今年は続々と、「株主総会に来ないでください!」という通知が送られてきています。
総会の通知に入っているのならともかく、わざわざ別便で送ってきた人たちがこの人たちです。おまわりさんこの・・・略
せっかくなので記録に残しておきましょう。
総会をやりたくない理由は株主様の健康と安全
建前はともかく、実際のところコロナのクラスター発生源だなどと指摘されるようなことになれば本業(の本来の業績)に関係なく計り知れないダメージを受けますので、避けたいというのはわからないでもないです。
総会をやりたくない本当の理由
ただ、それだけではないのかな? やりたくないという思いを見透かされないように、でもなんとか小規模でおさめたいんじゃないのかな? というのは常日頃の会社の姿勢でなんとなくわかってしまうものです。
(もっとも、ちゃんと利益をあげて十分な配当を支払っている企業側からすれば、訳のわからない指摘や提案に対応する時間はもったいないのでしょうけど・・・)
その昔、カネを握らせて最前列に陣取らせ、拍手をさせるということが横行していました。シャンシャン総会と総会屋というやつです。
主催する側(特に登壇する責任者)からすれば、想定していない質問を受けてその場で考えて答えるというのは難しいものもあるでしょう。
ただ、本当はそういった能力も含めての経営者(の仕事)なんですよね。
馬鹿馬鹿しいと思ってしまう今の総会
今回3社を例として挙げましたが、あくまでたまたま見かけたのを話のきっかけとして挙げただけで、他にも「今回は総会に来ないで!」と書いてある開催通知は多数あります。(この3社がダメだとか、アレだとか、そういう意図があって挙げたわけではありません。たまたま目について、別紙だったがゆえに捨てる前に何か活用できないか考えた結果です。)
ところで、実は株主総会に出席して質疑を聞いていると「誰にも話を聞いてもらえないおじいさんの演説」、もっと言うとカラオケ大会か何かと勘違いしている?と感じることがあります。
そういった「株主総会なんなん?」みたいな話は以前から色々ありつつも、改善される気配もなくこれまで続いてきました。主催側も、じいさんの演説で時間が過ぎて、当たり障りのない回答をして、気持ちよくなって拍手してもらえればそれでいい、という思いもあるのかもしれません。
株主との対話とか、コンプラなんちゃらとか、必要なこととされてきたわけですが、このようにコロナの前では吹っ飛んでしまうわけで、本当に一堂に会して拍手で議決をする、ということが意味があって必要なことだったのか? というのは今回強く感じました。
ネットでの総会開催でわかりそうなことと、わからなさそうなこと
通常の仕事上の会議と同じで、株主総会も資料は事前配布、質問は事前提出、重複整理のうえすべてに回答、というのがいいように思います。
・・・思いますが、問題としては、ネットの総会では経営陣個人の言動や人となりがわからない可能性があるんですよね。
政治家が表舞台でひたすらメモを朗読するロボットのようになっていて非難されることがありますが、それと同じになってしまうのではないかということです。
「こ、こ、この、ここに、ここに書いてないじゃないですか!」の世界です。
代表に覇気があるのか、気合いがあるのか、落ち着いて論理的な応答をするタイプか情熱的なタイプか、部下や部下の持っている情報をどう把握しているのか、役割分担をどう考えているのか、総会をコントロールしているのか、人形としてコントロールされているのか、といったことはその場の言動でわかることが多く、今年の業績報告の内容よりも重要だったりします。
といったことを考えていくと、仮に高齢者のカラオケ大会のようなものだったとしても直で経営者の言動を見られる機会というのは重要なのかもしれません。
(事前に調整があってもおかしくないマスメディアへの出演よりも、より「ガチ」であるという意味で)