の説明を読むと、一般の壁紙も消臭率は高いけど壁紙がニオイの成分を物理的に吸収しているから、らしい。
ビニル壁紙でも部屋にニオイが染みつくのはそういうことなのか・・・。(ただ、表面に吸着しているだけなら、ビニルだけに掃除すれば結構取れるような気がする。そこは書いてないけどどうなんだろう?)
同じような消臭床材。
これらのイロモ・・・いやアイディア商品、写真は撮り忘れましたが、実際に現物が置かれていて手に取ってみることができます。
(とはいえ、効果がその場で実感できるのはスーパー耐久壁紙みたいなものだけかな? キズがつくかどうかは試してみれば確認できるけど消臭効果は展示が雑でよくわからない感じだった・・・たぶんあんまり売れないから力入れてないんだろうなぁと感じさせる展示水準)
これらの品々、、、壁紙等に付加機能を持たせるのはよいのですが、なかなか厳しいのがコストなんですよね。
身も蓋もないですが、メジャー品になれず隅の方に追いやられてしまっているのはそれが理由ではないかと。
機能性壁紙のコストについて考える
通常、壁+天井で床面積の3倍が必要と言われています。
つまり、床面積70㎡の家の壁紙を交換するとなれば、200㎡くらいの壁紙が必要ということです。
狭い面積であればよいのですが、これだけの面積となると僅かな価格差が相当なコスト高となって跳ね返ってきます。
たとえば1㎡300円の壁紙であれば、300円×200㎡で6万円で済みます。(施工を外注すると1千円/㎡くらいなのでその3倍強)
しかし1㎡1000円の壁紙であれば、壁紙だけで1000円x200㎡で20万円になってしまいます(施工を含むと優に30万円は超えてくる)。
もちろん、壁紙自体を何十年そのまま使うのか?ということにもよるので、20年使うなら多少のコスト差は気にする必要はないのかもしれません。ただ、アナウンスされている機能差がカタログで謳われているほど実感できるのか?っていうのはあるんですよね。
大して違わないのなら、そのコストを別の材料に振り分けた方がよくない?という話になってきます。
もし施工を外注するくらいコストをかけるなら、割合として素材のコスト差は縮まってくるのでこういう機能性商品も検討してもいいかもしれません。
壁紙に関する先人たちのレビュー
リフォームやら設計やらを済ませて実施に壁紙を選択している先人たちが既にレビューを書いているので参考にしてみます。
試しにスーパー耐久性壁紙についてググったところ
・価格は一般的な壁紙と同レベル
ということで、それだけ聞くと選ばない理由はない感じですが
・時間経過で壁紙の継ぎ目が広がりやすい(素材が縮みやすいのか?)
みたいな特性があるらしく、なるほど選ばれないのには値段以外にも理由があるのねと納得しました。
おそらく施工業者も住宅の販売業者も、あとでクレームが入るのはとんでもなく嫌がるでしょうから、避けられるのも仕方ないかなと。
ちなみに、価格が一般品とさほど変わらないという理由でこの品を推奨しているサイトはまだ建築中に記事を作成されており、スーパー耐久性壁紙を家中に使ったとのこと。
一方、継ぎ目の情報を得た人は過去に洗面所で使った結果、実際にそうなってしまったので家全体に施工するのは辞めた、と。
前者の人はその後どうなったのか書いていないので経過は不明ですが、継ぎ目の話が正しいとすれば、カタログPR内容と価格だけで選んでしまうとこうなってしまうよ、という例だったのかな、と。
こうしたリフォーム素材は家電品などと違い比較サイトもないし、どこかに一般人のレビューがキレイに並んでいるわけではありません。
大手だから全商品が大丈夫かというとあやしいところで、不得手な部分はあまり公にしないので、カタログやショールームだけで考えるのではなく、このような実例を調べてから選ぶべきなんだろうな(≒ややこしいし面倒だな)と感じました。
(上のスーパー耐久性壁紙の例でいえば、継ぎ目がない場所や、継ぎ目を幅木などでカバーするような施工方法であれば問題ないため、メーカーはカタログでそれらしき施工を推奨しているけど、理由として素材の特性を挙げていない)
選ぶセンスも、決める判断力もない絶望感
わざわざショールームに来ておいてなんですが、正直なところまったく行く必要なかったかなと思います。(行く必要ないことを実感するために行った、とポジティブに考えよう)
というのも自分の場合、いろいろなサンプルを見ても「これがステキ」「こんな壁紙であんな雰囲気の部屋にしたい」みたいな欲望がまったくわかないんですよね。見るのだけで疲れてしまう。
これ、たぶん洋服買いに行ったときと同じや・・・
センスがまったくない、というのもあるし、壁紙のカラーとかに執着がないともいえます。
とはいえ、自分と似たような「作るのには興味あるけどデザインは・・・」的な人種だと(勝手に)思っているDIY系のサイトとか見ていると、中には多少はおしゃれ感を出そうと考えている人たちもいます。
うーん、多少なりと気分が違ったりするモンなのだろうか・・・うーん。
ただなぁ。
そういうサイトや動画で「廊下を薄いグレーのオシャレな壁紙にしてホテルにいるような気分に」みたいなことを言われると、、、確かに自分も一瞬「イイネ!」とは思うのですが、次の瞬間にはふと思うわけです。
実際に毎日その廊下を通ってやっていることは何? と。
それは例えば
・自分の洗濯物を洗濯機までもっていく
・洗濯物をベランダまで運ぶ
・スーパーで買ってきた玉葱や卵を冷蔵庫まで運ぶ
みたいな所帯じみた行動なわけですよ。
そのとき、壁紙のデザインとか色とか大事か? と。
モデルウォーキングをするわけではないのですよ。
上でDIY系のオシャレについて「多少は」と書いたのはまさにこれで、彼らは「自分で何をするか」という行動に関心があって、「それが何か」みたいな外部にあるものには関心が薄いんですよね(勝手に決めつけ!)
まさに自分がこれ。
いやほんと、ショールームが悪いわけじゃないので、壁紙に興味があって、その色とかデザインで日々の生活がアゲアゲになるんですよ! みたいな人は見に行ってよく考えて選ぶべきなんだろうと思います。
が、デザインとかどうでもいい人は見に行く必要ないかなって気がします。
身も蓋もないですが、自分の結論としては
・壁紙はそのときそのときで安いものの中から選べばいいでしょ?
って感じです。