デジタル顕微鏡というか拡大鏡というか、マイクロスコープといわれているものを買うことになり、色々物色しています。
ただ、物色しているうちに単純に数字上のスペックや価格を比較して選べるようなものでもないことがわかりました。もちろんスペック差もあるのですが、これはいわば「道具」なので、どっちかというと
同じマイクロスコープでも製品によって形状や構造が大きく違い、お互いになかなか代用がきかない
という点の方が課題に感じられました。
じゃあ目的さえ決まればそれに応じた製品が選べるのでは?という感じなのですが、自分の場合は目的というのも一つじゃないんですよね。
とりあえず電子機器の基盤を見たい、半田付けもしたい、小型ネジの形状を確認したい、というのがあるのですが、、、せっかくなので水に入った微生物とかも見てみたい。もちろん画像も残したい。
そういういろんな目的にかなった製品はあるのだろうか・・・買ってみてイマイチだったら2台目を買うことができるだろうか(資金的に)・・・などと思いながらAmazonなどをチェックしてみました。
グレード・価格帯から見た選択肢
とりあえず、ざっとあちこちのネットショップやレビューサイトを調べた感じ、かなりの種類があり、混乱してきたので頭の整理のために自分なりのざっくり大分類をしてみました。
その1 本格的なヤツ(業務用)
キーエンスやオリンパスといった名の知れたメーカーからハイロックスといった専業メーカーまで色々と業務用製品があり、価格帯としては数百万から数千万の世界のようです。本格的なお仕事用で、うわーいいなーとは思いつつも、もちろん今回の検討の対象外です。
ただ、こういうのを見ておくと「マイクロスコープでできること」の限界を知ることができます。
その2 ちょっとお高いやつ(業務用)
数十万円程度の製品で、光学的にもそこそこちゃんとしたもの。レンズなどは品質をキープしつつ、液晶画面を自分のノートPCで代用するとか、周辺部のコストを省いている印象。光学系のメーカーや代理店が存在して、ちゃんと製品の検査をして(全数検査はしてないかもしれない)、保証もついていて、希望すれば保守も受けられるという感じ。
学校とか小さな企業で作業用に使うとか、あるいは趣味であってもコストをかけられる場合はアリなのかもしれない。
まぁ、これもお高いので今回は対象外になります。
その3 個人向けの「ブランドもの」
顕微鏡メーカーや天体望遠鏡を扱うメーカーが出していて、パッケージや保証の付いたいわゆる「ちゃんとした」製品です。
個人が趣味で使うとか、子供に学習用に買い与えるといった用途が主。コスト的に安いものは光学的な水準が低かったり、半導体に強くないため従来からある顕微鏡にオマケでセンサーをつけたようなレベルの、電子機器として見た場合にちょっと微妙な感じの製品もあるようです。
値段は数千円から数万円くらいまでで、イメージ的にはAmazonでもヨドバシカメラでも扱われているジャンルだと思ってもらえればいいかと。
その4 個人向けの(ほぼ)ノーブランドもの
今回のメインはこれです。一つは数百円から数万円くらいまでのもので、大半は有象無象のあやしいメーカーのあやしい製品です。
が、あやしいながらも種類が多く、選べばちゃんと使えるようなものもあるようなので、今回はこのへんで探します。
Amazonや大手ショッピングモールで扱われている一方、一方ヨドバシでは扱われていない、といった感じの品になります。
メーカーサポートもあるんだかないんだかわからない品も多くて、故障などは販売店頼り、品質についてはユーザーレビュー頼りです。
構造から見た選択肢
デジタルマイクロスコープというジャンルが、新しいというか、顕微鏡を電子化した派生製品というべきなのか、あまりメジャーではありません。
なので、「これがスタンダードなスタイルだ!」みたいなモノがなくて、いろんな構造の製品があります。雑多な感じですが、それを順に見ていきます。
液晶一体型
台座、レンズ、カメラ、液晶画面といった必要なモノがセットになっていて、外観から何をするものか想像がつく、わかりやすい構造だと思います。
安いのだと5千円くらいでオールインワンになっているものがあります。ただ、メインの価格帯は1万円前後から数万円レベルのようです。目的に合っていそうで、価格的にも許容範囲内なので検討したいと思います。
ペン(スコープ)型
ちくわみたいな感じの筒状のやつで、マイクロスコープで最低限必要なカメラ部分だけを製品として仕上げた感じ。Amazonや楽天などでは「どう見ても同じ写真の使い回しでしょ?」という感じのものが大量に販売されています。実際、写真だけじゃなくて中身も同じなんだと思います(ただし全部が同じではなくて、世代違いなどで数パターンあるみたい)。
2千円前後のものだと一応簡素な台座がついていますが、台座といってもペン立てのようなレベルのもので、なんかマイクみたいな感じ。
ズームは手動らしいので別途前後(or上下)に動かせる台座を買わなくては使いづらいとの口コミを見かけました。
台座がしっかりしたものだったり、(よく知らないとはいえ一応)ブランド銘がついていたりすると4-5千円くらいまで価格が上がるようで。
これらは表示用モニターがついてないので画像を見るにはスマホやPCを使います。OS標準のソフトで使える模様ですが、MacOSに対応してないやつがあったりと、色々注意が必要みたいです。
どこまで信じて良いのかわかりませんが、上の写真のやつはカテゴリ別ベストセラー1位ということなのでこれは候補の一つとして気にとめておきます。
なお、同じペン型でも「少しマシな台座」が付いたタイプもありますが、このタイプは形状こそマシに見えるものの、顕微鏡のように上下の移動がスムーズにできるわけでないため実用性には欠けるようです。(やはり別途ちゃんとした台座が必要)
モバイル型
ビデオカメラの接写専用みたいな感じのやつ。
この形状の製品は種類(選択肢)が少ないのと、手持ちだと安定しなさそうなので今回はパスの方向で。屋外で植物や虫などを超拡大して見たい人にはいいのかな?
こういうのの他に、液晶モニターがついておらず、上のペン型みたいな形状でありながらバッテリー内蔵+wifi送信によって実質モバイル型みたいに使えるヤツもあるようです。
光学顕微鏡に合体する型
小学校の理科室にありそうな昔ながらの顕微鏡に、小型の専用カメラを装着してデジタル化したようなもの。
これは両目でのぞき込んで見るタイプの二眼に加え、ちょうど真ん中に煙突のようにカメラ用の3つめの眼がついており、三眼タイプと呼ばれています。(他に片目で見る一眼タイプの顕微鏡もある)
プレパラート使ってゾウリムシが見たい?的な用途がメインであれば、このタイプ一択ではないかと思います。
(このタイプで液晶モニタまでもが一体型になっている製品は見当たらなかった。想像しただけでゴテゴテし過ぎて邪魔そうだからか・・・)
スマホクリップ型
超簡易型で、スマホのカメラ部分に取り付けるレンズだけ、みたいな商品です。
クリップのような挟み込むタイプが多いようですが、半導体や電源系の部品がまったくなくて、純粋なレンズだけなので価格が安くなっているのが魅力的。
クリップ型、クリップ顕微鏡などと呼ばれていてカテゴリー的にはスマホのアクセサリーに分類されているようです。
拡大率が低そうなのと(高倍率なヤツは価格もソコソコ)、フォーカスを合わせる方法が謎、落ち着いて見ながら何か別の作業をするには別途スマホを据え付ける台座が必要そう・・・という点が気になって積極的には選べない感じ。
ただ、スマホのカメラ性能がガンガン良くなっていくと自動的に撮影できる写真のクオリティが上がる、という意味で将来性はありそうなんですよね。
値段を考えると試しに一つ買って色々試してみるというのはアリかもしれない。。。とかなり関心を持ったのですが、レビューを読む限りは安いものはレンズ性能が悪くてボケる、歪むといった感じなのと、やはり拡大率は控えめのようなので今回はパスする方向で。
くねくねスコープ(おまけ)
拡大鏡というよりは、管の中を見たりするスコープで、これは上のやつ全部とはちょっと目的が違いますが、便利そうなので一つ持っておくと役立ちそうです。(潜らずに車の下を見るとか、洗濯機や冷蔵庫の裏側に落ちたものを拾う、といった使い道がある)
数百円-5千円くらいまでいくつか種類があるようで、その形状からスネークカメラなどと呼ばれることもあるようです。
マイクロスコープ製品群(?)のまとめ
というわけで、このあたりがショッピングサイトで色々と既存の製品を見比べながら分類した結果です。
こういう中身のない羅列情報は通常、検索上位に出てくる比較サイトやアフィサイトで確認すれば済むのですが、今回はあまりに通りいっぺんの「お手軽なのが欲しければ液晶一体型がオススメ」的な(意味のない)情報しかなくてまったく参考にならず、何をどう考えて選べばいいのかわからず苦労しました。
同じ比較サイトでもスマホやイヤホンのような売れ筋製品であれば突っ込んだ比較などもしてくれている場合があるのですが、マイナー商品だけに商材のテンプレに製品を当てはめただけの、カタチだけの比較になってしまうんでしょうね。
そんなわけで、ザッと把握したあとは具体的に気になった品について各所の個人レビューを見ていくしかないかなという感じなのですが、同じ製品に対して高い評価をしている人もいればバッサリ切り捨てている人もいて、なかなか評価が定まらず厳しい感じです(要求水準や使途にかなりの違いがあるのだと思うし、海外製品はもしかしたら不良品が混ざっていたのかもしれない)
とはいえ、共通することは絞れてきたので、次回はそれを書いていきたいと思います。